イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

ストックポート恒例のカエル行事と英国の生活困窮事情など

2023年08月15日 06時32分35秒 | ストックポートとその周辺

日中の最高気温が連日21℃前後の肌寒い英国の夏休みです。しかも、ほぼ毎日雨降り...

ストックポートのショッピングセンター、マージーウェイ Marseyway の天井から色鮮やかな浮き輪がつるされ、夏の海辺のリゾート気分を盛り上げています...寒いんですってば...!

今年も(と言っても2021年に続いて2年ぶりですね)夏休み恒例、子供たちに大人気のアクティビティ「カエル探し frog spotting」が7月21日に始まりました。

2019年、2021年にもストックポート日報 でしつこく取り上げました。

地元アーティストによって表面をペイントされた巨大なカエル19体を探してストックポートの観光、商業のかなめスポットを巡るパブリック・アート・トレイル・イベントです。

今年のイベントタイトルは The Great Frogtastic Invention Trail (偉大な発明めぐり)。前回までと違って、一貫したテーマがあるようです。従来のストックポートの名所めぐり、パブリックアート鑑賞のほかにタメになる知識も得られるという趣向のようです!

 

ショッピングセンターの入り口近くに設置された赤いカエルの名前は、リンゴー Ringo。(作品番号7)

リンゴーは、ring (電話の通話) からの安易な名づけでしょうね。

英国の偉大なロック・バンド the Beatles のドラマー、リンゴー・スター由来で現在ではごく少数ながらも男の子に名付ける親が後を絶たないユニークな名前のひとつです。子供の名づけウェッブサイトを見てみたら「日本語ではアップルの意味がある」とたいてい書かれています。リンゴー・スターの芸名は、指輪 (ring)好きからついたあだ名がもとだそうです!

 

アメリカ人のアレクサンダー・グレアム・ベルによる電話の発明(1876年)を讃えた作品だそうです。わかりやすいですね。お腹には懐かしいダイヤル式、背中にはスマートフォンの文字チャット画面がペイントされています。

 

チャット会話の内容は「やあ、リンゴー、夏休みは何するの?」「マージーウェイの海辺(seaside fun=イベント名)を跳ねまわる(hoppinng over=大はしゃぎする)んだ」「楽しそー、僕も行っていい?」「もちろん!砂浜で会おう、7月29日から9月3日までやってるよ!」

...スポンサーは言わずと知れたマージーウェイです。

Seaside Fun とは...

 

大きな砂場と、ヘルター・スケルター helter skelter という、英国の海辺の観光地にはおなじみの滑り台が設置された海辺の気分満載のプレイエリアです。

空気を入れて膨らませる、低くて滑り台部分がチューブ状になった安全型ヘルタースケルターです。海辺にある本式なのは3階ぐらいの高さの塔の周りを覆いのない滑り台でらせん状にグルグル滑り降りる安全上問題が大ありなモノなのです。25年以上前、小さかった息子を膝にのせてすべってみたことがあります。こわかった~)

2日続きで晴れ(気温は最高28度)だった先週の午後、上の写真を撮りました。

 

ところで...

リンゴーの横の空き店舗を利用した、手作り品を売ったり、アーティストが個展を開いたり、環境問題へのアッピール展示をしたりするための貸しスペースで...

週末オープンする予定の「イベント」準備がすすんでいました。

小学校の制服のおさがりを、すべて50ペンス(91円)で販売する仮店舗だそうです。

 

昨今の物価高に伴う生活危機で新学期に向けて学校の制服をそろえるのが困難な家庭が多い、とたびたびニュースで取り上げています。

生活困難者が食料のみならず、衣料や日用品を無料で受け取れるフード・バンク food bankに行けば、もちろん制服ももらえますが、「生活困難者」とまでは言えない、フード・バンクに並ぶほど困窮していないけれど、出費はできるだけ抑えたい子供がいる家庭も多いはずです。

子供がいる家庭には本当にありがたい企画なはずです!

片側には女の子用、ギンガムチェックのワンピースがズラッと並んでいました。

英国の、多くの公立小学校にはスクール・ユニフォームを着て登校するきまりがあります。

スーパーマーケットやデパートが値段まちまちで、デザインも微妙に違う標準型の制服アイテムを常時販売しています。

男女ともにスクールカラーか白のポロシャツにグレーのスカートかズボン、寒くなったらスクールカラーのスエットシャツ(トレイナー)を上に着る、というのがたいていの学校の標準ではないでしょうか。スクールカラーのギンガムチェックのワンピースは低学年(4歳から9歳)の女の子に人気です。

女の子は、ワンピースでもズボンでもスカートでもピナフォー(ジャンパースカート)でもオッケー、選択肢が広いですね。

成長が早い、小学生の子供たちに制服を買い続けるのは生活困難者でなくてもけっこうな負担です。

うちの子供たち2人が小学生だった時、多くの小学校ではエンブレム(校章)刺繍の入ったトレーナーが学校指定で、ちょっとした社会問題になっていました。特定業者に販売させて、売り上げの一部が学校の設備基金として運用されていました。

スクールカラーのどこの学校でも通用する無地無紋のトレイナーをスーパーマーケット等で格安で売らせて、それを着て行ってもいいことにすれば制服への出費が著しく抑えられたはずなのです。

今は、刺繍入りユニフォームの着用は強制されず、希望者のみに購入させる学校が多くなっていると聞きました。

うちの娘は学校時代、男の子だったものですから上の息子のおさがりが流用できると期待したのですが、すぐにサイズが小さくなったもの以外、いたみが激しく買いなおすことの方が多かった記憶があります。

いちばんの出費は黒の革靴でした。

子供の頃の靴選びは体の発達に重要な影響を与える、と信じて無理してでもきちんとした造りの革製の靴を買ってはかせる親がとても多いのです(少なくともうちの子供が小学生だった頃は)。もちろんスーパーマーケットには廉価な合成皮革の通学靴も多数売られていましたよ。

 

ちょっと離れた場所に産業用ゴミ箱のような「おさがりの制服寄付箱」がありました。

 

中を覗き込んでみました。

破れたり汚れたりしたものは受付けないようですが...ちょっと見たところ、くたびれたモノが多いですね。兄や姉のおさがりならともかく、知らない子供が着古した服を子供に着せるのに抵抗のある人は多いかもしれません。

50ペンスだからと、納得できる人だけが利用するのでしょうか。

私は自分の服はほぼすべて、寄付品を売って売上金を慈善事業に使う「チャリティ・ショップ」で買うことにしています。節約とともに社会的意義(リサイクルと慈善活動)も重要視してそうしています。

チャリティショップで売られている古着は、概して言えばコンディションの良いものばかりです。

「寄付箱」をのぞき込んだら、なんだかもっとせっぱ詰まった事情がかんじとれました。

 

例年ほど情熱的にカエルの紹介をするつもりはありません。時々目についたら関連の話題といっしょに記事にしてみます。

 

 

 

 

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1 コメント

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犬と暮らせば (浅井洋)
2023-08-15 19:59:52
英国の 繁栄も
 節約をしないと
   庶民までには
  回らなく なって 来ているのですかね

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