鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

美しい夜・残酷な朝

2006-12-01 18:35:20 | 映画(ホラー)

「美しい夜、残酷な朝」
監督:パク・チャヌク、三池崇史、フルーツ・チャン
出演:イ・ビョンホン、長谷川京子、ミリアム・ヨンほか

公式サイト
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韓流ついでに、アジアの監督のコラボ作品
『美しい夜・残酷な朝』を見てみました。
そうですね。なんとなく中華風の『RANPO』って感じ?
幻想美というより、エログロに突出していて、
私的にはあんまりね…

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韓国編「cut」
ある日、映画監督のリュ・ジホは家に帰ってきたところを
何者かに襲われた。
意識が戻ったときに彼の目に映ったものは、見知らぬ男と、
縛られた少女、そして、無数の糸で人形のように
がんじがらめに固定された愛する妻の姿…
男は、ピアニストである妻の指を一本づつ切断しながら、
妻の命が惜しければ、少女を殺せ、と強要する。

日本編「box」
滅多に人前に姿を見せず、私生活に謎の多い小説家の鏡子。
彼女には人に言えぬ過去があった。
かつて、見世物小屋で暮らしていた彼女は、
父親がわりの男と双子の姉の仲に嫉妬して、
姉を箱に閉じ込め、焼死させてしまっていたのだ。
そして、やがて鏡子に一通の手紙が届いた。
その招待された先は…かつての、あの場所。

香港編「dumplings」
もと女優のリー夫人は、美容によく効くという噂の
餃子を求めて、謎の女メイのもとを訪れる。
「メイ婆」と呼ばれる彼女は、年齢よりも驚くほど若く
そして美しかった。
かつての美貌は衰えを見せはじめ、夫は若い愛人に夢中。
そんな境遇に在るリー夫人は、美しさとプライドを取り戻すため、
勇気を出して「餃子」を食べる。
その材料が、なんであるかを知りながら…
===

韓国編の監督はクムジャさんでお馴染みパク・チャヌク。
直接映像としてグロいのはこれかな。
なんちゅうか、人の醜さ穢さをどうだどうだこれでもか!
と見せつける作品でした。
あと、ボイスの時も思ったけど、向こうの子役って、
どうしてこう顔が怖いの?(笑)

日本編は三池監督…内容がちょっと抽象的。
色彩や映像は綺麗だったけど、ちょっと『アジア』を
意識しすぎじゃないかなぁ。
中国雑技団みたいな双子の少女の見世物とか、
中華チックでジャパホラーの良さがあんまり無かったよ。

香港編は映像的にはそうでもないけど、内容を考えると
ちょっとグロい?
なにしろ『テーブル以外は何でも食べる』食文化の国。
こういうこともあるのかなぁ、となんとなーく納得してしまう
ところがコワい。

うー、3作通して、一度見たらもういいかな、と
思う感じのものでした。
映像作品に関しても、やっぱり国のカラーはありますよね。
アメリカはジューシー・レア(?)なホラーが多いし、
中華は刺激的で味が濃くて単調。日本はあっさり薄味でじんわり。
最近、トシを取ったせいか、濃厚なものよりあっさりめの
モノのほうが好きです(笑)

水霊

2006-12-01 17:22:53 | 映画(ホラー)

「水霊」 2006年
監督:山本清史
出演:井川遥、星井七瀬、渡部篤郎、

公式サイト
↑最初の画面をクリックすると、別窓がサイズ最大に固定されて表示されたうえ、ムービーが流れて超ウザいです。
見る場合は音量注意。画面左上に小さくskipボタンがありますので、活用してください。

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むぅ。感想は…『低予算』?!
何故にこれほどいろいろチャチなのでしょうか。
抉り出された目玉とか、赤ん坊の生首とか、いかにも「僕達プラスチック製でーす」という感じがナントモ言えず。
あまりにも作り物臭くて怖くない…これは縁日のお化け屋敷かっていう…
水道水を媒介に、幻覚に襲われて次々と人が自殺していくっていう、狂気っぽいストーリー自体は、作りようによっちゃ、もっと怖くてイイ感じになってもおかしくないと思うんだけどな。

