降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★ボスは「訂正」に寛大だった。

2015年04月01日 | 新聞

(写真は、本文と直接関係ありません)

知人からライン・トークが来た。
「訂正を出してしまったぁ………落ち込んでいる」(フキダシ)
「恥ずかしいミス………ひゃあ(泣)」(同)
返信する言葉が見つからず、〝既読〟のままにしちゃったけど(僕も訂正はたくさん出しているから、気持ちがよーく分かる。凹むよねぇ)。

僕の元ボス(編集局長)は、僕たち編集がミスして訂正を出しても問題にしなかった。
一時期、4日連続「訂正」掲載があり、さすがにこりゃマズいだろ、と思った。
ある夜。
最終版降版後の深夜1時20分過ぎ、引き出しからウイスキーを出して飲み(*1)勢いをつけて(笑)、
社内刷り出し(*2)をチェックしていた局長のところに行った。
「局長。このところ、社会面、特集面などで訂正連発になっています。気をつけてはいるんですが、萎縮しちゃうんですかねぇ」
と一応反省顔で(笑)申し上げたら、
「人間がつくっているんだから、そりゃ間違えるよ。誤ったら謝るのは当たり前」
とポツリおっしゃった。
「んなことより、整理部のウイスキー、私にもごちそうしてくれ。まだ、あるだろ?」

親と上司は選べない、というけど、
上に立つ人はこーでなくちゃ、と思った(笑)。ドンマイ、ドンマイ。


(*1)深夜1時20分過ぎ、ウイスキーを飲み
最終版を降ろしたあと、タクシー帰宅するまで少し時間がある。
残っていた整理部員、デスク、学生バイトくんたちと、〝打ち上げ〟〝反省会〟と称して、部長席引き出しに入れておいたウイスキーを出して飲む。
だいたいオールド水割りで、ツマミは、なし。

(*2)社内刷り出し
新聞社地下に印刷工場があったころは、インク調整用的・試し刷り的・黒インクべたべた新聞が、編集局整理部に届けられた。
カラー、広告などのチェック用だけど、紙面を見て間違いを発見しちゃうと怖いので、あまり見なかった(笑)。