降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★銀座の看板ネコがいた。

2013年04月30日 | 新聞/小説


連休の銀座に行った。
和光で愛人........ではなく、知人を待っていたら、
「アハーン、AppleStoreドコデースカ?」と外国の方に道を聞かれたので、
「オー、コノ銀座ストリートヲマッスグ、レフトデース」と教えた。
ーーお役に立ちましたか?

4丁目の高級腕時計ゼニス店の前。すごーい人だかり。
あ、このコたちが、あの有名な銀座の「看板ネコ」なのかぁ。
「銀座4丁目」プレートの上に、3匹の子ネコがいる=写真。服を着せられたコもいるから、どなたか面倒を見ているのかしらん。
「きゃあ、カワユーイ!」シャカシャカ(←携帯カメラのシャッター音)
「きゃあ、愛苦しーい!」

頭を撫でられてもジッとしている子ネコたち。
僕には、地面に降りたいけど降りられず、途方に暮れているようにしか見えなかったけど........。


(≧∇≦)

★1人3ページ組みなさい。

2013年04月29日 | 新聞


余計なことは分かっているけどーー。
4月28日付の新聞社会面の記事本数を数えてみた(いずれもベタ記事、2U行間短信、訃報も1本とカウント)。
▼朝日新聞@東京本社版=4本(天気予報除く)=写真
▼日本経済新聞@同=16本(同)
▼日刊スポーツ@同=21本
朝日は4本だけ!
繰り返すけど、4本だけ! 4本だけ!

単純計算で、日経新聞社会面担当整理マンは、朝日面担の4倍働き、ニッカン整理マンは同5倍以上働いていることになる。
だからどうなのだってことはまったくないけど、朝日の記事の少なさ(←本数ですね。情報量ではないです)は突出している、と気にはなっていた。

整理記者は大組みのとき、記事メニューからデータをつかんで「流す」「置く」ので、記事1本の長さが10行だろうと80行だろうと作業は同じ。
ただ、1本ごとに見出しをつけるのだから、朝日面担は「かなりラク」じゃん。
逆に言えば日経、ニッカン整理記者は
「過酷な労働を強いられている」
ことになる。

だからといって、
「専門教育を受けた整理マンなら、朝日の組み段数じゃ1人1日3ページぐらいは同時進行できるよなっ、なっ、なっ」
なんて口が裂けても言いませんよ、朝日Aくん。
ーー長くなるので、後日書きます(かもね)。


(≧∇≦)

★関西に行くので『タレーラン』。

2013年04月28日 | 新聞/小説


この手のライトノベルは読みたくなかったんだけど(←こらぁ、失礼だぞ )........買ってしまった。
『珈琲店タレーランの事件簿/また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』
『珈琲店タレーランの事件簿2/彼女はカフェオレの夢を見る』(ともに、岡崎琢磨さん・宝島社文庫)=写真
を読んでいる。
すごいなぁ、サブタイトル。

今週、関西方面に行くので、「新顔・京都ミステリー本」として読みだしたら、面白いじゃん。
さすが、第10回「このミステリーがすごい!」大賞2012隠し玉編集部推薦作家(←受賞を逸したけど将来性アリとして、著者と協議のうえ全面改稿した作品とか)。
オビには
「衝撃のデビュー作!60万部突破!」
「80万部突破!人気シリーズ最新刊!」

プロフを見て唸ってしまった。
岡崎琢磨さんは
「1986年、福岡県生まれ。京都大学法学部卒業。現在は寺院勤務」
の26歳!
巻末の解説には
「設定とキャラクター造形は悪くないが、ミステリー部分に難がある」(新潮社出身の書評家・大森望さん )
とあるから、応募作を相当改稿したのだろうか。

純喫茶「タレーラン」は、京都のどこらへんにあるのだろうーーとパート1を読みながら思いを巡らしていたら、
京都御所下ル・御池通り上ル、烏丸通りと河原町通りの間
あたりと「2」に地図に書き起こしてあったーー親切すぎるのも考えもの。
目指せ、森見登美彦さん、という感じ。


(≧∇≦)

★見出しのつけ方を教わった日 (3)終

2013年04月27日 | 新聞


【4月23日付の続きです。写真は本文と多少関係あります】
僕が整理部ど新人のころ、当時のNデスクに教わった見出しのつけ方は、名付けて
「明日のために!打倒力石!朝日新聞徹底活用!見出し隠して自分でつけろ!」
だった(爆笑)。

