イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

ウクライナの国難を思い国を追われた避難民の力になりたい善意のイベント実行中、ちょっぴり疑問アリ

2022年05月07日 06時36分44秒 | ストックポートとその周辺

ひさしぶりにストックポートのタウンセンターに行きました。

ショッピングセンター、マージーウェイ Mersey Shopping Center の広場に季節外れの白銀のクリスマスツリーがドンと置いてありました。

いま一番「ホットな」ウクライナ支援の催し物のようでした。(決して茶化していいような話題ではないのですが、商業施設が何だかいかにも嬉しそうにやっているのがちょっぴり引っかかりました)

その名もギビング・ツリーThe Giving Tree。

ストックポート日報を以前から読んでくださっている方は「あれ、聞いたことのある名前だな」と思われたかもしれません(後述)

ぐうぜん横を歩いていた警官3人組の蛍光イエローにツルっとした素材のロイヤルブルーの「警察」ロゴのハイビズ・ベスト( HiVis vest=high-visibility vest )がしっかりウクライナ国旗配色でした。

仕組みを解説した立て看板です。

ツリー型に抜いてあるRの字の空きの部分が絵文字のウンコに見えませんか。

なるほど、ツリーから下がったタグ(荷札)に名前の書かれた店舗を選んで、バウチャー(商品券)を好きな金額分だけ購入する(お金を払う)とそのバウチャーはストックポートに滞在するウクライナ避難民に手渡されるというわけです。

ウクライナの悲惨な状況をニュースで見て胸を痛めている善男善女が善意を行動にして実現できるチャンスを提供しているなかなか良いイベント...だとは素直に感心できないのは何と言うか...楽しそうなクリスマスツリーを転用したイベント化と...

「協賛」している店がけっきょく儲かることになっていることがちょっぴり引っかかるのです。

好きなものが選べる商品券をあげるのは気が利いているかもしれません。着の身着のままで出国してきた避難民は日用品やら着る物やらいろいろすぐに必要でしょうし。

(イベント化なんかしないで、多くの店や団体が実行しているように募金箱でも置いて集まったお金をあげてはダメなのか...?)

英国北西部と、とくにストックポートを含むグレーター・マンチェスター南部はウクライナと歴史的に縁が深い地域なのです。

20世紀のはじめに大量のウクライナ人がアメリカ合衆国に移民するためにリバプールに集結して合衆国行きの船を待っていたそうです。

そのうち多くの移民希望者は何も大西洋を越えてアメリカに行かなくても祖国と同じヨーロッパの英国にとどまってもいいんじゃないかと計画変更、工場での就業機会が多そうなマンチェスター周辺に定住することにしたのだそうです。タイタニックが沈没したあたりの頃の話です。

1930年代以降はナチスの迫害を逃れたり共産主義化を嫌ったり様々な理由でウクライナ人が、すでにウクライナ系のコミュニティが形成されていた英国北西部に多く移民してきたそうです。

さすがにロシアの属国だった歴史が長いウクライナ、ウクライナ人コミュニティではチェスが盛んだったそうです。現在60代の私の夫は20代、30代の頃にウクライナ系の同年代のレベルの高いチェスプレイヤーと数多く対戦したと言っています。

3年前のクリスマスの頃の記事のリンクです☟

喜びを分かち合う季節、クリスマスを前に再考、クリスマスの商業主義と子供の甘やかし....?

この白銀のクリスマスツリーを使った恵まれない子供たちにプレゼントをあげる慈善イベントとクリスマスの商業主義について書いた記事です。

以前の記事から転載した、ストックポート・タウンホールに翻る、ウクライナ国旗の写真です。

 

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