ストックポートのタウンセンターからクルマで5~6分のブレッドブリィ Bredbury という町に、ペア・ミル Pear Millという変わった名前の「商業施設」があります。
ストックポートにはとてもたくさんの、大きくて古いレンガ造りの 元「綿工場 cotton mills」があります。
この「商業施設」もその一つ、1913年に創業の、(綿織物工場ではなく)綿製糸工場だった建物を利用しています。
18世紀の産業革命以来、「世界の工場」だった英国の、主要工業生産物だった綿の生産を一手に担っていたマンチェスター界隈の栄光の歴史!...の名残です。
この、ペア・ミルは英国で創業した最後の綿工場だそうです。廃業も意外に遅くて1978年、他の多くのマンチェスターの工場は戦後、採算が合わずにどんどん廃業しています。インドや中国など人件費の安い発展途上国に綿産業の中心地の地位を奪わちゃったわけです。
ペア pear (洋ナシ)ミルの名前の由来は...ただ単に創業者の名前がペア氏だったからのようです。ただ、社名へのこだわりがよっぽど強かったらしく...
巨大なコンクリート製のナシのキューポラがドドンと目立ちます。
「ペア・ミルって名前にちなんで、現代造形作家がインスタレーション作品でも載せたんじゃないか」と思った人もいるはずです。
ゴイト川沿いの谷底にあるこの工場、上の道路からもナシが際立って目につきます。
この写真☝はストックポートの観光資料から勝手に借りました。
全景を見たら納得ですよね。このナシは建築物の一部として創業時から塔の上にバランスよくちんまり鎮座しているのです。
ナシのオブジェではなく、ナシの形をしたキューポラなのです!!
ストックポート日報 ではおなじみのストックポート・ヴァイアダクト(ストックポート駅から出ている鉄道橋)の同級の「第二級特級 保存指定建築 Grade II*(グレード2・スター)Listed Building 」だそうです。有名な建築家が手掛け、予算オーバーで手をひいて、また別の有名な建築家が引き継いだといういきさつのある名物建築だそうです。
娘と、1週間ほどうちに滞在しているその友達2人をウォール・クライミングに連れてきました。
デンマークから来ていたインターネットゲーム仲間のその男性はボランティアで子供たちに教えているという上級者で、スェーデンから来ていたもう1人の男性とうちの娘に教えてくれることになりました。
このウォール・クライミング施設、オウサム・ウォールス Awsome Walls は愛好者の間ではしられた充実した施設らしいです。
...ああ、ここ、来たことがある。子供だった息子が15年ぐらい前にやってみたいと言ったので連れてきたことがあったのです。夫と息子は何回か来たようですが...そのうち飽きちゃったようですね。私は初心者必修の「家族でトライアル」コース1回きりでやめました。
ウォール・クライミング施設の入り口アーチにのっかった、かわいいナシふたつ!これももちろん創業時からのオリジナルです。
高さが不可欠なウォール・クライミング施設は、床のない7階分の高さのうち、3階ぐらいの床をぶち抜いた機動室 engine house を上手に利用しています。
クローズアップを撮り忘れたので、写真を引き伸ばしてみたら粒子が荒く悲しい写真になったので加工でごまかしたのが☝。
入口アーチを飾る角笛(コーヌコピア)から果物がこぼれ出て花綱(フェストゥーン)みたいに半弧を描くおめでたい装飾は古い建物につきものですが、これは洋ナシばっかりみたいです!通常はザクロとかブドウが混ざっているものなのですが。
他の場所には、ナシの花の装飾もあるということです。また今度行ったら、見てきます。
15年ぶりで来てびっくり!夏休みの日曜日の午後なので当然でしょうか、すっごい繁況で駐車場はほぼいっぱいでした。
以前もあったアディダスのアウトレット・ショップと子供のインドア・プレイグラウンド、カフェ数軒、それに前回はなかった工場直送家具屋、安売り食品店、育児用品店、それと、けっこう有名らしいヴィンテージ/お手頃骨董品市場(常設)のStockport Vintage Emporium 、その他、ホームセンターやクルマの部品屋などが広大な工場敷地内のごく一部のスペースにテナントとして店を構えていました。
子供のバースデーパーティーがあったらしく、駐車場にはプレゼントを持った子供たちもおおぜいいました。
週末の午後、家族一緒に時間をつぶす郊外の娯楽場みたいな場所になっているみたいですね。
さて、ウォール・クライミング施設、オウサム・ウォールスの内部です。
休憩室兼クライミングをしない人がくつろいで待つスペースが中二階にあります。(誰でも入れます)
私と夫は、娘たちとと別行動で、1時間半ほどアンティーク・マーケットを見て歩いたあと、オウサム・ウォールスの休憩室で知らない人たちの壁のぼりを30分ほど見物しました。
私たちが見ている前で10歳ぐらいの女の子がトカゲのようにスルスルと天井ちかくまで壁を這いあがって行きました。
以前来た時、私たちはこの10mぐらいの高さの壁で家族向き入門コースを受講したのでした。
息子と夫はけっこう上まで登れたようですが、私は自分の身長より上ぐらいまで登ってイヤになっちゃったおぼえがあります。なぜか、その頃より体力には自信がある現在...やっぱり再挑戦する気にはなれません。(高いところが苦手です)
そういえば、夫の体力は加齢でだんぜん今のほうが落ちているはずです。
娘とお友達3人(女性が1人現地集合で参加)はなぜか角度があって、足をかけるボツボツが離れていて難しそうな壁ばっかりの場所で初挑戦をしていました。
奥には、どうやら塔の内部らしい「エベレスト・ルーム」という、7階の上まで(?)のとんでもなく高い壁のぼりチャレンジスペースもありました。
ペア・ミルに関して、長くなるので、以下次号。
解説 ありがとう
ございます
如何に 余暇を 過すか
に 関して
英国は 先進国だと
感服しました