昭和のころ。
朝、自宅に配達されたばかりの朝日朝刊を見ないようにして、凸版(←地紋ですね)や4段見出しを手あたりしだい隠し、
前文(段組みリード)記事本文を読み、自分で(ない頭を使って、笑)見出しを考えるものだった。
受け身ではダメだ、能動的に行くんじゃ、ジョー!ーーと丹下段平デスクは言っていたのだろう、きっと。

1~3面をやりはじめて3日目ごろから、転部直後ウルトラど新人の僕の見出しと、朝日最終版担当ベテラン整理の見出しが重なりだした。
これは当たり前で、数日間の「記事の流れ」が分かっているから、ポイントがしぼられて来るのだ。

ただ、苦戦したのは、当時3面で掲載していた『真相/深層』という8段企画もの(←現在、日経で掲載している同タイトル企画ものとは違います。昭和のころから整理を担当している方なら覚えていると思いますが、4G3本ちどり見出し&斬新なレイアウトでしたねぇ)。
結局ウンウン言いながら、事実を拾い上げる、ニュース面とは違う見出しのつけ方も出来るようになったけど。

ーーーーということがありましたねぇNさん、と言ったら
「そうだっけ........」
だった。
まぁ、整理に来た(来る)新人くんに申し伝えていくことにしようかな、と。


(≧∇≦)

★あの人が珈琲を飲んでいた。

2013年04月26日 | 新聞


社に上がる前、新宿・紀伊國屋書店本店で、白石一文さん(54)の新刊小説『快挙』(新潮社、1365円=写真右)を買い、
「珈琲でも飲みながら少し読もうかな」
と、靖国通り沿いのジャズ喫茶「DUG」に降りていった。

カウンターに座り、下を向いて新刊をパラパラ読んでいたら、
「いらっしゃいませ」
「........あ、どうも」
と、店の常連らしい方が僕の斜め横に座った。
「........珈琲ね」とひと言、カチャッと火を点け、たばこを吸った( お、同じ喫煙者仲間、嬉しいねぇ)。

ん? ん? なにげなく見たら、どこかでお見かけした横顔。
紺のジャケットに、白いボタンダウンシャツ。頭はロマンスグレーの、知的なナイスミドル。同じように紀伊國屋書店で本を買われたようで、うつむきながら読んでいた。
ライターは、S.T.デュポンではないかーーやはり、いい着火音だよなぁ。

黒鉄ヒロシさん(67)だった。
カッコいいなぁ、ああいう年の取り方をしたいものだ、と思いながら、
「黒鉄ヒロシさんが珈琲を飲んでいるぜ!」
と知人数人にラインメールした(爆笑)。


(≧∇≦)


★映画「舟を編む」を観たけど。

2013年04月25日 | 新聞/小説

映画「舟を編む」(配給・松竹)を観た=写真。
当然、三浦しをんさんの原作『舟を編む』(光文社、2012年本屋大賞第1位)は読んだ。

しをんさんおなじみのお仕事小説。業界は違えど同じ「編集」業務なので
「ふーん、辞書って用例採取から一つずつコツコツ集めていくのかぁ。大渡海の見出し語は24万語、完成まで15年! 気の遠くなる大プロジェクトだなぁ」

原作では、手間のかかる編集作業や辞書印刷、手に吸いつく特注用紙のことまで丁寧に書き込んであったけど、
映画版はどちらかといえば、馬締光也(まじめみつや=松田龍平さん)が一目惚れした林香具矢(はやしかぐや=宮﨑あおいさん)との描写に傾いている気がした。
玄武書房の先輩編集者に、あの(←どういう意味? 笑)オダギリジョーさん、小林薫さんがいい味。
大渡海監修者役(原作では老学者)の加藤剛さんが映画後半になるにつれ、本当に痩せていくのには、こっちがハラハラしてしまった。なんだか本当につらそう........。

『新明解国語辞典』の三省堂が全面協力している。
ちなみに、現在販売されている辞書はーー
広辞苑(岩波書店)、旺文社国語辞典(旺文社)、学研現代新国語辞典(学研)、古典基礎語辞典(角川学芸出版)、学習新国語辞典(講談社 )、新明解国語辞典(三省堂 )、集英社国語辞典(集英社)、大辞泉(小学館)、新潮国語辞典(新潮社)、明鏡国語辞典(大修館書店)、語源辞典(東京堂出版)、精選国語辞典(明治書院 )
12社も出していたとは........。

