(きのう7月30日付の続きです。写真はイメージです)
スポーツ新聞の舞台裏を活写した、本城雅人さん(49)の最新小説『トリダシ』(文藝春秋、本体1,750円)。
同小説は、
「四の五の言ってねぇで、とりあえずニュース出せ!」
を口癖にしている、東西スポーツ・鳥飼義伸(とりかい・よしのぶ=44歳)野球部デスクが主人公の連作集。
第2話「コーチ人事」から、編集局や整理部に関係する描写に注目してみた(下記、太字は同書本文から引用しました)
(江田島は)ジェッツ1年目はヘッドに三塚がいたことで、取材に苦労することはなかった。
一年目を終えた時に東西スポーツの独自ネタを数えた。
本数ではジェッツと同じ東都新聞を親会社に持つスポーツ東都に負けていたが、内容で比較すればトントン❶だった。少なくともスポーツ東都の記者は、江田島たち東西スポーツを恐れていた。
もっとも彼らが恐怖を抱いている存在が、鳥飼であることは分かっていた。
(中略)
二年続けて優勝できなかったジェッツに、今度はヘッドではなく監督交代の問題が起きた。
東西スポーツにスクープが載った。
元大阪ジャガーズの監督、桐生氏がジェッツ監督に就任❷
鳥飼が取ってきたネタだった。
これまで生え抜きしか監督にしなかったジェッツが、ライバル球団の大物に、監督を要請した。
江田島も事前に鳥飼が摑んでいる情報を聞き、他紙に気付かれないように東都新聞本社の幹部宅に夜回りをかけさせられた。
(後略。73~74ページから)
❶本数では……比較すればトントン
独自ネタ勝負で、東西スポーツ(置き換えると、サンスポ?)はスポーツ東都(置き換えると、スポーツ報知?)と互角であった——ということ。
球団系列紙よりネタを取ったぜ、という意味合いなのだけど、終始&全面
「サンスポvs報知」
対決に少し違和感を感じた(もちろん、フィクションなんだけど、サンスポの敵は報知という設定なのだ)。
スポジャパ(置き換えると、スポニチ?)日日(置き換えると、ニッカン?)も凄くね⤴︎⤴︎(語尾上げ)
……たぶん、第2作で対決でしょう。
❷元大阪ジャガーズ……就任
フロント1面の大見出しなら、
桐生氏(→なんとなく、星野仙一さん想起)
ジェッツ監督(→なんとなく、巨人想起)
写真をドカンと貼って、前文15行(2倍G)と本記60行、監督データ、メモ15行2本あれば埋まると思う。