降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★桐野小説の毒は強烈だった。

2012年05月31日 | 新聞
毒小説第一人者。流行りの、どろどろ小説先駆者である(たぶん)。

『OUT』(講談社文庫)があるんだから、当然インがある。
読み落としていた桐野夏生さんの『IN』(集英社文庫5月新刊=写真左)を読んだ。
殺人は起きない。
だが、人間の業・闇・憎悪・執着・嫉妬を描く、相変わらずの桐野ノワールはノンストップで読めた。

あらすじ。
女性作家の鈴木タマキは担当編集者の青司と不倫関係にあった。
タマキは過去の大家・緑川未来男の私小説『無垢人』登場人物・愛人「○子」が実在するはずと追跡取材していたが、自身の不倫関係と重ね合わせるうち、あることに気がついた――。

「IN」は「淫」の意味か。
小説の舞台は、桐野さんが一時期住んでいたJR中央線沿線で、
「ふむふむ、中野北口のアソコらへんだな、タマキ先生の愛の巣は…」
と三多摩都民の僕は違う意味でも興味深く読めた。

だから、吉祥寺(東京・武蔵野市=桐野さんは成蹊大卒)周辺が舞台といわれた『魂萌え!上下』(新潮文庫、毎日新聞連載)を再読しはじめたのだ。
【『IN』オモシロ度=★★★★☆】巻末解説に、伊集院静さん。「年に数度しか逢わず、それでいて、ああ桐野はまだ生きて書いているのだ、と安寧を私は、時折、抱く」
作品解説ながら、盟友へのラブコールになっているのが、文庫ならではのお得感。


(^o^)

★「ヘラヘラ顔の前首相」に怒!

2012年05月30日 | 新聞
愛国新聞…じゃなくて、産經新聞の、あっぱれな5月29日付紙面=写真。
フロント面3枚目「笑顔の菅前首相」写真が効いている。強烈だ。
エトキ(キャプション)「閉会後はうまくいったとばかりの笑みを浮かべた=28日午後、参院議院会館」
編集の、怒りの一矢を見た。

口先達者ぶりを見せつけた「国会事故調聴取」2時間50分を、責任転嫁と自己保身に終始したスッカラ菅前首相に対し、総力編集の5ページ展開。
産經新聞の、機能不全・菅政権への憤りが半端じゃないのがよ~く分かる。

「菅氏 反省なき強弁」記事に、1枚さりげなく「ニコニコ笑顔の菅ちゃん」写真を放り込む--。
こういう写真セレクトは、整理部判断だけではできない(いいね! と思わず同紙のYくんにメールしちゃった)。

「この国の最大の不幸は、宰相の器でない男が、非常時の首相だったこと--」
と読売新聞政治部長が新潮社「波」で書いていた。
あらためて、そう思った。


(`・ω´・)

★振込先は詐欺口座だった(2)

2012年05月29日 | 新聞
【5月28日付の続きです。写真は本文と関係ありません】
以前、ネットで購入した物品代金を、僕が振り込んだ「ゆうちょ銀行口座」は

『被害回復分配金支払申請についてご案内
過去にお客さまが振込されたゆうちょ銀行の口座につきましては、振り込め詐欺などの犯罪に利用された口座として、振り込め詐欺救済法に基く被害回復分配金の支払申請の受付が開始されました。(原文ママ=後略)
株式会社ゆうちょ銀行』

僕は被害には遭っていない(ちゃんと商品は送られてきた!)ので、分配金申請はしないけど、
振込先「名義人」リストはすべて、あの経済大国2位「C国人」だったのには驚いた。
(↑ 本当はヤッパリなぁ!と思った)

C国人名が詐欺口座名義人なんだけど、明らかに外国人名に振り込みを行う人がいるのか?
ATMから口座番号だけで振り込んでも、「名義人または名称」も表示されるから、ここも「アレ?」なはずなのだが……。

▽ちゃんと商取引された口座でありながら、
▽振り込め詐欺などの犯罪にも悪用された、
二つの顔をもつ口座――
ということになる。
ここんとこは書いていないから不明なのだ。
深まる謎、高くなる電気代なのであった。


(o・・o)

★振込先は詐欺用口座だった(1)

