「宗教の本質」を考えさせられる
安倍晋三銃撃・死亡事件で一躍注目されたのが「世界平和統一家庭連合」( 旧統一教会)です。1994年に名称変更したものの、文化庁に名称変更を承認されたのは2015年だと言います。
ボクが学生のころは「統一原理」とか「原理研」と呼ばれる怪しい集団で、若い会員は「ムーニーハウス」と呼ばれるアパートで生活しているなどと言われていました。50年ほど前のことで韓国発祥の怪しい新興宗教(まだカルトという言葉もなかったので)というイメージでした。
最近でも千葉市の中央公園あたりで歌をうたったり、「サタンガァ…」とかと大きな声で宣伝(?)している若いグループを見かけました。
(清掃活動で福岡市に表彰されていたCARP=原理研、統一教会)
訪問販売や霊感商法
昔は珍味やハンカチをもって訪問販売したり、「霊感商法」といって壷や印鑑を高額で売りつけるなど社会的にも批判される事件が起こりました。
(訪問販売は『万物復帰』という、物を売り、サタンからお金を取り戻す行為で、霊感商法も『万物復帰』の一環と言われていたそうです。)
ボクは小学生(12歳?)のころに近所の兄ちゃんからの折伏(しゃくぶく)攻撃を撃退したことがある生意気な子どもだったので、「原理研」などの怪しいカルトには騙されない自信があり、中学生のころ、駅前などで黒板を立てて宣伝する「統一原理」に議論をしかけたこともありました。
(ブログ編集部の注)
折伏(しゃくぶく)とは折破摧伏(しゃくはさいぶく)を略した仏教用語であり、悪人・悪法を打ち砕き、迷いを覚まさせること。今では主に日蓮宗関係の布教活動がこう呼ばれる
昔は駅頭で黒板を使って統一教会の信者が教義を説明していたが、彼らは「聖書」については、ほとんど無知だった
学生らしい彼らに「聖書談義」を持ちかけても、彼らはイエスの宗教についてほとんど無知でした。彼らが口にする「サタン」や「アダム」がいかにまやかしか理解しました。
今はこんな感じのようですが、50年くらい前は駅前に黒板を置いて、道行く人に統一教会の教義を説明していました。
(ブログ編集部注)
デイリー新潮の記事
【基礎から分かる】統一教会はどのように生まれ、何を教えているのか 安倍元総理暗殺事件で注目(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース
によれば、
「蛇とは後にサタンとなる堕天使にして元天使長のルシファー(統一教会ではルーシェルという)であり、人類始祖のエバがそそのかされて食べた禁断の果実とは、ルシファーとの禁断の愛であったと断じる。しかるに、エバはルシファーと不倫をおかし、次いでアダムとも慌てて性関係を持つなど堕落した。そして、サタンからエバ、エバからアダム、人類の始祖から子孫たる全人類に神に背いた悪の血統が相続された。人間が罪を犯すのはサタンの血をひく末裔(まつえい)のゆえとされる。」
そして、この「アダムやエバは出て来るけれど、聖書の内容と全く関係のない統一教会独自の解釈」は、「文鮮明氏がイエスや神から直接聞いた内容なので正しい」のだそうです。
宗教や哲学について深く考えず、「ご利益」と「ご先祖様」を信じる日本人はカルトに弱い
日本人は宗教的世界に触れることが少ないので、カルトなどに免疫が弱いようです。日本宗教の神道や仏教の特徴は教義や経典が不明瞭で、信仰と呼べる核心が不明瞭といえます。日本仏教の葬式儀礼は儒教経典の「周礼(しゅらい)」に由来する先祖供養で仏教とは無関係です。神道は自然崇拝の一種のアニミズムです。ごく簡単に言うと、現代日本人は「ご利益(りやく)信仰」と「先祖供養」の世界に生きているといえます。多くの日本人にとって「ご先祖」と「ご利益」は単純な宗教心として根付いています。一時流行した「水子(みずこ)供養」など仏教とはまったく関係ありません。
当時、「大法輪」という仏教雑誌が「因果応報」や「水子の祟(たた)り」などは存在しないという特集を組んでいました。
宗教的経験が乏しく、宗教や哲学について素養の少ない日本、そして、素直で物事を深く考える習慣のない日本では、容易にカルトが広がる危険性があります。我々社会の脆弱性を狙ってさまざまな宗教などが入り込もうとしています。(近)
(編集部より:水子供養)
昭和46年に新設建立された寺院(埼玉県秩父、地蔵寺)のキャンペーンが「水子供養」の言葉の浸透と全国的な信仰ブームを引き起こしたといわれる。
戦後の混乱期には、いろいろな事情から中絶を余儀なくされた女性も多いと聞く。その後、20年前後、落ち着いた年齢に達し、しみじみその時代の悔恨とまた年齢から来る更年期の体調不順を「堕胎のせい」として思い込む女性もいたらしい。それを多くの週刊誌が興味本位に取り上げた。そこから水子供養ブームが巻き起こった。…そうです。
(編集部より:韓国ではしぼんでしまったが日本では政権と結びついて肥大化した統一教会)
梨花女子大学事件(カトリックの梨花女子大学である教授が統一教会の教義を教えたことが問題になり、統一教会幹部4名が逮捕され、統一教会に傾倒した学生14人が退学処分になった事件)や、教祖が女性信者と交わることによって「血が浄化される」という、「血分け」の儀式
文鮮明の血分け儀式内容と意味!隠し子は数百人?韓国の認知度が草 | あっぷあっぷ
が社会的問題になり、韓国では急速に影響力を失った統一教会が、日本では、安倍晋三氏を中心に自民党が教団をバックアップしたため、ここまで教団が肥大化し、自民党と統一教会が一体になった「家族中心の自助」「改憲」の戦前回帰政策が日本の政治を支配してきた、この20年。改めて背筋の凍る思いがします。
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