約半年振りの京都。
今回のテーマは、Cost Performance。「京都再発見」にも書いたが、京都は商業の街。いい商品の交換こそがこの街の伝統だと思う(もちろん全部がそうだとはいわないし、京都だけの専売特許でもないが)。
そんな今回のメイン・ディッシュは、なんといっても「草食なかひがし」。なんとかさんの本で、京都一の料理屋といわれたところで、とにかく予約がとれない。毎月1日に朝8時から次の月の予約に電話し午後2時につながったと思ったら予約が一杯です、といわれつづけて5回め、ついに先月の1日午前8時半に電話がつながった!
料理は期待を超えたものばかりだった。最初のお皿(フキノトウをはじめとするもの白和え、ハマグリと飯の焚物、赤蕪を花びらにしてゆずと柿を囲って椿を象ったもの、鹿の燻製ほかの海苔巻き、ブロッコリーに醍醐の粉を振りかけたもの、 あと名を知らぬ魚の丸焼き)からしてうなった。
あと覚えているままに挙げると、白味噌仕立て、焼き物(岩魚) with カラスミ、鯉の洗い、しんじょ(鮭入りなんか)、鯖のなれ寿司、天麩羅(ふきのとう・筍・鹿肉)、焚物(湯葉・蟹・筍)、鯛のオレンジソース和え、おひたし(菜の花・ほしワラビ・揚げ)、魚(「もっこり?」のフライ、ご飯(めざし、大徳寺納豆、お新香)、デザート。
とにかく大量の準備が各品に凝縮されていて、「違うっ」と何度も心のなかで叫んだ。中東さんの朴訥なギャグもよかった。天麩羅を出すときだったか、「金曜日でもないのにフライでごめんなさい」には笑った(あれは使い込んでるとみた)。
続いてサイド・メニュー。
まずはハチハチ(下)。ビールと一緒に楽しめるドイツ・パンを愉しませるお店で築100年の家屋を使用した宮崎駿の映画に出てきそうな素敵なところ。Cost Performance高しっ!
続いてPetit Maman。マクロビオティックの店で、京野菜の人参のジュースほか身体が温まった。店名の通り、母の子を思う慈愛がテーマという感じの店、ここも高い!
それから上の写真の曼殊院。黄不動尊(いつもの小さい模写ではなく)がここ数日公開されていた。
最後に今回のサイド・メニューで最優秀だったのが、Sun-Aid Eisuke(創作和食料理店)。Cost Performance という点では、なかひがしとは種類が違うが(いい意味での小手先、センスが光った)、感動した。まずそれぞれの方に創作メニュー(要予約)で僕には以下のメニュー。
気に入ったのが「くみ上げ湯葉のババロア風」と「近江牛ステーキ」。
それから黒龍の大吟醸あり。
とにかく今回の旅行では元気が出た。真っ当な交易を社会のなかでしてこそ社会がよくなると思う。それはCost Performance がよくなること、すなわち向上心と真摯な気持ちがなければできない(僕はこれがあったればこそ密教が出来たと思ってる)。自分の日常では湯斗のほかにはあまり見かけないが、僕も見習って、Cost Performance の高い仕事とブログ(?)をしていきたいとつくづく思った。
《これまでの京都旅行記》
2005年7月「秦家」、「東寺」、「瓢亭」、「曼殊院門跡」、「銀閣」
2005年11月「定番」、「媚竃」、「松尾山の亀」、「苔寺」、「ロリンズ」、「一流」、
2006年8月「スッポンが時をつくる」、「水」