降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★読むぞ!高村薫さん最新刊『冷血』。

2012年11月30日 | 新聞
年末年始に読む本――というか、今すぐ読みたい!
待ってました! 高村薫さん(59)ハードカバー最新刊『冷血/上下巻』(毎日新聞社)=写真。
(伊坂幸太郎さん『SOSの猿』を読み始めたけど、ちょっとおいといて、と)

『冷血』上巻帯コピーは
「クリスマス前夜の『一家四人殺し』――数多の痕跡を残しながら、逃走する犯人たち。
翻弄される警察組織の中で、合田がふたたび動き出す! 『レディ・ジョーカー』(1997)『太陽を曳く馬』(2009)に続く合田雄一郎シリーズ待望の最新刊!!」
――僕も忘れない、世田谷の、あの事件。

本文組みが今どきスゴい。
9ポ24字2段組み! 老眼にはつらいぞ(笑)。

(たぶん)高村さんは、毎日新聞が好きなのだ。
梅田の大阪同本社で座談会が行われたあと、記者が
「あ、高村先生、お帰りはハイヤーを呼びましたので……」
高村さん「いいのよぉ~、すぐそこだし、自転車で来たから」
と、ママチャリでお帰りになったぐらいなのだ(←伝聞)。
――大御所がママチャリ、なかなかできません。


(^-^)

★猪瀬選対事務所はホニャラカだった。

2012年11月29日 | 新聞
病院(東京・西新宿)で診てもらったあと、よたよた歩いていたら、シアン70%ぐらいの爽やかな看板
「決断・突破・解決力!」
都庁、新宿警察署近く、青梅街道沿い――ここが「猪瀬直樹選対事務所」かぁ。

作家であり、ジャーナリストでもある猪瀬さん(66)の本は、
『ペルソナ/三島由紀夫伝』『天皇の影法師』『マガジン青春譜/川端康成と大宅壮一』『言葉の力』などけっこう読んできたので、関心はあるのだ。

事務所に入ってみた。
入り口に、小学館社長、テリー伊藤さんらからの花束がドーン=写真。
ゴージャスなビルの1階の、ほんの一隅。
意外と質素なのだね(好感度高し)。

「い、いらっしゃいませ~……あら、イヤだぁ~あたしったらお店じゃないわ、ホホホホ」と、ご婦人スタッフ。
変に選挙慣れしていないようで、また好感度アップ。
僕は以前いろいろな選対事務所に行ったけど、
場慣れしたプロの仕切り屋選挙スタッフがいると、(僕の中では)政策も大事だがマイナス査定なのだ(笑)。
猪瀬さん選対は初陣なためか、嫌らしい雰囲気がない。

カンパ代わりに、最新刊『解決する力』(PHPビジネス新書)を買った。
僕「猪瀬さんならではの『決断する力』で、電力エネルギー改革、雇用対策、直下型地震対策お願いしますねぇ」
ご婦人スタッフ「ありがとうございます。ちゃんと伝えておきますねぇ。ホホホホ。
なにぶん、選挙なんて私たち初めてで……猪瀬もまもなく来ると思いますが、中でどうですかぁ~」
薬を貰いにいかなくてはいけなかったので、丁重にお断りして新宿駅に戻った。
――東京都知事選挙、きょう29日告示です。



(^_^)

★整理部は絶滅危惧部である。

2012年11月28日 | 新聞

【写真は本文と関係ありません】

スポーツ新聞が、紙面担当した整理記者名を「レイアウト・日刊太郎」などと入れているのはいいことだと思う。
記事取材者が記者名を入れて責任をとるなら、黒子の整理部だって入れるべきじゃん。
第一、特ダネを書いた取材記者に社長賞、局長賞が出るのに、
降版時間を守り(当たり前か)いい紙面製作をした整理部に出ないのは不公平ってもんすよぉ~、部長ぉ、局長ぉ(←金一封ほしさじゃないですよ)
と降版後、酔っぱらったときに言っていた(←酔っぱらっていないと言えません)。

