不法滞在基金

個人的に、あまりに馬鹿馬鹿しいのでスルーしてきましたが・・・

蕨のフィリピン人一家不法滞在：「３人でいたい」　父アランさん入管に収容　／埼玉

今にはじまったわけではないけれど、
最近のメイクドラマ志向のマスコミの偏向報道に疲弊。
ニュースへの関心を持たせなくするための裏技か？とすら思うほど。
どのチャンネルも同じソースをドラマ仕立てに編集して何度も繰り返す。
まるでいまいち動員しきれていない映画の予告のよう。

で。
この話は、人道的に問題がある、とか人権侵害、とか耳にするたび違和感。
個人の問題と、家族の事情と、個人の都合が入り交じって
国・社会のルールをねじまげる。
例外を作る、というのはこの場合はじめからありえない話。

どうしてこういう展開になってしまってるのか、
どうして違法者サイドが義務を果たさず権利主張してるのか、
どうにも理解しがたい。

たとえば、親の都合で海外含めて転校、もしくは親が単身赴任で家族別居
なんて日本では常識だと思うし、非人道的処置として
会社を訴える人はいないのではないかと。

たとえば、親が犯罪行為を犯したとして、その子どもには確かに罪はない。
だからといって、子どもが可愛そうだから、その親の犯罪をなかったことにする、
それもまた、ありえない話なわけで。

また親の雇用打ちきり、その他、家族の危機が子どもに負荷をかける
出来事ってたくさんある。
親子が離れ離れに暮らすのが、常識外に非人道的なのであれば、
「出稼ぎ」なんて一切だめになってしまう。
耐え難きを耐え、とはいわないけれど、家庭内のマイナス要素は
どの家族にもレベルは違えどもあるのでは・・・。

で、今回のケース。
譲歩案や親戚の存在等、どう見ても、恵まれた条件だと思うわけで。
（詳細を知らないので、実は“ありえないほど悲惨な条件”、
とかだったらごめんなさい、ですが。）

あちらこちらで指摘されているけれど、
もっと支援やそれこそ基金が必要な子どもたちは国内にたくさん存在している。
この不況で進学をあきらめる子ども、
また親の実家のある地方に転居する子ども、
身近な部分でも事例は事欠かない。

今回の場合、親が過去から現在に至るまで違法行為実行者の外国人、
というのが特殊事情だとしても、
それが免罪符になるはずもなく。泣き落とし（？）を許しているうちに
“当然の主張”にすり替わってる不思議。

まぁ、募金も支援も個人活動である限りにおいては、
目くじらたてるものではないとは思うものの（違法行為は違法行為だけれど）
なんというか、正義のあり方がやっぱりどこか歪んでると思う。
支援者が法を犯さない部分で支援するのはまったく自由だけれど、
共依存型の人道ドラマの押しつけはゴメンだとつくづく思う。


不法滞在（wiki）

追記：
カルデロンさん一家、長女のみ在留　入管提案受け入れ

フィリピン人一家の弁護士「ネット上のバッシング、一部の人たちに外国人排除の発想があるのではないですか」 （痛いニュース）
・・・やっぱりマスコミはわざとこの弁護士やのりこさん一家を
持ち上げておいて、落とす「いけず」作戦としか思えない・・・。
（政治関係の話題を煙にまきたいだけなのかも、ですが）
・・・確かにこういうゴネ得に近い事例が経験値として蓄積されると
当然のリスクマネジメントとして、外国人（特にフィリピン人）に対し、
イエローシグナルが灯るようにはなるかも。
それにしても、人権って・・・
そして、母国って・・・

