降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★京都は諸行無常なり=初夏編(2)

2013年05月31日 | 新聞

【5月30日付の続きです。写真は京大病院近くの聖護院。この裏に、中坊公平さんの御殿荘がある】

京都一日滞在で市内をあちこち歩き回り、気づいたこと5題(←昭和のころ、一般紙地方版でよく見かけた見出し。懐かしい........)。

▽中京区の複合商業施設・新風館(元・京都電信電話局)にあったBEAMS BOYがなくなり、パタゴニアになっていた。
→BEAMSは、より人通りがある藤井大丸に移転。近くにあったT.HILFIGERも閉店していた。諸行無常なり。

▽丸太町通りにあった京都新聞専売店が閉鎖していた。
→地元紙専売店さえも統廃合なのかぁ........諸行無常なり。

▽去る3日亡くなった中坊公平さん( 享年83)が経営していた聖護院御殿荘は、修学旅行生で混雑していた。
→「西尾の八ツ橋」を聖護院本店に買いに行ったら、白ワイシャツ姿の修学旅行生が次々現れ、びっくり。
そういえば、僕も修学旅行の宿泊も同荘だった。当時は中坊さんのご実家とは知らなかった。暇なとき、かつて中坊さんは番頭をしていた、と聞いた。

▽二条鴨川沿いのフジタ観光ホテルが取り壊され、リッツ・カールトンが新館を建設中。
→基礎工事は終わったよう。御池の京都ホテルオークラと一騎打ち。

▽河原町通りの店が閉店ラッシュ。次第にシャッター通り化........。
→数年前、丸善が撤退してから地元の店が少なくなり、カラオケ屋とドラッグストア、携帯電話ショップ、ファストフード店ばかりに........諸行無常なり。


(*_*)

★森見小説読んでスマート珈琲店。

2013年05月30日 | 新聞


愛人........じゃなくて知人が京都・白川で個展をやっているので、1日だけ京都に来た。
梅雨入りした近畿、小雨が降り少し蒸しますなぁ。かなわんなぁ、ほんま。

去る5月4日ダウン、救急車で運ばれ、緊急手術→入院して以来の関西。実は、その時お世話になった大阪・福島区の病院に御礼も兼ねてなのだが、
京都といえば、森見登美彦さん(34)の小説でしょ。
ちょうど最新刊小説『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞出版)を読んでいたので、愛人........じゃなくて(→しつこい)知人と
三条寺町の、同小説で主人公・小和田くんが週末に通う喫茶店「スマート珈琲店」に行った=写真。
朝は8時、夜は7時までの営業で、自家焙煎の珈琲(450円)とランチには行列ができる老舗(1932年創業、あの美空ひばりさんも通われたとか)。

中京区三条通にはイノダコーヒ、河原町通には六曜社珈琲店、木屋町筋には小川珈琲店があり、3店とも「喫煙可・分煙」なのが嬉しい(京都は意外と喫煙可カフェが多い)。
また、地元紙・京都新聞をはじめ、朝日、毎日の一般紙のほか、スポーツ紙などが置いているのも素晴らしい!
朝はコーヒー・たばこ・朝刊の3点セットでしょ、やっぱし。
晩年は京都で暮らしたい(→あ、もう晩年か、笑 )。


(^○^)

★運転見合わせで散々4400円。

2013年05月29日 | 新聞/小説


【 写真は本文と関係ありません】
「ただいま、中央線快速電車は西荻窪駅での人身事故により、上下線とも運転を見合わせております。また、総武線各駅停車も上下線で運転を見合わせております。
繰り返します、現在、中央線快速は........」
僕は中央線快速を使っているんだけど、ホームに入ったとたんの「運転見合わせ」。ガックリ。
現在10時30分。11時30分に、東京駅で人に会わねばならないので、こりゃまずい。運転再開は11時過ぎになるとか。こりゃまずい。

