降版時間だ!原稿を早goo!

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「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★絶句した『妻、のぶ代へ』❶

2015年11月07日 | 新聞/小説


10月25日発売後3日で10万部突破——そのうちの1冊が、僕が買ったものです。
『娘になった妻、のぶ代へ/大山のぶ代「認知症」介護・夫が明かす2700日』(砂川啓介さん、双葉社=本体 1,300円)=写真

淡々と書かれているが故に、かえって夫・砂川啓介さんの心労と、想像を絶する日々の苦労が分かり、読む方にはつらかった。ページが滲んで読めなかった。
若年性アルツハイマー病を描いた、山本周五郎賞受賞作『明日の記憶』(荻原浩さん、光文社文庫)を読んで衝撃を受けて以来、あすはわが身と思っている。

▽1964年、のぶ代さん舞台共演を経て、砂川啓介さんと結婚(当時のぶ代さんは女優。砂川さんはNHK番組の体操のお兄さん役でブレーク中)。
▽1979~2005年までの26年間、のぶ代さん「ドラえもん」声優担当。
「ドラえもんは、私のライフワークよ」と、他の仕事は断っていたという。
▽2008年、のぶ代さん脳梗塞で倒れる。砂川さん、在宅介護を開始。
▽2012年秋、のぶ代さん認知症発症。砂川さん、在宅介護を継続。
▽2015年5月、砂川さん、ラジオ番組で妻のぶ代さんの認知症を公表。
▽2015年10月、介護2700日をつづった『娘になった妻、のぶ代へ』発売(この本です)。

同書巻末には
「特別企画①初公開!介護日記収録」
「特別企画②ペコの特効薬・認知症の進行を遅らせる10のススメ」
「特別企画③夫婦対談『これからの2人』」
が収録されているが、夫婦対談には衝撃を受けてしまった。
料理番組やドラマで、あれほど当意即妙の受け答えを見せていた大山のぶ代さん(現在82)が、まさか…………長くなったので、続く。