数十年かかる辞書編集より、
数時間で降版になる新聞編集のほうが、やっぱいいよなぁと思った(←えっ、映画観てそれしか感じななかったのかい)。


(*^^*)

★見出しのつけ方を教わった日 (2)

2013年04月23日 | 新聞


【4月21日付の続きです。
写真はイメージ(笑)です。『そうそう、あの頃こんな感じで見出しを隠したなぁ』で、昭和の朝日新聞は15段編成で1段14字組みでした】
新聞社を定年退職された、整理部の大先輩Nさんと超お久しぶりに会った。
転部したばかりの僕に、新聞編集レイアウトのアレコレを教えてくれた人なのだ。

昭和のころーー。
同N先輩は当時、整理部地方版デスクで、レイアウトや出稿手順・伝票の書き方、特に「見出しのつけ方」がチンプンカンプンな僕に、
「新人ですからつけられなくて当たり前ですよぉ~。家に配達された朝刊の見出しを隠して、自分で記事を読んでつけてみるといいですよぉ。朝日新聞の1、2面でやってみてくださいなぁ」

やってみた。
朝日新聞見出し隠し勉強(→朝日じゃなくても可です。たまたま実家は朝日を購読していたのでwww)。
朝、自宅に配達されたばかりの朝日朝刊を見ないで、横見出し(凸版地紋ですね)縦見出しを筆箱などでパッと隠し、リード(前文)と記事を読んだ。
ない頭をしぼってウンウン考えても、超ウルトラ新人整理の僕には、ちょっと荷が重い。
そりゃあ、整理部に入門したての僕に、朝日新聞最終版を担当したベテラン整理マンと同じ見出しがつくわけがございません(笑)。
毎朝毎朝毎朝やっても、なんとなくピント外れなものばかりで
「うーむ、うまくいかないなぁ」

と、ところが、3日過ぎたあたりから、アノ朝日新聞と多少見出しが重なりだした(→そりゃそうだ。前文は記事の圧縮だもん。単語をいじっていけば、まぁ何とかなるものです)。
でも、社では相変わらず悪戦苦闘の日々。いやぁ、降版時間までの一日が長くて長くて........。
( ある意味、事実を言うだけではない地方版の見出しのほうが、難しい場合がないわけではない)

だ、だ、だけど、4日過ぎた頃からーー。
長くなったので続くぅ。


(^O^)

★「少し迷惑かも」と書店ガールは言った。

2013年04月22日 | 新聞/小説


「ええ、お客さまからよく聞かれるんですけど、あの小説はウチのことじゃありません。........少し迷惑しているかも、ですね」
この小説の舞台はこちらですか? と僕が尋ねたら、吉祥寺ジュンク堂書店スタッフは苦笑いしていた。
『書店ガール2』(碧野圭さん、PHP文芸文庫=写真右)に出てくる書店は、コピス吉祥寺のジュンク堂書店ではなかったーーそれにしては、微に入り細に入りのリアル描写だけど。

本文からーー。
「吉祥寺(東京都武蔵野市)という大きな街で千坪もの広さを誇る新興堂書店には、毎日大勢の客が出入りする。
マルシェ吉祥寺という総合商業施設の中にあるから、ほかの店に来たついでにひやかしで立ち寄る客も多い。
(中略)
理子が店長を務める新興堂書店は六階に五百坪、七階に五百坪という二フロアに分かれており(後略 )」

▼マルシェ吉祥寺→元伊勢丹、現在の総合商業施設「コピス吉祥寺」?
▼新興堂書店→本文には「福岡に本店がある」と書かれているから、ジュンク堂書店ではないようだ。
まあ、それはいいとして(笑)コピス吉祥寺ジュンク堂店は、5階・6階に分かれているのだ........。
▼ほかにも本文中「閉店したペガサス書房」というのは、立川の書店グループのこと?

