国軍「死刑執行する」在日ミャンマー人らが抗議集会
(テレ朝ニュース)
ミャンマー国軍が民主派の元議員ら4人に死刑を執行すると明言したことについて、在日ミャンマー人らが死刑の中止を訴える抗議集会を行いました。
集会に参加したミャンマー人:「何の罪のない一般市民4人を死刑執行するというのは考えられない。日本政府としても何とか止めて頂きたい」
集会の参加者は去年2月のクーデターで実権を握ったミャンマー国軍に日本政府が「配慮している」と批判し、執行停止を働き掛けるよう求めました。
国軍は16日、NLD=国民民主連盟の元議員らの死刑を執行する方針を示していました。
ミャンマー国軍、民主派の「死刑執行方針」に批判殺到でも「断行」の構え
(JBpressの記事より)
ミャンマー国軍、民主派の「死刑執行方針」に批判殺到でも「断行」の構え(JBpress) - Yahoo!ニュース
■ 著名な民主活動家らに死刑執行表明
裁判所は6月3日、反テロリズム法違反容疑などで逮捕され、2022年1月に裁判の結果、死刑判決を受けている最大与党「国民民主連盟(NLD)」所属の元国会議員コー・ピョ・ゼヤ・ソー氏と、著名な民主活動家であるチョー・ミン・ユー(愛称コー・ジミー)氏の2人を含む4人に対して死刑を執行すると表明した。
ゾー・ミン・トゥン国軍報道官も「2人を含む4人の死刑判決囚は刑務所の手続きに従って絞首刑に処せられる」と述べて、死刑執行方針が軍政の方針でもあることを明らかにした。
ゾー報道官は死刑執行の日取りなどは明らかにしていない。
もし4人の絞首刑による死刑が執行されると司法手続きに基づく死刑としては1990年以来の執行となるという。 2021年2月1日の軍によるクーデター以降、反軍政を掲げる学生や活動家数10人に死刑判決が下されているが、これまで執行されたケースはゼロだ。
ミャンマーの裁判官、検察官などの司法は全て軍政の支配下にあり、公正で公平な裁判が行われていない状況にある。ゼヤ・ソー氏とジミー・コー氏は死刑判決を不服として上訴したが、いずれも上級裁判所によって却下され、死刑判決が確定してしまった。
■ 国際社会からの相次ぐ執行停止要求
カンボジアのフンセン首相がミン・アウン・フライン国軍司令官に死刑執行の中止を求める書簡を直接送付したのは、ASEANがこれまで重ねてきたミャンマーとの仲介・調停に向けた努力が全て「水の泡」になることを警戒したからだろう。
ミャンマー軍政に対して政治犯の死刑執行中止を求めているのはASEANだけではない。 国連のグテーレス事務総長は報道官を通じて「生命、自由、安全に対する権利に対する露骨な侵害である」と軍政を厳しく批判し、死刑判決の撤回を求めた。
また国際的な人権団体である「アムネスティ」「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」なども軍政を非難し、人権尊重の立場から死刑執行の中止を要求している。 しかし、こうしたASEAN、国連、国際的人権団体からの重ねての要求にも軍政は一切耳を貸さない頑なな姿勢を貫いている。
■ 背景に軍政の焦りか
ミン・アウン・フライン国軍司令官率いる軍政は、クーデターから1年4カ月が経過した現在も、国内の治安の維持はままならず、民主派が組織した武装市民組織「国民防衛隊(PDF)」や国境付近の少数民族武装勢力との戦闘に手を焼いている。 そのためか、民主派に対する弾圧の手法もエスカレート。最近は各地で軍兵士による一般の無抵抗、無実、非武装の市民の住居を焼き払う「放火作戦」を実行している。PDFメンバーやその支持者のあぶり出しが目的といわれているが、その過程で多くの市民が暴力、拷問を受けて死亡する事例が多く報告されている。中には焼殺や斬首などの残虐な兵士による行為も増えているという。
日本政府、ミャンマー国軍から新たに士官候補生・幹部を受け入れ訓練
(Human Rights Watchの記事より)
岸信夫防衛大臣は2022年4月26日、衆議院安全保障委員会で、日本政府が新たにミャンマー国軍関係者を受け入れ、防衛省管轄施設で訓練を行うことを明らかにした。これは、昨年2月1日のミャンマーで軍事クーデター以来、二度目の受け入れとなる。なお、ミャンマーからの受け入れは2015年に開始した。
2人の士官候補生と1人の幹部は防衛大学校、もう1人の幹部は航空自衛隊幹部候補生学校で訓練を受ける。両施設は、軍事・学問双方の教育を行っており、カリキュラムには戦闘の訓練も含まれる。岸防衛大臣は「文民統制と民主主義の在り方を理解してもらう人間を一人でも育てていくことで、ミャンマーの将来の在り方につながってくれれば」と主張し、今回の受け入れを正当化しようとした。
ミャンマー国軍を「内部から変化させる」という名目での試みは、日本政府の希望的観測に過ぎず、むしろ逆効果を与えることが懸念される。また、ミャンマー国軍の責任を追及しようと励んでいる米国、英国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアなど各国政府による努力を弱体化させることを意味する。
ミャンマー国軍には悲惨な人権侵害を繰り返してきた歴史がある。2017年8月には、現ミャンマー国軍総司令官のミンアウンフライン氏の下、ラカイン州の少数民族ロヒンギャに対して、人道に対する罪、及びジェノサイドにあたる行為を犯した。74万人以上の人々が隣国のバングラデシュに避難し、また現在も約60万人のロヒンギャがミャンマーの治安部隊によってラカイン州の村やキャンプに閉じ込められている。この状況はアパルトヘイトともいえる。
また、ミャンマー国軍は数十年に渡り、少数民族の地域などで即決処刑、レイプ、無差別爆撃、拷問、放火など数多くの人権侵害を民間人に対して行ってきた。2021年のクーデター以降も、ミャンマーの治安部隊は「軍事政権」に反対する人々を殺害、拷問、または恣意的拘束をしている。これらは人道に対する罪にあたる。また、政権奪還後、国軍は少数民族の地域で軍事作戦を再開し、戦争犯罪を継続している。
もし日本政府は本気で「ミャンマーの将来の在り方」を考えているのであれば、ミャンマー国軍との協力を断ち、国軍幹部及び軍系企業に対して対象限定型経済制裁を課すべきだ。ミャンマー国軍の残虐行為に直接的・間接的に関与する可能性がある士官候補生及び幹部を訓練するということは、日本政府が国軍の人権侵害に加担するリスクを負うことになる。
(東京新聞の記事)
民間人を弾圧するミャンマーの軍人を留学させ、訓練を施す唯一の国、日本 クーデター後も受け入れ継続
ミャンマー国軍が頼りにするのは、今や日本政府と「ピューソーティー」(国軍派民兵)だけ
コメントをお寄せください。
<パソコンの場合>
このブログの右下「コメント」をクリック⇒「コメントを投稿する」をクリック⇒名前(ニックネームでも可)、タイトル、コメントを入力し、下に表示された4桁の数字を下の枠に入力⇒「コメントを投稿する」をクリック
<スマホの場合>
このブログの下の方「コメントする」を押す⇒名前(ニックネームでも可)、コメントを入力⇒「私はロボットではありません」の左の四角を押す⇒表示された項目に該当する画像を選択し、右下の「確認」を押す⇒「投稿する」を押す