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東京都の西部地区。そこの、とある老人福祉施設で起こった大量死事件。
それを皮切りに、やがて、不可解な自殺がその地区に多発しはじめる。
その原因は、水にあるのではないかと考えた新聞記者の響子は、
今は離婚した、かつての夫、水質調査のプロである祐一に協力を求める。
あまりにも突飛な内容を一笑にふす祐一だったが、やがて、その影響は彼の周囲にも及び始めて…

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最後のほうの骨ポリポリ辺りは、
『えっ? そうだったの? ていうか手遅れ?!』
って感じで、なかなか素敵なものがあっただけに…
あの目玉と生首様がどーしよーもない…
うん、まあ、そうね。子供の生首なんていろんな意味でタブー色の強いもの、リアルになんて撮れないよね。でもそれならそれで、首でなくてもさぁ…手でも足でもいいわけじゃん…
それにあの目玉は…せめて柔らかい素材を使おうよ…投げたらカッッツン!とか音しそうじゃん…

「輪廻」「サイレン」「水霊」と、最近のジャパホラーを三連で見てみたのですが、輪廻以外はチョイ惜しい。
それにしても、最近、終わってみれば幻覚とか、自分にしか見えてない世界とか、そういう系統多くない?
一番怖いのは、外から来るものではなく、自分の内にあるもの…自分を信じきれなくなる感覚っていうのは、けっこう好みなんですが…続けてトントン出始めると、やっぱり飽きるね。
そろそろ違う路線希望ッ(←贅沢モノ)

サイレン

2006-12-01 16:06:31 | 映画(邦画)

「サイレン」 2006年
監督:堤 幸彦
出演:市川由衣、森本レオ、田中直樹、西山潤、ほか
公式サイト
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一時期激しくCMしてたんで、ちょっと期待してたんだけど…あの恐怖ゲームも、映画だとこんなもんか、って感じかな。
とりあえず、ゾンビさん達がショボすぎて…んー。

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過去に、全島民がある日突然姿を消すという不思議な事件が起きた夜美島。
それから29年が経ち、今は新しい住民が住み復興したその島に、フリーライターの天本一家が越してくることとなった。
娘の由貴は、閉鎖的な島民と、島にまつわる迷信とを気味悪く思いつつも、病気がちな弟の世話をして日々を過ごしていく。
『サイレンが鳴ったら、外に出てはならない』
その言葉は、一体何を意味するのか。
夜に島民が恐れる鉄塔に調査に出かけ怪我をして以来、
人が変わってゆく父親。いなくなった飼い犬。
そして、由貴の耳には、闇に響くサイレンの音が…
===

堤監督の撮る画面は、ホラー向けだと以前から思っていたんだけれども。実際やってみると、あの色彩のビビッドで濃密な感じがクドいかも。
しかも今回は音に拘ったとのことで、映画全篇通してなにしろウルサイ。
これを映画館で見たひとは、終わったあとも耳ワンワンしてたんじゃなかろーか(汗)
これから借りようって人は、間違っても、夜中に普通の音量で観たりしないように。近所から苦情が山ほど来るぞ。

個人的には、これよりも「輪廻」のほうが好みかなー。
というか、考えてみればもともと、私はケイゾクもトリックも溺れる魚もたいして好きじゃなかった。トリックはともかく、ケイゾクでの彼のギャグはどうも笑えない…。堤監督が好きな人なら、これも面白いのかもしれないけど~。
せっかく舞台が離島なんだから、もう少し密室っぽい追い詰められ感あってもいいカモ。

意味ありげーに出てくる赤い服の少女の謎が最後まで解けない、と思ったら、どうやらゲームの「SIREN2」とのコラボなんだそうで。
ゲーム版では、この少女の謎が解けるらしいですよ…そういう使い方もちょっと好きじゃないなぁ。広告宣伝扱いしないで、作品単体で普通に勝負できる映画にして欲しいものです。
あと、あのオチは……
ラストを知ってから見なおしても、いろいろ腑に落ちないのですが…
あのノートの断片を手に入れた家にいた男も妄想?
あの家を壊して侵入してきた人たちも妄想? 
どこからどこまで?伏線わかんないっすよ?!(汗)

見る価値があるのは、森本レオの狂いっぷりくらいかな~。
まさかの配役で、なかなか良かったですよ。
あと、嶋田久作演じるお巡りさんの
『射殺…します…』は素敵でしたね。さすがは加藤様(違)