降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★阿川佐和子さんは引き出す人だった。

2015年04月16日 | 新聞

(写真は、本文と直接関係ありません)

「阿川佐和子さん(61)・羽生善治さん(44)トークライブ」(文藝春秋主催)に行った。
阿川さんの「聞く力」を聞くつもりだったけど、羽生さんの喋りの面白さとうまさにビックリした。
(僕は、阿川さんファン。実はかなり前、阿川さんの文化面寄稿を知り、部の知人に
「よしっ、分かった!(←加藤武さん風)
忙しいけど、僕が依頼原稿を受け取りにいきましょう!では、阿川さんとどこで待ち合わせましょうか?」
と言ったら、入稿済みだった………)

阿川さん、61歳………とてもじゃないけど、60歳にしか見えない(笑)。
ゆったりめのワンピース(と言うのかしら)に、黒のストッキングとヒール。エレガントである。
羽生さんは濃紺のスーツ、白いシャツ、明るいパープル系のタイで、笑顔を絶やさず対談されていた。
お2人が並んで分かったけど、羽生さんはかなりの長身(175cm以上はあるのではないかしらん)。


羽生名人は、今年棋士生活30年。1800局ほど対戦されたという。
「プロは160人。データベースなど利用しますが、対戦するレギュラーは十数人なので、だいたい棋風が読めます」

羽生さんの話で印象に残ったのは、
「20年前(1996年7冠)周囲からの追い風というか、何か大きな力、大きな後押しを感じました。だから、わたしの力だけで成し遂げたとは思えないんです」

「対局前、よく散歩をします。
日常と対局との切り替えのために、少し歩くことが必要なんですね。
ふだん対局に行くときは車なんですが、たまに電車を利用することもあるんですよ」

「40を過ぎて、まぁ確かに記憶の衰えというか、すぐ出てこないことが多くなりましたねぇ………」


「わたしは将棋をよく知らないんです、ゴメンなさい」
と対談前に言っていた阿川さん。
ついメモしたくなる羽生名人語録をたくさん引き出すのだから、阿川さんスゴい。
今度の新書は『引き出す力』だ⁈

( 羽生さんに会いたかったという、将棋好き高校生くんとミニ対局。上から目線ではなく、一緒に考えながら対戦されていた。
若い世代を育てるのも、羽生さんの仕事。
理路整然としっかり受け答えしていた高校生くん、きっと忘れられない日になったに違いない )