鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

消灯時刻

2016-07-04 02:01:20 | フリーゲーム(ノベル)
「消灯時刻」 BL風味ノベル・異世界終末譚
制作者:ゆたか様(杏仁ど~よ-はなれ-

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お面の人のグラフィックが気になる一品。

以前プレイはしてたんだけど、
同作者さまの、ティラノフェス出品作「老と白」で
あまりにも好みの老人が出てきたので、思い出して…
ついつい再DLしちゃいました。
ちなみにこれが「老と白」の素敵な老人。


「消灯時刻」現代的なタイトルですが、内容は異世界?モノです。
滅びゆく世界を彷徨う、数少ない生き残りたちのアレコレ。
着てるものとか農村の感じとか、文化的には、ちょっと昔の和モノっぽい?

原因も理由もわからないまま、どんどん街や村が滅びていく世界において、
周囲を結界で覆い、鎖国状態にすることで生き延びてきた「消灯の地」。
老人ばかりのその地で唯一の…そして最後の若者、ソノイは、
ある日突然、もう一つの集落への使いに出ることになりまする。
生まれてから一度も、故郷から出たことのないソノイは、
果たして外の世界で誰と出会い、何を知るのでしょうかー…
って感じかな。

最初はね、絶対に主人公は俺女だと思いました。
いつ正体明かすんだろう~って(←w)
結局そんな隠し設定はなくて、
登場人物ほぼ全員が少年だったというw

いやー、何かソノイちゃん女の子っぽかったんだよね。雰囲気が。
村人も若者若者って言うばかりで、性別あからさまにしなかったから、
余計に疑ってしまったわ。

でもまあ、BLっぽいとしても、3番目のルートだけで、
しかも、そんなに濃くない…可愛い雰囲気でしたから、苦手な人も大丈夫。
頭の中で女の子に変換して読んでもそれほど違和感なさそう~

最初にプレイできる二つのルートは、割と平和に終わりますが、
ほとんど謎が明かされません。
その二話で知った情報を踏まえまして、3ルートめからが本番!

ルートごとに、少しづつちがう情報が出されてくるので、
プレイするたびに、ああ、この人は…とか、この時すでにあそこは…とか、
主人公・ソノイちゃんは気付くことができない、物事の裏や全貌を、
プレイヤーだけが…いわば「神の目線」で追っていけるのが楽しい。

読んでいくたびに、頭の中でカチっとパズルのピースがはまる感じ。
伏線がうまくつながって「これがあの時のアレか!」と感じる時の快感。
特に「占い」の結果はね。どれも超当たってて、
あれはこういう意味かー!って後から思うこと必至。

けれど、だからといって、先が読めるわけでもなくて…
3ルート目は意外性の嵐!
特に、タクマじゃないほうのエンドを見ると、
今まで見てきた3つのエンドが、決してハッピーエンドではなかったと分り、
最終的にはどうなってしまうのか、非常に胸を衝かれます。

面白かったですよー。



最後の最後…
きっと、最後に残ったのが「アダムとイブ」だったなら、
「世界」は大目に見てくれなかったかもな?って
ちょっとだけ思ってしまった。