降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★起てっ喫煙者、タスポで助け合おう。

2008年07月31日 | 新聞
【写真は本文と関係ありません】

全国2600万人の喫煙者よ、たばこ自販機前で助け合おうではないか――と思ったのは、「ありがとうございました」の一言が嬉しかったから。

先日、たばこ自販機の前で途方に暮れている青年がいた。買いたいたばこが目の前にあるのに、自販機は知らん顔(注=たばこ自販機はセンサーにタスポをタッチしないと作動しないのです)。

で、スーパーマイルドを買おうとした僕「あ、タスポですね。いまピッとしますから買ってください」。
青年「わぁ、ありがとうございます! タスポをデスクに忘れちゃって…ホントありがとうございました」

久しぶりに耳にした「ありがとう」の言葉。猛暑に涼風なり(おおげさ?)
――いいんですよぉ、キミも自販機前で困っている喫煙者がいたら助けてあげてくださいね。
いまや2600万人しかいなくなった少数派&高額納税イジメラレ喫煙者同士じゃありませんか。

タスポで知る助け合いのこころかな(たばこぐらいでおおげさ?)。

★巨星墜つ…大野晋さんの言葉忘れない。

2008年07月16日 | エンターテインメント
「いつの時代も先駆者は誤解されるものです。あなたがたも、そんなもの恐れてはいけませんよ」。
江戸っ子国語学者の大野晋さんが死去(88歳)=写真は1面で扱った読売新聞7月14日付夕刊。えらいッ1面扱いだよね、大野晋教授だもん。

60歳を過ぎて(スゴい!)日本語-タミル語系統説を発表したころ、講演会でおっしゃった言葉。
そのころ叩かれまくってましたからね。「少壮学者が何をいう」なんて、60過ぎの教授でも少壮なんだって思いました。

「本居宣長より偉い」と朝日新聞に談話を出したのは、東大後輩の丸谷才一さん。最高の弔辞だと思った。
--それにしても、大野さん以上の音韻・語彙・文法・文化文明に精通した大家はこれから出ないだろうなぁ。
葬儀は18日、台東区谷中で。行こうかなあ。

★ジブリ新作「崖ポニョ」試写見ましたッ=後編

2008年07月11日 | エンターテインメント
宮崎駿監督4年ぶりスタジオジブリ最新作「崖の上のポニョ」試写を見た=写真は7月9日付朝日新聞夕刊(C)2008ニ馬力。
ビジュアルとアートは、さすがジブリのきめ細かさ! じゃあストーリーは? 

簡単にいえばハートウォーミングもの。だけど、宮崎アニメがそれだけでいいのか? と突っ込みが出る。
強烈な悪と敵が出てこないから、善人ばかりのキャラで、クライマックスがあるようでないような消化不良の恐れがあるかもしれない。
5歳の少年(宗介=声・土井洋輝)と魚の子ポニョ(声・奈良袖茉愛)の交流を主軸に、海と生命、親子の絆を絡ませている。初期コンセプトは「崖の上のいやいやえん」物語だったけど、金魚ポニョを中心にしてから「人魚姫」にベースが変わったという。

う~ん、僕は、ストーリーは後付けで、宮崎監督がポニョと水の上を歩くシーンを描きたかったことから組み立てられたのでは?と踏んでいるんだけど(NHK番組で宮崎監督発言)。キャッチコピーの「生まれてきてよかった。」は、鈴木敏夫プロデューサーが当てはめたのかも?