騒然とする駅を出て、タクシーをつかまえた。
「す、すみません! 東京駅まで!」
「お客さん、なんかありました? あー、人身事故? そりゃ、また大変だ。東京駅ねぇ、ここからだと高速に乗っても50分以上はかかりそうですよ。月末だし、厳しいところですなぁ........どうします?」とタクシー運転手さん。
僕「と、とにかく電車が動かないので行きましょう!」
と、慌てながらシートベルトを締めた。

途中、永福町(東京・杉並区)あたりでiPhoneから交通情報をみたら、
「中央線快速電車は、まもなく運転再開の見込み」。
僕「運転手さん、中央線が動き出すようなんで、甲州街道から新宿駅に行き先を変えてください!」
運転手さん「ほぉー、そりゃ良かった。この渋滞じゃあ、東京駅11時30分は無理そうだしねぇ」

11時10分、新宿駅南口ルミネに滑り込んで中央線快速に乗り換え、東京駅に間に合った。ホッ。
でも、タクシー代は4400円だった........サンザンな散財でございました(←おー、いいオチじゃん)。


(T_T)





★五木寛之さんは矍鑠80歳だった。

2013年05月27日 | 新聞


五木寛之さん(80)の新刊『なるだけ医者に頼らず生きるために私が実践している100の習慣』(中経出版=写真右)の出版記念講演会に行った(注=同書は、2004年角川書店刊行『養生の実技/つよいカラダでなく』の増補改訂版に当たる)。
30字の長~~いタイトルは、五木さん作家生活50年史上最長文字数!

白いボタンダウンシャツに、ベージュのジャケット、茶色のイタリア製靴、バッグを持ったまま笑顔で会場に現れた五木さん。
以前お見かけした時は少し前屈みだった(失礼)けど、80歳の老人とは思えぬ矍鑠たる歩き方。エベレストも登頂できそう(笑)。
日刊ゲンダイ連載「流されゆく日々」では、左脚痛が深刻と書かれていたが、もうよろしいのかしらん。
トレードマーク的長髪には、CDジャケット撮影用だろうかパーマを当てられたような感じ( ←よく見ているなぁ、我ながら、笑)。

「私(五木さん)は月のうち10日以上は、こうしてバッグを持って、全国を寅さんのように歩き回っています。
昨日は龍谷大で講演をやり、明日は茨城のほうへ行く予定です.......7月から『小説親鸞/第3部完結編』の新聞連載が始まりますが、こうやって動いているほうがいいですね」
「私も80歳になり、今年は81です。
最近は、同年同月同日(1932年9月30日)生まれの石原慎太郎さんが気になります。最近の彼、猫背で答弁の声にハリがなくなりましたね、やはり軽い脳梗塞のせいでしょうか........」

五木ファン歴四半世紀に及ぶ僕の方が先日倒れて入院しちゃったけど、
五木さんはお元気そうで良かった。まだまだ、同時代作家として本を読みたいし。
ーー以前、ある出版関係者の方が小さな声で
「五木さんは、コマと同じように忙しく回っておられる方がいいみたいですな」
と言っていたが、本当だなと思った。


(^○^)

★2ページ同時組みに挑んだ日 (2) 終

2013年05月26日 | 新聞

【5月17日付の続きです。写真は本文と関係ありません】

平成の初めのころ。
ある夜、整理部で夕方1人倒れ、面担手当てができず、急きょ僕が2ページ同時編集することになった。
▽3面=広告5段、編集10段
▽5面=広告3段、編集12段(当時は1段15倍13字組み、行間5Uだった)

3面は立ち上げ早版でまとまったので、赤字処理・差し替えなどは暇そうにしていた整理部長に任せ(←立ってるものは親でも使え、ということですね)
問題は、記事量が多い上に入稿が遅い5面。
とりあえず、早版は写真などを大きくして降版したけど、編集局に戻るや
「おいっ、出稿! モニター溜め込んでないで早く出せよ!」
こんな夜に限って処理が遅い出稿デスクなので、普段はおとなしい僕でも(笑)テンパっちゃった。

