女房は俺をクルマに乗せて街へ連れて行った。
そして,ぎっくり腰の俺を下ろして帰ってしまった。
俺は歩いて家に帰らなければならなくなった。
帰って行くクルマを見つめながら,俺の頭に映ったものは何か?
断崖から我が子を突き落とす獅子と,女房の姿が重なって映る。
俺は断崖から突き落とされた子獅子と同じだ。
やむを得ず,杖をつきながら家へ向かって歩く。
突き落とされた子獅子が崖をよじ登って母獅子へ向かうように。
歩道は歩きにくい所だ。
歩道の一部である側溝のフタの構造に問題があり,
4センチ程の隙間が空いている。
気をつけないと,杖の先が穴に落ちて転倒する恐れがある。
転んだらまた,ぎっくり腰だ。
2キロ程の道を休み休み歩いて,
家へたどり着くまでに,70分もかかった。
今度は女房からクルマに誘われたら,気をつけよう。
お役人さ~ん
一度で良いから,杖をつきながら歩道を歩いてくださいよ!!
出来ればぎっくり腰になって,杖をつきながら夜道を歩いてくださいよ!!
危険な所がよく分かるよ!!
側溝のフタの穴を,塞いでくださいよ!!