★ジブリ「崖ポニョ」試写みましたッ=前編

2008年07月10日 | エンターテインメント
宮崎駿監督4年ぶりスタジオジブリ最新作「崖の上のポニョ」試写を見た=(C)2008ニ馬力。
--う~ん、ビジュアルは凄い! だけど。

アニメにはCGを使わず、水中&海をアニメーションにするのは大変な作業だが、手書きにこだわったという宮崎監督。
とにかく、絵で動いてないところがないほど徹底的に書き込まれている。海中シーンの魚一匹一匹がかわいらしく動き回っていて、まるで水族館のよう。

「千と千尋」もディテールを細かく描いていたが、はるかに凄い。
圧巻はポニョの波乗りシーン(劇場で見てください。わぁー!の歓声あり)とポニョ妹の描き方! 提携しているディズニーCGがなんだ! ってくらいジブリのアート力結集。

ジブリおなじみのドロドログニョグニョが今回もでてくるが、息子・吾朗監督のCG駆使「ゲド戦記」より進化している(繰り返すが駿監督ポニョは手書きですよ!)。

--じゃあ、ストーリーはどうなのかぁ? 明日に続く!

★平野啓一郎新刊『決壊』にハマる。

2008年07月03日 | エンターテインメント
カバーは真っ白だけど、中は真っ黒の平野啓一郎さん待望新刊『決壊』(新潮社=写真)上巻を読み始めた。う~ん、止まらない。

幸せな家族と、国会図書館勤務の男の日常が同時進行。だが、彼らがクロスしたとき、社会を震撼させる絶望的な事件が--。
平野さんとしては珍しく文が短いから(?)結構読みやすい。

オビは
「2002年10月、全国で次々と犯行声明付きのバラバラ遺体が発見される。被害者は平凡な家庭を営む会社員沢野良介。(中略)読むものに『幸福』と『哀しみ』の意味を問う衝撃作」
「殺人者は電子の闇に沈む--」
で、ある程度分かっちゃうかも?

無差別テロから、これから出る新聞書評ではたぶん「アキバ事件との不気味な…」と書かれると思うけど、それは偶然。
デビュー10年記念長編の今作は、平野文学おなじみの「神」と「邪悪」の対決に注目なのだ。

★朝日新聞のココがスゴい!(僕は他社ですが)

2008年07月02日 | 新聞
以前、先輩記者が言っていた。「我々は、朝日新聞には勝てないなぁ、絶対に」。
別に規模や体制、人員や物量ではない。紙面センス、ビジュアルの力なのだ。

さりげなく記事に添えられている図表=写真は7月1日付。
これだけの細かいデータとビジュアルを取り込んだ、視認性の高い図表を他社につくれるだろうか(対抗できるのは日経デザイン部かな)。
ーーデザイン部、校閲部、整理編成部、出稿部がソレッと取り組まないとできないんだよねぇ、このグラフィックは。おまけに、かゆいところに手が届くイラストも…。

1時間以内に仕上げる処理能力の高さ、グラフィックセンス…朝日のデザイン部(ちなみに、外注デザイン会社も含む)はスゴいなぁ、ホント。

★大阪の新聞は、東京版とこんなに違う!

2008年07月01日 | 新聞
知人の訃報で急きょ大阪入り。最近、ホント訃報が多い――そういうトシなんだなぁ。イヤだなぁ。

それはおいといて(((ポイッ
大阪は朝日、毎日新聞など全国紙の発祥の地。いつも見ている(仕事をしている)東京発行の同新聞と、同じ記事を使っていてもかなりレイアウトが違う。
いい意味で元気がある。悪い意味では雜。

■朝日新聞=ほとんど東京版と変わらない。外電、生活面など東京版をファイル電送受信しているからか。違うのは阪神中心に組んでいるスポーツ、地方、社会面。
全国紙の見本。あまりオモロクありまへんなぁ。

■毎日新聞=東日本版と違い、粗さが目立つ。地紋がデッカイデッカイ。
東日本版が「記事を少しでも入れよう気配り編集」なのに、「まあええかぁ、これで埋めちゃえ降ろしちゃえ型」。でも、関西では販売好調。
東日本版の活字見出し中心レイアウトの方が洗練されている?

■産経新聞(写真。産経はブロック紙)=夕刊があるのが最大の違い。
関西版も罫、写真の使い方が洗練されている。
朝刊100円、夕刊50円、セット3925円(東京は朝刊100円、夕刊ナシ→0円)。