とかなんとかバタバタやって、この夜は大きなニュースはなく一部替えですんだ。
各面3回降版したから、6ページつくったことになる。
( 整理部や記者の方なら分かるでしょうが)バタバタ忙しいほうが「ハイ」になるのか、結構いい紙面ができた気がした。

【結論】
▼ハイ状態だったので、降版後の社内打ち上げ飲酒は美味しかった(笑)。
平成の初め当時でも、整理1人ニュース面2ページ編集は、面の組み合わせ次第で出来ないことはない、と思った。
▼現在すでに、フューチャー面(前出し面)編集は整理1人で複数面かかえているので、
一般紙ニュース面も現在の記事量&段数なら(労働強化になる・ならないは別にして)できる。
スポーツ紙は、たぶん無理。

(O_o)

★やはり輪転フル回転なのだ?

2013年05月25日 | 新聞


下げ幅1143円安となった5月23日の翌24日付「日経」「朝日」見出しはーー
▽日経=過熱警戒で売り増幅/株急落、1143円安/一時的調整の声
【 →慌てず騒がず、落ち着いている見出し 】
▽朝日=東証暴落1143円安/13年ぶりの下げ幅/円・金利も乱高下/終値1万4483円
アベノミクス危うさ露呈=編集委員・原真人
【 →大変だぁ!言わんこっちゃない!と、煽る見出し 】

ーーということはさておき。
一昨日1万円札をくずしたら、お釣りがきれいな「新札」1000円札9枚、
昨日5000円札でもピン札4枚がかえってきた=写真。
やっぱり、日銀は輪転機をフル回転させているーーと見た(爆笑)。


(^○^)

★「、」を入れましょうよ。

2013年05月24日 | 新聞


勝手に、紙面審査委員会しちゃいますーー。

うーん、「、」(チョン)は入れた方がいいねぇ。
そりゃまぁ、読めば分かるけど、読み違えされる場合もないとは言えないからーーと、僕は直しを指摘したとき言っている。

「ソニー電機中心を強調/15年3月期 営業利益の7割目標」(朝日新聞@東京本社版5月23日付=写真左)
分かりやすくするなら、
チョン入れ→「ソニー、電機中心を強調」
あるいは四分アキ(スペース)挿入→「ソニー 電機中心を強調」
ーースペースの方がいいね。

この場合、裸見出しで「、」を入れると多少偏平がかかるかもしれないけど、
細ゴシック地紋見出しか、見出し圧縮(ブロック)、あるいはU単位でフォントサイズを変更すればいいかなーーと思う。


(u_u)

★もうすぐ祇園祭だねぇ(笑)

2013年05月22日 | 新聞/小説


きのう買った本と雑誌。
月末は、どうして小説の新刊が多いのかしらん。

▽『聖なる怠け者の冒険』森見登美彦さん、朝日新聞出版=1,680円
もうすぐ祇園祭(笑)ーー。
宵山小説(→そんなのあるのか)といえば、
五木寛之さんの『燃える秋』(集英社文庫ほか)と、
森見さんの『宵山万華鏡』(集英社文庫 )。この作品、実に良かったなぁ。

『宵山万華鏡』は、山鉾巡行(毎年7月17日)の前夜、烏丸通に駒形提灯が灯る黄昏からの、妖しき一夜を描いたもので、森見ファンになった。
新刊『聖なる怠け者~』は万華鏡の延長線上にある作品で、ぽんぽこ仮面が京の街を疾走する(と思う。読み始めたばかり)。
森見さん作家生活10周年記念出版! 朝日新聞連載3年ぶり全面改稿! 銀色のオビが賑やか。

▽『加藤嶺夫写真全集/昭和の東京1新宿区』川本三郎さん・泉麻人さん監修、deco発刊=1,890円
読売新聞書評欄を見て、マークしていた一冊。美しいダブルトーン印刷で蘇った、街角の貴重な記録集。
街歩きの双璧、川本さんと泉さんが、楽しそうに解説を書いている。
「加藤さん、よくぞここを撮ってくれたと頭が下がる」( 川本さん)のコピーが刺さった。