公平か子の人権か　フィリピン人一家問題、親を免責せず
不法入国した両親の法的責任は最後まで免除されず、親子３人で日本で暮らす道は断たれた。しかし、日本で勉強を続けたいという長女の思いだけはかなう道筋が残った。
法務省は、「基本は全員退去」との姿勢を崩さず、長女の滞在だけを例外的に認める方針だ。両親のおじ、おば計３人が日本人と結婚するなど適法に滞在し、東京都北区や埼玉県川口市など近くに住んでいたことから、養育・保護は可能という判断があったようだ。
強制退去の後は５年間再入国が禁止されるが、森法相は両親が自発的に帰国すれば、面会のための一時的な入国を認める方針も表明した。
(中略）
夫妻は偽造旅券で入国しており、入管は正規のビザが切れた不法残留より悪質と判断。最高裁でも「子に責任はないが、不法入国の親が強制退去となれば一定の不利益はやむを得ない」とする判断が維持された。
従来は強制退去が決まった時点で子どもが中学生以上だと、「日本に定着し、国籍のある国での生活は困難」と許可されるケースが多かった。しかし、今回は母親の不法滞在が発覚して処分が決まった時、のり子さんは小学５年生。入管幹部は「中学生になったのは訴訟で争っていたから。それで判断を変えれば、罪を認めてすぐに帰った人に対し公平を欠く」と話す。
(中略）
同様のケースがどのくらいあるか正確な統計はないが、外国人の人権問題に取り組むＮＧＯ「ＡＰＦＳ」（東京）によると、親の不法滞在で強制退去処分になった子どもは現在、全国で１００人以上いるという。（延与光貞）

■在留特別許可で考慮される事情
《主なプラス要素》
・日本人の子や配偶者
・未成年である日本人の子を養育
・難病で日本での治療が必要
・日本に定着し、当該国での生活が困難
《主なマイナス要素》
・犯罪行為など素行不良
・出入国管理行政の根幹にかかわる違反・退去強制歴がある>

追記2：
【主張】フィリピン人一家　同情と法の運用は別問題
のり子さんは「３人一緒に日本に残りたい」と涙ながらに訴える。その気持ちは、痛いほど理解できる。同情もしたい。のり子さんには何の責任もない。
しかし、両親は偽造旅券という悪質な手口で入国した。日本に不法入国する外国人は、年間約１１万人いるといわれる。年々減少はしているが、日本は欧米に比べまだまだ、入国管理が緩やかだとする指摘もある。
温情を優先するあまり、あしき前例をつくるのはまた問題だ。違法を見逃した場合、それがアリの一穴となり犯罪を呼び込むことにもなりかねない。

やっとまともな意見がマスコミからでたな、と。
これが一般的な市民感覚、国民感情だと思うのだけれど。
（効をあせって家族に入れ込み過ぎ、思い込み強すぎにしか見えない）
弁護士含む人権派の方々は、
ネットバッシングやバッシングバッシングのような
ごく一部の利害しか見ていない視野の超狭い活動ではなく、
どうしたら本当にこの家族が、現在の日本の中でしあわせにやっていけるのか
長期的に見ていく必要があるかな、と思います。
＆必要以上に外国人を警戒しなくてはならなくなる、
しいては、外国人排斥につながる今回のような泣き落とし＆ごり押し
な悪例を少しでも減らすために、尽力していただきたいです。

今回の事件は、非常に個人的な、かつごく一部の利害（友達と一緒にいたい、他）
と国のルールを天秤にかけた時、子どもの利権が絡んでいれば国のルールも無効にできる、
というかなりアブナイ、新ルールをゴタゴタの中で前例化させ、
認めさせようとしているように感じる。

今回は特に、この家族が外国人だからということ（だけ）で
ものすごく優遇されているように思う。（人権云々言われることを恐れてか）
これが日本人で、両親が犯罪を犯したから子どもが1人で暮らさざるをえない、
というパターンでも、両親の罪を消して家族で暮らせることをめざす活動になるのだろうか？
（もちろん罪の内容にもよるだろうし、そんな単純なものだとは思ってませんが）

でもって、今回は親の母国に帰るだけの話。
（こちらもそんな単純なものだとは思ってませんが、あえて。）
13歳なら2年もあれば、新しい（というか親もしゃべれる）言葉も覚えられるはず。
（これは、息子の友人が中国に留学するために2年で日常会話を
マスターしたことを参考に）

離れ離れになりたくないと、強く願う運命共同体であるなら、
一緒に母国に帰るべきだろうし、
もし強い意思があるのなら、自分1人でも日本に残って生活すべきだろう。
（これも、息子の友人で、小学校3年生の時から、ほとんど1人で
食事・家事をやってる男の子がいるので。
まだ13歳だから何も出来ない、というのは甘えだと思います。）

いや、誰もがわかっていて、でも「人権問題」「日本は遅れてる」
といわれると及び腰になる。
外国人だということを逆手にとって、国益を損なってでも、
一部の利害を押し通そうとする・・・人権派と呼ばれる方々の常套手段。
逆差別の問題はどこまでも深い（＆不快）。