今日のデッサン会

今日のデッサン会で、描いた私のクロッキーです。

　

今日は、いつもと少し変わったポーズを取ってくれました。
みんな少しづつ変化を求めています。その方が新鮮な気持ちで描けます。

私は、みんなが石膏デッサンをしている最中に、ライオンを描きました。
写真を見て描いてみました。
このような動物を描いてみるのも、楽しいですよ。

絵画指導の在り方 ２

先日、ある画家と話をしていたところ、絵を指導する場合は、とにかくデッサンだと言っていました。
デッサンさえしっかり指導すれば、その後は、勝手に描かせる。それでいいんじゃないかなと。

この意味は、本人の実力をつけるのは、練習としてデッサン力をしっかり身に付けて、絵は自分で家で描かせる。
ということです。

確かに、それが本当の自分の力と言えるでしょう。

ただ、私はそれは、描く力すなわち技術を教えたのであって、絵を教えていないと思うのです。

これは、常々感じていることです。

美大受験に合格するには、かなりのデッサン力が求められます。
芸大に合格する人たちを見るとすごいデッサン力です。
しかし、その人たちの絵を見ると、あれ？？？と思わされることがしばしばです。
受験のためのデッサン力はつけた。しかし、絵は知らないという気がします。
このことは、いろいろな場面で感じます。

では、絵を教えるとは何か？

それは、構成力をつけることだと思います。
テーマと構図です。

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デッサンだけ教えて、後は勝手に描かせるという場合、勝手にするのが、何を描くか？どのように構成して描くか？ということです。

そして、描いて来て言われることは、そのことです。

「良く描けてるよな。でも構図がなあ」という言葉が批評会では必ず出て来ます。
その度に、なぜ構図を教えないのかなあと思います。

また、「上手なんだけど、テーマが平凡なんだよなあ」という言葉もあります。
じゃあ、なぜテーマを教えないの？と思います。

絵の良し悪しは、テーマと構図でかなりちがいます。
同じデッサン力を持っていても、どこに目をつけて、どのような構図で描くかで、その絵のレベルは大きく変わります。
私は、ここで８０パーセント決まると初心者には話しています。

私のデッサン会の人たちが、素人なのに県展にどんどん入るのは、この構成を教えるからです。

私が教えた過去の高校生や、大人の人たちのテーマや構図の参考例を見せて、その考え方から教えます。
ただ、平凡なものを平凡に描いたのでは、県展などは夢のまた夢です。

何かテーマ性のあるもの、それをどのように構成して見せるか？
何か造形的に感動する要素のある物、それは、光の当たり方から感じる場合もありますし、物の配置の面白さもあります。

白菜を描いたSさんは、自分の家の物置に当たる光が強烈で、干し草や農家の道具類と共に白菜が積んであるのが面白かったのです。しかし、ただ、自然に置いてあるだけでは、絵になりません。やはり、主役と脇役の構成が必要になります。
その意味では、静物画と同様に、主役をわざと設定しました。
その辺のことは、たくさんありすぎて、描き切れません。
他の人たちも同様に、何度もやりなおして研究して、私が良いと言うまでやります。

この指導をしていない指導者が多いと思います。

かなり描いてから、「この絵は、構図がなあ」とおっしゃる。
それでは、かわいそうです。なぜ、初めから構図がダメだよと言ってやらないのでしょう？

構図の勉強をしっかりやれば、もっと良い絵がいくらでも描けるのです。
絵画指導は、デッサン力だけでなく、生徒がこの構成力をつけられるように勉強させるべきだと思います。

Tさんの石膏デッサン

栃木のTさんが、ビーナスの石膏デッサンを再開しました。
石膏が上手に描けるようになったら、段々と人物を描くと良いと思います。

　

前回は細部の仕上げまで完璧に学んだので、全体を描く前に部分的に完成させてしまおうという描き方をしています。

ぱっと見は、ちょっとニュアンスが違うかなと思いましたが、写真と比べてみて見ると結構似ています。

前回は、顎があまりにも立派でかなりニュアンスが異なっていましたが、今回はずっと本物に近いです。
部分的に仕上げてはいけないということはないので、とりあえずこれで進めてくださいと言いました。

背景をこのような無地の地味な色にすると描き易いので、他の方もこれを参考にしてください。