▽『京都の平熱/哲学者の都市案内』鷲田清一さん(写真・鈴木理策さん)講談社学術文庫=1,008円
2007年に単行本で読んでいたけど、再読したいな、と。
哲学者の硬派な文章の間に挟まる日常の街角スナップが、実にいい。

ーー京都本が2冊だけど、森見さんのは冒険譚、鷲田さんのは形而上学的京都案内だから、まぁいいか。

▽創刊100周年記念第2弾「週刊ダイヤモンド」2013.05.25特大号=ダイヤモンド社
「報道現場の裏側を明かす/経済ニュースを疑え!」ーーいい特集タイトルだなぁ。
「なぜ週刊ダイヤが株特集を組むと株価はピークアウトするのか」ーー経済誌のくせに、株特集で予測を外しまくっているのは何故だ?
だははははははははは。


(^○^)

★こんなに部数が落ちたのか........。

2013年05月21日 | 新聞


【写真は本文と関係ありません】
5月18日付産經新聞の土曜日名物コラム「花田紀凱の週刊誌ウオッチング」を読んで、ガク然とした。
新聞だけじゃなく、雑誌もこんなに部数が落ちているのかぁ........。

【日本ABC協会による2012年下半期7~12月平均の雑誌販売部数】
(1) 週刊文春=48万0846
(2) 週刊現代=42万4909
(3) 週刊新潮=36万5355
(4) 週刊ポスト=31万8147

(5) 週刊大衆=13万9326
(6) 週刊朝日=13万0079
(7) 週刊アサヒ芸能=10万9017

(8) AERA=79,371
(9) サンデー毎日=60,546
(10) ニューズウィーク日本版=40,767

トップは「家の光」59万7529部だけど、昭和の頃は100万部以上だったから落ち込みがキツい。
「文藝春秋」は33万8049部で、
「芥川賞発表号を含めての平均部数だから........」
と花田さんは心配していた。
こういう具体的なデータを見ると、下げ止まりはいつなのだろう、と考えてしまった土曜日の朝でした。


(・ω・)ノ

★「探偵BAR2」ここが、ちょっとなぁ。

2013年05月20日 | エンターテインメント


映画「探偵はBARにいる2/ススキノ大交差点」を観た=写真。
第1作を観てすぐ冬の札幌に飛び、ススキノの「喫茶モンデ」(実在店名は「トップ」=札幌市中央区南6)、小樽運河まで足を延ばしてしまったほど、割と好きなシリーズなのだ。
原作『探偵はひとりぼっち』(東直己さん、ハヤカワ文庫 )より、映画版ストーリーの方がスッキリしていた(←こらっ)。

今作「ススキノ大交差点」は確かにカーチェイスなどパワーアップしているんだけど、
居酒屋やバーなどでバット振り回しての、これでもかこれでもかの殴り合い&暴行シーンが「ちょっとなぁ........」だった( 僕は流血が弱いのだ)。東さん小説のスマートさが消えている。
おなじみの「探偵は、依頼人まもらなきゃならないんだよ!」のセリフはピタリ決まっていた。

「相棒」高田役の松田龍平くんが、ほとんど喋らないけど、相変わらず存在感がある。
超えろ! お父さん(松田優作さん)という感じ。
マサコちゃん役のゴリさん、フローラ役の篠井英介さん、桐原組幹部・相田役の松重豊さんらがいい味を出しているのだけど、
政治家・橡脇孝一郎役の渡部篤郎さんの、あの独特の独りよがりな喋り方には、こっちが疲れてしまった。
たぶん、シリーズ化して第3作もあると思うけど、やっぱり札幌といえば「雪」が欲しいっしょ!(今作はなかった)


(・ω・)ノ