【注】いい仕事をした整理部記者や、間一髪ミスを見つけて、事故・トラブルを防いだ校閲部記者に対し、「金一封」を出している社もあります。

「レイアウト・安倍晋三」「紙面製作・野田佳彦」。
特集面やフューチャー面に入れている新聞もあるが、一般紙には、なじまないのかもしれない。
1ページ当たりの掲載記事量がここまで減ると(たぶん、10年前の半分ではないかなぁ)、
専門職ではない人たちでも、それなりの紙面は組み立てることはできるし。

--新聞社の整理・編成部は絶滅危惧部だと感じている。
地域版の外注化に始まり、
さらに来年以降、各支社に置いている整理センターなどの編集機能を、本社に一本化する動きも加速していくと思う(来春、そうする社もあるねぇ)……。



(ToT)

★作った新聞が売れるのを見たことありますか?

2012年11月27日 | 新聞
先日、人と待ち合わせに来たJR新宿駅西口。改札口を出たところに、小田急の「odakyu SHOP」がある=写真。
「あれ? ここって昔、部長(退職)と即売調査に来たところじゃん」

10年以上前、どういうわけか、
「整理部員は深夜タクシー帰宅のとき、早朝7~8時、最寄りの駅で新聞販売チェックをしなさい。いいですね。分かりましたね」
と通達が出て、同じ多摩方面に住む部長と深夜タクシーに乗り、新宿駅西口で朝6時ごろから立った(←今考えると、ムチャクチャな業務命令だね)。

疲れた顔の初老部長と、髪ぼさぼさ脂顔の青年(←僕のこと)2人が、
通勤ラッシュの始まった西口大柱の陰に、まるで張り込み刑事のごとく立ち、小田急ショップの新聞即売スタンドをにらんだ。
煙突状で売られているのは、つい数時間前に降版したばかりの新聞。

「あ、部長、いま1部売れましたね」
「お、また、1部売れた」
「……おっさん、そっち取るな、朝日なんか面白くないぞ」
「わお、また、売れたぁ、グフグフグフ嬉しいなぁ」
僕たちがさっき作ったばかりの新聞、商品として百数十円を出していただき、煙突状の新聞が段々減っていくのが感激だった。
隣の部長は、メモ帳に各紙の売れ行きを「正」の字で必死に書いていた(笑)。

早朝きつかったけど、いい体験だった。
最近、駅にキオスク自体がなくなり、新聞種類を一瞬にして見分けて釣り銭を出す、オバチャンの職人技が見られなくなったのが寂しい。


(ToT)

★読売・堂場瞬一さんの新刊ラッシュに驚くばかり。

2012年11月25日 | 新聞
読売新聞編集委員・堂場瞬一さん(49=Y之辺さん)の、新刊ラッシュには驚いてしまう。
▽10月=角川文庫『天国の罠』=写真
▽11月=文春文庫『消失者』、早川書房ハードカバー『over the edge』
▽12月=中公文庫『牽制/警視庁失踪課・高城賢吾』

読売に在社しながら、各出版社の編集担当と「チーム堂場」(本人命名)を組み、新しいタイプ警察小説やシリーズものを毎月だしている。
この量産が半端じゃないので、
「読売はなんてステキな会社なんでしょう」

【今年出たハードカバー新刊・文庫】
▽1月=角川書店ハードカバー『歪/ひずみ』、角川春樹事務所ハルキ文庫『謀略』
▽2月=中公文庫『七つの証言/刑事・鳴沢了外伝』
▽3月=なし(あれ? 年度かわりだから?)
▽4月=文春文庫『虚報』
▽5月=集英社ハードカバー『衆』
▽6月=実業之日本社文庫『ラストダンス』、朝日新聞出版ハードカバー『暗転』
▽7月=中央公論新社ハードカバー『ラストコード』、中公文庫『夜の終焉・上下』
▽8月=集英社ハードカバー『解』
▽9月=文春文庫『アナザーフェイス』、角川文庫『逸脱』
(10~12月は上段。なお、文庫は加筆修正されているので、初刊ハードカバー刊行時ではなく、文庫発売時でカウント)
(わお! 講談社、小学館、祥伝社、新潮社、岩波書店から刊行すれば、全出版社制覇ではないか!)

