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絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

Hさんの秋の制作 作業のテクニック

2011-10-28 | 絵画指導
これは、あまりにも途中経過なのですが、参考になると思うので、ご紹介します。



先日ご紹介した池に写る風景です。

細かい枝や葉がある木を描く訳ですが、まずは、空と水はきちんと作ってしまいます。

本来は、水には空が写るので同じ色の筈ですが、ようく見ると、色が微妙に違います。
それが出ると良い感じになりますが、その区別がつかないこともあります。
だから、基本的には、空が写るということを踏まえてほとんと同じ色にします。

そして、空は、完成させてしまい、後から空は塗り直さないようにするのです。

これは、大変難しいことです。一応塗って置いて、後で変化をつけようと思う人もいるでしょう。
実は、描いている内にそうしたくなるのです。
しかし、そこは我慢です。後から描くと、上手く行きません。

ほとんど完成という状態にして、その後で、枯れ木や葉があれば、それを描いて行きます。
その枝や幹や葉は、やり直しがきかないと思って、丁寧にしっかり細かく描くのです。
筆の元の方をしっかり持って、画面に顔をくっつけて描くのです。

しかし、今の状態では、どうやって描くの?と思われるでしょう。

実は、この後、空を塗った上から、もう一度鉛筆で描くのです。
結構厚塗りをしても、微妙に鉛筆の線が見える程度で留めます。
そして、空の色が乾いてから、そのうっすらの鉛筆の線をたどって、もう一度描くのです。
そして、それを頼りに
絵具で描くのです。

色を塗り始めると、その上から鉛筆でもう一度描くなどということは、思いもしなかったと言っている人がいます。
このHさんも、そのように言っていました。

作業のテクニックをご紹介しました。

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FNさんの安曇野風景3

2011-10-28 | 絵画指導
安曇野風景をここまで、進めてくれました。



気になる部分がたくさんあります。

1、右端の植物の描き方が、単調です。
2、葉の明るい部分が、同じ明るさが多く、しかも拍手をしているみたいに、うるさいです。
3、左下の植物の描き方が、まだ、自然ではありません。
4、右側の太い木の右側の形と葉の集団の終わりが、同じになっています。葉を木の外まで出っ張らせる必要があると思います。
5、その右奥の風景を遠近法を使って、遠ざける必要があると思います。その方が空間が出ます。
6、全体の緑が派手で、緑に染まっている感じがします。暗い緑にウルトラマリンなどを混ぜて、緑に染まった感じを無くしてほしいです。
(その際の注意は、ウルトラマリンのディープを使いますが、それでも派手に感じるときは、黒を混ぜて水の量も増やして、軽く全体に被せるようにすると空気が感じられます。ただし、下が乾いていることが条件です。)

まだまだ、ご紹介しきれない細かいことがいろいろありますが、ここでは、ここまでにしておきます。



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Fさんの風景画

2011-10-28 | 絵画指導
Fさんが、県展制作として、取り組んでいた絵です。



まだ、納得がいかないと言って、何度も描き直しています。
持ってくる度に良くなっているので、また、ご紹介します。

奥入瀬の川の風景ですが、水が泡のように白くなっています。
これは、泡があり過ぎて、やや自然さに欠けると思いますが、現実がこうなのです。

それを審査員が、私と同じように感じたとすると、やや損をしてしまします。

しかし、良く粘って描いています。頭が下がります。

このFさんの描き方は、もろに水彩画の厚塗りです。
本当に油絵ではないかと思うくらい、厚く塗っています。
水彩画でも、このように描けるという例としては、最も分かりやすいものです。

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