この小説読んだ人は誰だって、吉祥寺ジュンク堂書店と思ってしまいますよ~。どこかに「特定の書店や人物のことではありません」入れといてくれればいいのにね。
いずれにしても、吉祥寺は
▼ブックファースト@アトレ吉祥寺店
▼リブロ@吉祥寺パルコ店
▼ジュンク堂書店@コピス吉祥寺店
▼紀伊國屋書店@東急百貨店
▼ブックス・ルーエ(地元書店)
▼啓文堂書店@丸井吉祥寺店
という大型書店が林立している激戦区なのだ(本好きには嬉しいけど)。



(^O^)

★見出しのつけかたを教わった日 (1)

2013年04月21日 | 新聞

【写真は本文と関係ありません】

新聞社を定年退職された、整理部の先輩と久しぶりにお会いした。
僕が校閲部から転部した際、ものすご~~~~くお世話になった。

新聞の紙面編集をする整理部(現在は編集センターとか編成センターとか)の、地方版担当になったとき(社によって違うけど、だいたい新人は地方版からスタート)。
編集局の他セクションにいたとはいえ、紙面レイアウトのさまざまな約束ごとがチンプンカンプンだった僕。
どうにもこうにもお手上げ第1位だったのが「見出しつけ」。
なーんにも教えてくれない(当たり前)怖い先輩が多いなか、Nデスクは
「うふふふふ、つけられなくて当たり前ですよ~。こう練習したらどうですか」
と、ある実践的練習法を言った。

「朝刊が来ますね、そしたら1面の横見出し・縦見出しをパッと手で隠しちゃうんです。すぐ何かを見出しの上に覆うのもいいです。
そして、前文・記事だけを読んで、自分なりに見出しを考えるんです。まぁそうだなぁ数週間、朝日新聞の1~2面で練習してみてください」

新人整理マンが、最も困るのがこの見出しつけ(だと思う )。
横地紋凸版見出し+主・袖4段見出し、柱・主見出し、1本見出し、2本見出し、3本見出し、1段見出し........
出社して机に座っても、どこから手をつけたらいいのか分からず、オーマイガッ( いやぁ、一日が長かったぁwww)。
だから、丹下段平........じゃなくてN先輩の「あしたのために!」見出しのつけ方実践的練習法をやってみた。
................長くなるので、後日書きます(かも)。


*\(^o^)/*

★林真理子さんは野心よ!と訴える。

2013年04月20日 | 新聞/小説


林真理子さん(59)が現代新書!
買わねばならぬ、読まねばならぬーー『野心のすすめ』( 講談社現代新書4月新刊、777円)。

知り合いの、ある広告会社の人が言っていた。
「彼女ほど整形がうまくいった例は珍しい」
あの頃(←どの頃?)糸井重里氏と仕事で組んだことがある、とおっしゃっていたので本当なのだろう(→新書の40ページを一応読んでください)。
確かに、この新書オビのビジュアル(1985年ごろ)と、カバー裏の最近のビジュアルは=写真
「まったく違うじゃん! 別人じゃん!」
という顔写真のことはさておきーー。
本文「はじめに」の野心を持ちなさい宣言がすごいのだ。

【以下、引用します】
「人は自覚的に上を目指していないと、たまたまとかのんびりでは、より充足感のある人生を生きていくことはできないのです。」

「屈辱感こそ野心の入り口なのです。
(中略)
少し話が逸れますが、ここで注意したいのは、二流や三流の人々というのは、自分たちだけで固まりがちなことです。
私が三流コピーライターだった頃の話です。三流の仲間と新宿に呑みに行っては、当時から大スター的存在のコピーライターだった糸井重里さんを肴に、
『糸井はさー』
なんて呼び捨てにして、すっかり業界人ぶってクダを巻いていた時代がありました。
ようやく、ああ、みっともないな、この人たちとつるんでいたら三流の世界から永久に抜け出せないな、と思うようになって、私は次への戦略を練ったわけですが(後略 )」
【引用終わり】
というわけで、林さんの「糸井さん食い込み」突撃作戦が始まるのだが........。

・屈辱感こそ野心の入り口なのよ、
・無知の知を知りなさい、
・自分に投資すると人気がついてくるのよ( ←この章は前半のクライマックスwww)........
有名になりたい! 作家になりたい! 結婚したい!ーーの願望をすべて叶えた林さんの(たぶん)初の人生論。
それも、ドヤ顔人生論ですよ!

「私は屈辱感をバネに、こうやって階段を上ってきたのよ。人生は挑戦なのよ」ーーすべて体験に基づいているから迫力がある。女一代記である。
若き日の、林さんの上昇戦略は参考にしたいが、僕には時すでに遅し........なのでした。
とにかく、一気読みの面白さ( それにしても、オビになぜ若き日のフックラ顔写真を使ったのだろうか、の謎も含めwww)。
この新書を、ル~ンル~ンと買っておうちに帰ろう(←うわぁ古い)。