堂場さん、去年までの新刊新聞広告は、普通のジャケット姿だったが、
今年はプロ写真家撮影による「作家然の決めポーズ写真」に変わった。
量産しても小説の面白さはダウンせず、逆に読みやすくなっているからスゴいスゴいスゴい。

かつて、堂場さんのように毎月新作を書いて、量産流行作家だった五木寛之氏(80)は40代のころ、
「エンターテインメントを、量から質で追求したい」(初期小説集あとがき)
と宣言していた。


σ( ̄∇ ̄ )

★椿屋珈琲店は深夜料金増しだった。

2012年11月24日 | 新聞
銀行の会員向け冊子を読んでいたら、女優・室井滋さんは「人間観察に」銀座7丁目の椿屋珈琲店にちょいちょい足を運ぶ、という。
僕も先日深夜、上野(東京・台東区)の椿屋珈琲店に行った。同店の珈琲は美味だが、とても高いのだ――。

『水曜の朝、午前三時』は蓮見圭一さん(53)の小説タイトル、ということはさておき――
僕も深夜午前3時、JR上野駅前(写真)で人と待ち合わせした。
寒いし、凍えるから同店に待避した。

始発まで1時間ちょいの店内、お客は書きものしている1人だけ。店員はきちんとタイをしめた2人が手持ちぶさた。
椿屋オリジナルブレンドを頼んだ。

レシートを恐々見て、
「……ああ、やっぱり。深夜だもの」
と相田みつを的ため息。

▽珈琲= 930円
▽深夜料20.00%= 186円
▽端数値引き=6円
▽合計= 1,110円

昔昔、正月に「三が日特別料金」って飲食店であったが、
「深夜料加算」は久しぶりに見た。


σ( ̄∇ ̄)

★「時かけ」大林秘話に衝撃。

2012年11月22日 | 新聞
【写真は、尾道「時かけ」巡りの帰途に寄った倉敷大原美術館】
角川映画「時をかける少女」(1983年)は、プライベート作品だった?
主演・原田知世さん(44=当時14)は、角川春樹さんが「嫁にしたかった」から起用!?
大林宣彦監督(74)が言うんだから間違いないのか? ――日刊ゲンダイ連載「映画監督・大林宣彦/脱がし屋と呼ばれて」(11月21日付)に衝撃を受けた。

知世さんに萌え(←当時はそんな表現なかったけど)、同映画はロードショー映画館で5回観た。
3年前には、舞台となった尾道(広島県)を訪ね、時かけロケ地巡りもした。

【以下、同コラム引用です】
▽(前略)ある日、春樹さんが、お願いがあるとおっしゃった。
「原田知世という新人を嫁にしたい。でも、年が違い過ぎて無理がある。せめて息子の嫁にしたいんです」(後略)

▽実は僕(注・大林監督)も惚れた。「時をかける少女」は、2人のあしながおじさんが、彼女に主演作をプレゼントしようと製作した作品。

▽角川映画で角川映画にあらず。
低予算の製作費とはいえ、大半が春樹さんのポケットマネーでまかないました。
だから作品は、我々の青春時代のテイスト全開で、極端な話、誰も見なくてよかった。「プライベート映画」ですから。
【引用終わり】

春樹さんはさもありなんだけど、大林監督あなたもかい! という衝撃であった。
世の中には知らない方がイイこともあるのだ。


O(≧▽≦)

