正しい食事を考える会

食が乱れている中どういう食事が正しいのかをみんなで考え、それを実践する方法を考える会にしたいと思います。

食事教育―油脂を考えるー2.油脂の種類

2009-03-28 | Weblog
 脂肪を構成する物質に「グリセリン」と「脂肪酸」があります。
脂肪酸は大きく分けるとー不飽和脂肪酸(酸素と結合して酸化しやすい)
            ―飽和脂肪酸(酸化しにくいので酸化防止、保存食用に使われる)
の二つに分けられます。動物脂とか植物油と言う分け方はしないのです。その代わり含まれている脂肪酸の種類で区別するようになりました。
牛肉には飽和脂肪酸が多いのですが、豚肉は不飽和脂肪酸が多く、ヤシ油は8~9割が飽和脂肪酸ですがオリーブ油のように不飽和脂肪酸が多い植物油もあるのです。

脂肪酸の構造を拡大してみるとイモムシのような形をしています。そして目玉みたいに見えるのが、酸素の原子でこれは二つあって、そこから胴体のように炭素と水素が結びつながっています。この胴体の部分が脂肪にあたります。
 普通、炭素は手を四つ水素は手を一つだけ持っていて炭素のすべての手が水素につながっている脂肪酸がありこれが飽和脂肪酸で非常に安定している脂肪酸です。
反対に炭素の手がつながっていなかったり、炭素同志で二重結合しているものがあるものを不飽和脂肪酸といって不安定な脂肪酸です。
安定している飽和脂肪酸は、商売には良いが体には良くない、不飽和脂肪酸はその逆で体にいいのですがn-6グループは問題があります。

不飽和脂肪酸で不飽和部分が1個ある場合1価不飽和脂肪酸
       不飽和部分が2個以上ある場合多価不飽和脂肪酸に分類されます。
1価不飽和脂肪酸はn-9グループとも言われ、この代表はオレイン酸。これはオリーブ油、ハイオレイックの紅花油、菜種油、米糠油、豚肉などに多く含まれています。この脂肪酸は体の中で燃えてしまうというところで健康食といわれていますが、摂りすぎてはあのイタリア人みたいに肥満しますがn-6グループみたいに悪くはないというところです。

多価不飽和脂肪酸はーnー6グループとn-3グループに分類され
n-6グループはリノール酸(コーン油、普通の紅花、大豆油、綿実油など)とアラキドン酸(肉、卵などの動物性食品に多く含まれている)等があります。
       n-3グループはEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などがあり魚の脂肪に沢山含まれています。

飽和脂肪酸には肉、牛乳、卵に多くふくまれるパルミチン酸、パーム油に多いステアリン酸、ヤシ油に多いラウリン酸などがあります。

以上のように脂肪酸は①飽和脂肪酸、②1価不飽和脂肪酸、③多価不飽和脂肪酸がありますが、これらを適量にバランス良く摂取する事が必要です。
国が定めて比率は飽和脂肪酸、1価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸に比率が1:1.5:1となっています。ですから飽和脂肪酸は健康的でないと無くしてしまってはいけないようです。バランスが大切です。ただ、飽和脂肪酸はいろんな所で使われ、油断すると多く摂取してしまう傾向にあると考えられます。

 このように、脂肪を摂る場合摂取量が大きくならないようにするだけでなく質を考えてどの脂肪酸もバランス良く摂ることが必要です。

 脂肪酸のイモ主状のしっぽの先をオメガエンドと言われ、このオメガエンドから3番目に最初の「炭素の二重結合」がある脂肪酸をオメガ3(n-3グループ)と言い、6番目に出てくるものをオメガ6(n-6グル-プ)とい言う脂肪酸になります。
そして二重結合の箇所で曲がっていますので二重結合が多くなればなるほどグルグルに曲がってきます。このグルグルが大切なところで、脂肪酸が体の中で細胞の膜を作る際には、曲がった脂肪酸を好むのです。特に神経細胞や脳細胞にはオメガ3のような曲がった脂肪酸が必要になってくるのです。ですから魚を食べると頭が良くなると言われるのです。

