鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

Violent Witches

2016-06-17 18:17:31 | フリーゲーム(ファンタジー)
「Violent Witches」 RPG・ダークファンタジー・魔女狩り
制作者:saizwong様(ごちゃ積み輸送機

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何か昔のあがってきた? と思ったら、賞とったんですね?
DLサイトの登録日を見たら、ざっと10年前。
今やって面白いと思えるゲームを、その頃作るってすごいですねえ。
しかも、これを機に、リメイクされるそうで!
作者さんのリアルの生活もあるでしょうし、公開はかなり先かもですが、
どうなるのか非常に楽しみです~

さて、内容は、ざっくり言って「魔女狩りゲーム」。

主人公・フランクは子供のころ、魔女扱いされた姉と逃げる途中で、
不運にも本物の魔女に出会って姉を殺される、という、悲しい過去を持つ青年。
しかも、姉の死体のそばにいるフランクを見つけた村人は、
逃げた魔女を殺した英雄として扱います。
それから時は流れ、大人になったフランクは、
「魔女」を殺す仕事を生業にしていました。
目的は、かつて姉を殺した「本物の魔女」に復讐するため。
けれど、本物の魔女は、普通の人間が殺せるような相手ではなく、
フランクが斬るのはいつも「魔女だと言われただけの、ただの人間の女」だけ。
そんなフランクの前に、ある日現れた黒い魔女は言いました。
自分を見逃してくれるなら「本物の魔女」を殺すためのチカラをあげる、と。

ストーリーや設定は、ちょっと説明が足りなかったり、
一貫してない部分もあって、わかりにくいんですが…
雰囲気がすごく良いんですよね。
多少の粗は、気にならないくらいの雰囲気の良さ。

あと、展開がスピーディで、戦闘も自動でサクサク。
レベルアップも早いので、プレイヤーにストレスがかからないのも強み。
ある程度レベルがあれば、ボスでも自動戦闘で勝てる。
ていうか、私ラスボス以外はほとんど自動でいきました。
最終的にレベルは56だったかな。
あまりにもサクサクなので、やめるタイミングがつかめず、
気が付いたら何時間も経ってる系のゲームです。

主人公は、三つの魔宝玉(まほうだま、ではない。たぶんまほうぎょく)
を従えて戦いますが、この魔宝玉、色を塗り替えると覚える魔法が変わりますー。
赤なら炎系、青なら水と氷系とかね。
赤に白を重ねるとピンクになったり、黄色に青で緑とか、
混ぜる色でもバリエーションが増えるのも面白い。
この魔宝玉を育てる?のも、このゲームの楽しみの一つと言えましょう。

ただ、覚える魔法多すぎて、手動戦闘の時、
目的の魔法をすぐに探せないのが面倒かなあ。

サブイベントをいくつかこなすと、最後に、隠しダンジョンと隠し魔女が現れますー。
後日談を見る限り、こっちがトゥルーエンド?になるのでしょうか。
ただ、主人公のフランク的には、最後の展開が変わらないのが残念ですね…

全体に、登場人物たちの性格や行動が、あまり一貫してなくて、
会話も思わせぶりなセリフが多く、割とプレイヤーは置いてきぼりなんですが…
ちょっと間違ったら、物語が破綻してしまいそうなこの矛盾感が、
うまーいバランスで「深み」に転じている気がします。

たとえばフランク。彼はああいう過去を持っているにも関わらず、
「魔女を斬る」仕事を選び、復讐のためと言いながら、
やってることは「姉と同じ」状況の女性の殺害です。
じゃあ本当の魔女に対しては憎しみがあるのかと思えばそうでもなく…
むしろ「殺すことで救っている」ような印象もあって、
しかししかし、どう見ても魔女の「影」ちゃんは、
何があっても殺さないのですよ。

けれど、そんな矛盾した行動も、ゲームをやっているうちに、
人間臭い魅力に思えてしまう。
実際、すごく複雑な屈折のしかたをしていてもおかしくないヒトですし。
プレイヤーがそれぞれに、独自のフランク像を作れそうなキャラだと思いました。

フランクが殺す6人の魔女たちにも、詳しくは語られないまでも、
どこか「哀しみ」が付き纏っていて、それぞれが魅力的。
個人的には、人形を武器に戦う古参の彼女が好きです。
ターンが進むにつれ、腕~足~って増えていく演出が良かった!


あ、そうそう。
このゲーム、地図やマップの方向が統一されてないから、注意してね。

マップ歩いてても、地図では上から下への移動のはずなのに、
マップでは下から上になってるとか、
西に行けって言われたからマップの左ばっかり探してたら、
目的の場所は右側にあったとか、ちょっとした混乱が…;
あと「右に4つ行って戻る」は、実質5回マップ移動してから戻ること。


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