2012年05月28日 | 新聞
【写真は本文と関係ありません。決して、前首相の「辞める辞める詐欺」を意味しているわけではありません】

九州から見慣れない郵便物が来ていたので、恐る恐る開けてびっくり。

「去る○月○日に都内○○から、あなたが振り込んだゆうちょ銀行口座は、振り込め詐欺などの犯罪に利用された口座です。
つきましては、被害回復分配金を希望されます場合、下記の申請書類と身分証明コピーなどを提出してください。
株式会社ゆうちょ銀行」

振り込め詐欺。被害回復分配金申請――。
書類を見ると、確かに僕が昨年ネットで物品購入した際、都内ATMから数万円を振り込んだ「相手先」口座が記してある。
つまり、その口座名義人が詐欺の「金集め用口座」に使っていたものだという。
だから、
いくばくかの金銭を振り込んだ貴方(→僕ですね)は被害に遭われたのではありませんか? 
届けを出せば被害回復分配金が多少戻ることもありますよ、7月までに申請しなさいね、分かりましたね?
――ということらしい。

しかし「被害回復分配金申請書類」がなぜ来たのだろう?
…………深まる謎、高くなる電気代(←あ、関係ないか)。
長くなったので、以下後日(かも)。


( ̄^ ̄)

★褒めてくれた上司は忘れない。

2012年05月27日 | 新聞
【写真は本文と関係ありません】
お世話になった、新聞社元役員が亡くなられた。
当時、ぺーぺー新人整理マンだった僕には雲上人だったが、意外と何回か部屋に呼ばれた。

「今日付の1面を作ったのは誰だ、と役員がおたずねです」
秘書室から編集局長に内線電話があり、局長とともに慌てて役員室に駆け上がった。
「局長、僕、なんかミスりましたか?」
「…………分からん。おいっ、ネクタイぐらい締めてこい、ばかもん」

役員室。
「実にいい紙面構成だ。迫力があり、読みやすいぞ、頑張ってくれ、ワハハハ」と言われた。
怒られたことは忘れるけど、褒められたことは絶対に忘れないのがサラリーマン(おまけに局長賞でたし、笑)。

CTS(コンピューター組み版)機種選定で何回か夜もお会いした。気さくな雲上人(←ぺーぺー新人から見れば、ね)だった。
元役員が指揮をとっていた時代は
「頑張れば、頑張った分の何分の一ぐらいは部数が伸びた」
時代だった。
もう2度と、部数が伸びる時代は来ないと思う……。


( ̄^ ̄)

★代官山蔦屋書店は……だった。

2012年05月25日 | 新聞
【5月24日付の続きです】
話題の「代官山蔦谷書店」(東京都渋谷区猿楽町)は1~3号館に分かれ、マガジンストリートを軸に、それぞれ専門書店がくっついた、おとなの書店=写真。
ステーショナリー、スタバ、特化したコンビニ、雑誌の創刊号閲覧コーナーもあり、本好きにはたまらない空間だと思う。
だけど、だけど――

幼児が泣き叫び、意外とワヤワヤなのだ。
ヤンママ&ベビーカー集団が館内を動き回るので、ウキャーウキャーとうるさい(こともある)。
また、ヤンママたちはマナーが悪く、平積み本をガキども……じゃなくてお子たちが倒しても
「あら~、本を崩しちゃダメよぉ。ケメオくん」
だけで、しゃべりながら館内お散歩なのだ。
中には、チワワをリードで連れたまま店内に入ろうとした不届きものもいて、スタッフに注意されていたし。
マナー、モラル崩壊である。

でも、自慢のコンシェルジュが選ぶ本は、メガ書店にはないユニークなラインアップ。1日いても飽きないと思う(閉店は深夜2時だけど、さすがにその時間まではいられない……)。
【代官山蔦谷書店・行くといいですよ度=★★★★☆】
国内外とわず、多彩な分野の雑誌群は圧巻。大使館があるので、外国の方たちが多い。



(* ̄O ̄)

★代官山蔦屋書店は「いいね!」。

2012年05月24日 | 新聞
日本が、世界に誇れる書店ではないか――(ちょっと大げさか)。

話題の「代官山蔦屋書店」(東京都渋谷区猿楽町)に行った=写真。
東急東横線代官山駅から5分、渋谷駅から車で10分ぐらいで、この緑あふれるリラックススペースだから素晴らしい。
僕は634メートルの高いところにまったく関心がないから、広々したコッチのほうがいい。

