降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★活版では、こう組んだ❹補足編

2014年06月06日 | 新聞

【 6月4日付の続き、活版の大組みを少し補足します。
写真は、本文と関係ありません。「整理解雇」にドキッとしました、笑 】

新聞社で1990年代初頭まで行われていた、鉛活字を使った活版組み版( →いわゆるホット。対して、コンピューター組み版編集CTSをコールドと呼んだ )。
大組みで、僕たち整理部はこう組んだ、忘れないうちに書いておこう、の第4回。
◆お断り=新聞社によって、名称やシステムが異なります。

▼新聞の大組みには2つのやり方があった。

①行数組み
現在のCTS組みと同じ、上段から下段まで「行」がそろって、紙面も整然としている組み方。
行数組みを行っている新聞社では、整理担当者は、
「何行どりね」
と指定、大組み者は22、33、44インテル( *1 )などで調整した。

②倍数組み
整理部の大先輩に聞いた組み方で、実際、ある新聞社で活版時代に行われていたという( →伝説的? 幻の? 組み方なのかしらん、笑 )。
活版当時、新聞は本文55インテル組みだったが、この倍数組みでは上段の行と下段の行が合わず、
「とにかく記事が入ればいいから、多そうなとき、ケツの方はなぜか狭い行間( *2)になっていたね」
「段見出し左右幅も等間隔ではなくて、なんとなくだらしない紙面だったね」
...........うーむ、時間があれば縮刷版で見てみよう。

▼変則字数組みはものすごーくイヤがられた。

1段15倍・12字組みの鉛活字時代、
1字の天地は1.25倍
16字だと
1.25×16字=天地20.0倍ピタリ!

このピタリ!を利用して、
たまに( 気どって )活版ハコ組みで変則16字どりなんか指定すると、
製作局小組みからイヤ~な顔をされた。ブツブツ言われた。
..............インテルをわざわざ切らないとならないから。

通常紙面で使う15倍インテルは各幅たくさん常備されているけど、他の長さのインテルは無い場合もあった。
だから、
「20倍は55インテルを、こっちで一本一本切らなきゃならない! ああ面倒!」( 製作局小組み )
だった。

( *1 )インテル=いんてる
行間をつくる、薄い金属板。11・22・33・44・55、88インテルがあった。
数字の単位は「ミルス」で、
1倍=88ミルス=CTSでは8U(Uはユニットの略 )

( *2 )狭い行間=せまいぎょうかん
活版大組み1段15倍時代、本文記事の行間は( ほとんどの新聞社で )55。記録もの、メモ、注は33インテル。
僕の社では禁止されていた組み方だけれど、
例えば3行アフれたときに、ケツ( 最後 )数行の55インテルを抜いて、22ぐらいにすると、なぜか入ってしまうことがあった。