★『探偵はバーにいる』第12 作はウ~ムだった。

2012年11月21日 | 新聞
『探偵はバーにいる』、実にいいタイトルだなぁ。
東直己さんのシリーズ最新刊『猫は忘れない』(ハヤカワ文庫JA)を読んだ=写真左。
ススキノ探偵シリーズ第12作、主人公「俺」は中年50代になっていた。

映画版「探偵はバーにいる・2」撮影が始まったという(同原作は『探偵はひとりぼっち』)。
昨年、映画版第1作を観たとき、大泉洋&松田龍平さんコンビがユニークで「あぁ、これはシリーズ化なるね」だった。

地域完全密着のオール札幌ロケ(かな)。
昨春ちょうど札幌出張もあって、ススキノのロケ喫茶店に行ったら、ママさんが
「あら~お客さん、あの映画観て来てくれたん? わぁ嬉しいわぁ」
「映画で大泉さんが座ったんここです。どうぞどうぞどうぞ」と案内された。
北海道の人は優しいドー。

で、小説『猫は忘れない』。
僕は同シリーズけっこう読んでいるけど、これ、どうなのかしらん……。
ラストで
「犯人、実はチョメチョメでした」
という禁じ手が使われていたのが、
「いいのかなぁ。ミステリーのハヤカワものらしくないが……ウ~ム」
だった。


(≧▽≦)

★懐かしい…地紋凸版見た。

2012年11月20日 | 新聞
【11月12日付の、なんとなく関連です】
大阪出張の荷物を整理していたら、「奈良新聞」があった。
1面左肩見出しに「わっ、懐かしい!」(当日は紙面ほとんど読んでいなかったのだ)
地紋見出し(昔で言うなら凸版見出し)じゃん=写真左上。

2000年代に入って、ほとんどの一般紙から地紋が消えて、
▽ベタ(真っ黒=文字白ヌキ)
▽アミ80%(文字白ヌキ)
▽アミ20%(文字黒字)
▽極太G字間ツメ黒字のみさ
――だけになった。
タテ線・ヨコ線・渦巻き・変アミ(グラデーション)・スクリートーン転用地紋・字面アミ地紋字などがお役目終了になった。

でも、いま考えると、
「なぜ、数十種類ものスクリーン地紋があったのかしらん。日の出、松竹梅、粗渦巻き、竹柄、野球ボール柄なんてあったし(笑)」
地紋リストラの次は、数種類のこっている飾りケイ【注】だ。

【現在、活躍中のケイ】朝日新聞以外で見られる飾りケイは、
▽点ケイ(リーダー→…………)とダブル点ケイ
▽全角・二分カスミケイ
▽全角・二分三柱(さんちゅう)ケイ(≡≡≡≡)
▽全角・二分双柱ケイ(====)
▽ウラケイ(――――)
▽企画ものに使うメント。
来年2013年内にはなくなると思う。


(^3^)

★容疑者顔写真はカク(だった)のだ。

2012年11月18日 | 新聞

【写真は本文と関係ありません】
神奈川新聞元社会部の江川紹子さん(54)のツイッターを読んでいたら、RTで
「(前略)@新聞では容疑者は四角、関係者は丸く切り取る風習があったけど(後略)」
--よく、ご存じで(風習というほどでもないけど)。きっと40代以上ですね、この方。

現在では、新聞掲載顔写真の丸・角(かく)使い分けがほとんどなくなったけど、
▽楕円・丸型=一般の形。
▽四角・長方角型=容疑者、犯人など「あまり良くない人」の場合。名鑑用や議員さんも、なぜかこの形(笑)
という緩いルールがあった。

だから、たまにカク顔写真を見ると、
「おっ、なんか疑惑アリかい、この男」
と読むと被害者だったり--なんてことがある。
顔写真の形、最近は、意識しての使い分けはなくなりました。


(^_^)/