従来の書店のイメージを一新した、おとなの書店である。
ナイスミドルな児玉清さん的書店である(笑)。
1~3号館を貫く「マガジンストリート」に6つの専門書店がくっついたような感じで、そのストリートが外回廊にも繋がっている(←初めての人には少し分かりにくい。僕は何回もスタッフに聞いた)。

スタバ併設で、喫煙者はちょっと困る。やはり購入した本は紫煙をくゆらせ、コーヒーを飲みながら読みたいよなぁ――
という僕にも、旧山手通り沿いに、パリのようなカフェ(←パリに行ったことあるので本当です!)があって
「素晴らしくいいね! とてもいいね!」
な書店だった。

……だけど、「いいね!」だけではなく、実は少し困ったことがないわけではない――
長くなったので、続く(かも)。


(^-^)

★準備見出しでスイスイ。

2012年05月23日 | 新聞
2日続けて楽だったね――。
「932年ぶり広範囲の金環日食/金のリング列島結ぶ」(5月21日付中日新聞東京本社発行・東京新聞夕刊)
「天空一番乗り/スカイツリー開業」(5月22日付朝日新聞夕刊)
「東京スカイツリー開業/634メートル年間3200万人来訪へ」(同付毎日新聞夕刊)
数日前から準備していた(と思う)見出し。
よほどのことがないかぎり動かない、不動トップ扱いになる大イベントがあるときは、夕刊・朝刊がとても楽。

腕まくりする写真部とタテ写真かヨコ写真かを決め、大きくド~~ン。
見出し展開を、関連記事面の面担と打ち合わせて、あとは記事流し。降版スイスイ。

でも「準備見出し」のほうが後日(他紙と比べて)差がつく場合もある。
「…………あ、しまったぁ、こう来たかぁ。コッチのほうが良かったなぁ。こりゃ、紙面審査リポートで突かれるぞ……」
ということもある。これが、怖い(笑)。


(^o^)/

★あの作家と閣下が心配だ。

2012年05月22日 | 新聞
五木寛之さんと、石原慎太郎閣下……じゃなくて都知事は同じ「1932年9月30日」生まれ。だから、ともに79歳。

閣下…じゃなくて都知事は最近の会見で
「疲労困憊ですな……」
と言っていたが、あながち嘘ではないと感じる。末期高齢者だもん。
週刊文春5月17日号「阿川佐和子この人に会いたい」で見た五木さんの激痩せ写真にもビックリした(以前、百寺巡礼を終えたときも痩せたが、あのとき以上かも)。

五木さんのギネス認定・日刊ゲンダイ連載「流されゆく日々」でも最近、
「脚が痛い」
「昔の人が杖を使っていたのが分かる」
と書いていた。
あまり自身の体調については記さない五木さんが書くのだから、相当痛むのではないか。

高齢お2人の勤続疲労が気になる。
五木さん=小説・親鸞第3部完結編をぜひ!
都知事=尖閣諸島問題・新党問題・東電問題もありますぞ!
ご無理なさらず、お仕事を――としか言えない。


σ( ̄∇ ̄ )

★「2人3脚」と直すな!

2012年05月21日 | 新聞
【写真は本文と関係ありません】
渋谷センター街にいる女子高生風に言うなら、
「信じられな~い!」
「あり得ないっしょっ普通ぅ~」
と絶句してしまう「赤字」を入れる校正者がいる。油断できない。

横組み記事が要注意なのだ。
表記では、カウントできる数値は洋数字にしているけど(←和数字表記の新聞もあります)
ちゃらんぽらんな校正者だと、数字があれば杓子定規になんでもなんでも、なのだ。
▽二人三脚→(×)2人3脚
▽あたり一面→(×)あたり1面
▽一部地域で断水→(×)1部地域
▽同行二人→(×)同行2人=弘法大師がガックリしちゃう。以上ほんの一例。嘘のようだが本当なのだ。

面担だって大ゲラを読むけど、このトホホな人のときは普段以上に読まないといけないので疲れる。
――校正者も10人10色(←違うだろ!「十人十色」だろ)でございます。


(`・ω´・)