脂肪の検索をして役に炊く記事を見つけました。
 『肉の脂などの動物性脂肪には、コレステロールがたまりやすい飽和脂肪酸が含まれています。そこでコレステロールを減らしてくれる、不飽和脂肪酸の植物性油や魚の油を大いに食べようといわれてきました。ところが、その不飽和脂肪酸にも、からだにいい脂肪酸と、摂りすぎると 悪影響を及ぼす脂肪酸があることがわかってきたのです。魚の油はとてもからだにいい油ですが、植物油については、もう少し詳しい知識をもって選んだほうがいいようです。
魚の油や食用油に含まれる不飽和脂肪酸は、体内で分解され、全身の細胞の細胞膜成分になります。問題は、この脂肪酸が酸化に弱く、活性酸素に出会うとたちまち変質し、やけどの後のケロイドのような過酸化脂質に変わってしまうこと。こうなると細胞は代謝できなくなり、老化し、変異しやすくなります。
 同じ不飽和脂肪酸を含む植物油でも、過酸化脂質化しやすい脂肪酸と、そうでない脂肪酸のどちらを多く含んでいるのか、知っておいたほうがよさそうです。
同じ植物性油にも、「リノール酸」系と「α-リノレン酸」系があった。
ほんの数年前までは、「リノール酸入りのサラダ油がからだにいい」とよくいわれていました。たしかに、リノール酸にもコレステロール低下作用があります。しかしそれはほんの一時的なものであることがわかりました。さらに、長期的にリノール酸をとりすぎると、かえって生活習慣病の因子をもつ人の死亡率を高めることが、1991年にフィンランドで発表された研究報告から明らかにされました。
原因は、過剰に摂取されたリノール酸は、その分だけα-リノレン酸系の作用を相殺させてしまい、血栓を抑制する働きを低下させてしまうことと関係しています。
こんな話になると、「リノール酸」と「α-リノレン酸」て何?という疑問が生じると思いますが、その違いは脂肪酸の分子構造の違いです。「α-リノレン酸」とは、左から3番目に炭素の二重構造がある脂肪酸。これを<オメガ3>と呼んでいます。これに対して、左から6番目に炭素の二重構造がある脂肪酸が「リノール酸」です。<オメガ6>と呼びます。
からだの中で<オメガ3>に対して、<オメガ6>が増えていくと、強力な血小板凝集作用のある物質がつくられ、血液に粘りが生じたり、血栓ががつくられたりして脳梗塞や心筋梗塞のもとになります。
「α-リノレン酸」は魚の油に含まれるDHAやEPAの前駆体
「α-リノレン酸」系の食用油としては、シソ油やアマニ油やえごま油が販売されていますが、まだあまり聞きなれない人も多いと思います。
そんな人でも魚の油に含まれるDHAやEPAがコレステロールを低下させ、脳の発達にいい脂肪酸だということは知っているのではないでしょうか。「α-リノレン酸」は、生体内でこのDHAやEPAに変わる化合物です。
どんな脂肪酸の多い食べ物をとるかによって、全身の細胞の脂肪酸のバランスが変わります。とくに「α-リノレン酸系vs.リノール酸系」のバランスは大切です。
アレルギーやガンと油の話
からだはアレルギーを起こす原因物質が体内に入ってくると、それを防御するために抗体をつくりだしますが、抗体の産生が過剰になるとアレルゲンを排除するための仲介物質が生み出されます。実はこれがアレルギー症状を誘発する物質なのです。
この仲介物質のほとんどが体内の脂肪酸からつくられるため、脂肪酸とアレルギーの関係があるのではないかという命題のもとに実験と研究が進められた結果、やはり、リノール酸(紅花油)を多く摂取したグループには抗体が多く作られ、α-リノレン酸(シソ油)ではそれが抑制された報告もなされています。リノール酸のとりすぎと、アレルギー疾患の急増が関係あるのではないかということがわかりつつあるというところです。また、ガンの発生にもアレルギー同様にリノール酸のとりすぎが関与していることが実験データで提出されています。』と言う内容です。インターネットは便利で資料が身近にあると言うことです。

次回は「食事教育ー油脂を考える3.脂肪酸の働き」で体の中に入ってどう変化するのかを述べます。


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