雨をかわす踊り

雨をかわして踊るなんて無理。でも言葉でなら描けます。矛盾や衝突を解消するイメージ・・・そんな「発見」がテーマです。

対岸の火事 4

2007-03-13 23:48:59 | 時事
NY Times によると、去る9日、バグダッドに、今後のイラクをどうするかを話し合うため、アメリカほか近隣諸国が集まった。

僕なんかは、アメリカとイランの同席だけに注目してしまったが、米と何かともめるシリアがいたり、またイスラム圏諸国内でもいろいろと微妙な関係にある国々が同席していた。

それじゃあまり効果は期待できないのではと思ったが、それ以上にイラク国内の荒廃が他国に深刻な影響があることには認識は同じで、話し合うことは話し合ったが、改善される見通しはなく、更に事態は暴力にまみれて収拾がつかなくなるだろうと締めくくられたようだ。

そして10日にBush 大統領は、8200人の兵士をイラクとアフガニスタンに派遣することを決めたわけだが、アメリカ国内でも依然として関心が高く、現地時間13日の11時から、どうしたらいいかを国民レベルで討論する。質問やコメントなどは、Washingtonpostであらかじめ投稿できる。

こういうのをみると、日本でなぜ北朝鮮問題や中国、ロシアとの関係を建設的に話し合う場がないのか不思議な気がする。いつもそうだが、国のことはいわゆる官僚に任せきりで、これで官主導を非難ばかりするのだからバカバカしい。

学者や専門家も日本国内の世論にだけ訴えれば勝手に外国に配信されるとでも思ってるのだろうか。またアメリカだけ非難してればいいと思ってるのだろうか。明治の五大老のような存在、国の淵にたって、世界と国内とを同じように俯瞰する立場のひとが何人もいていいはずなのにといつも腹立たしくなる。この内向き傾向は一体どういうことなんだろうか。

例えばNY Times に、ある黒人でムスリムのジャズ・ミュージシャンが2005年5月からアルカイダへの援助容疑で逮捕され、4月に裁判を控えているのだが、その兄が、頻繁に刑務所を訪れ、弟にJazz を習っているなんて記事があった。弟は有罪になれば懲役15年だが、こうした世界と直結する出来事が薄い気がしてならない。

また同じくNY Times によれば、アメリカはテロによる被害者の受け容れは認めていない。中東だけでなく、ウガンダやスリランカでのそれも同様であるが、同記事ではそれを非難している。

こういうのをみると、世界との距離の差を感じる。

日本の場合世界で起こることは如実に自分たちの生活に反映するという実感があるのだろうか。外国というと、すぐ株価か、恵まれない国への援助くらいしかない左か、歴史認識の右になるようなレベルのリアリティでは仕方がない。

Paranoid Policy に陥りやすいし、かつて陥った。韓国は日本並みにヘタクソだが、北朝鮮はずっと世渡りがうまい。

こういう感慨はもちろん主観的なものだが、杞憂に終る気がしない。

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