イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

もっといると思ってた!意外と少ないベジタリアン、彼らが食べる、出来合いベジタリアン料理(ごく一部)

2017年11月23日 22時42分23秒 | 英国の食べ物、飲み物
前回 ちょっと触れた、ベジタリアン Vegitarian(菜食主義者)について…
続きです。

冷凍庫の 「棚卸し、清掃」をするために冷凍食品を 一週間で食べきる計画を立てました。
我が家の在庫 冷凍食品の6割はベジタリアン食品なのです!

ベジタリアンの夫(実際は魚介類は食べるペスカトリアン) に付き合って、ミート・イーター meat eater (肉食人!)の私と息子も この週はお相伴です。


(↑本当はもっとあったのですが・・・)

すべて冷凍のまま、充分熱くなったオーブンで
20分から30分 加熱するだけ、ラクチンです。


カリフラワー・チーズ・クリスピー・グリル cauliflower cheese crispy grills


その名のとおり、砕いたカリフラワーが とろりとした チーズで閉じてあります。



くし形切りのポテトフライはウェッジス wedges といいます。


別の日です。
カツ・カレー・メルト katu curry melts


ベジタリアン食なのに カツ?
とお思いでしょうが、「カツゥ katu 」という、もちろんトンカツ、チキンカツなどから転化した日本語(のつもり)です!=英製和語。

「カツ・カレー」はイギリスでも大人気。
スーシーや テンプーラなどの伝統の和食から離れた、サブカルチャーの匂いのする おしゃれでモダンな現代日本料理の代表です。
…で、長くなりましたが「カツゥ」というのは濃い黄土色の どろんとした 「日本風 カレーソース」のことを指すようです。

お料理をサボるとなったら、徹底的にサボります。
付け合わせのライスはインスタントの袋入りメキシカン・ライス。




イギリスでは 日本では おなじみの、「レトルトパック」を見かけません。

水を加えて電子レンジでチン!
なかなか おいしいです。種類もたくさんあります。

付け合わせの炭水化物は、ポテトが主流です。
冷凍の「チップス chips」(短冊切りのポテトフライ)が あればよかったのですが、「冷凍庫一掃計画」でとっくに食べきったあとでした。

ウェッジスもカリフラワー・チーズと一緒に食べてしまって もうありません。
メインが冷凍食品なのに 付け合わせのポテトを わざわざゆでたりマッシュかローストにするのも めんどくさいので…。

スイート・コーン(トウモロコシ)も、もちろん冷凍を使います。
クージェット(ズッキーニ)は炒めました。
メキシカン・ライスとスイート・コーンにあわせて 南米風にこだわったつもりです。

中には甘口の、日本風カレー・ソース(カトゥ)がドロンと入っています。


日本のカレー ルーの各メーカーがこだわる、「コク」が全くありません。
「カレーパン」の中身にとろみをつけた味に近いです。

以前食べた、「カツゥ・パイ」はとろとろ日本風カレーソースに、炒めた牛ミンチが入っていました。
ソースが粉っぽくて まずかったので 半分残しました!

以上の2点はベジタリアン料理に分類できるもの…
肉を使わない、「ミートボール」「ミンチ」「ソーセージ」「バーガー」「鶏のささみ風」…等々、肉モドキも実に豊富です。

「肉モドキ」なんか食べるぐらいなら ベジタリアンなんかやめれば?と言いたくなるような、コンセプトが日本人には理解不能な 食品です。
ベジタリアンと同居して17年、私はもう慣れましたが。

肉食用レシピ用の、「代用食」ということでしょうか。

イギリスには、ベジタリアンが多いです。
と言っても、全人口の2%(120万人)。調べてみたら非常に少ないので、驚きました。

もっともっと たくさんいるような印象です。

イギリス全国すべてのレストラン(ファーストフード店、ステーキ屋なども含めて)ホテル、社員食堂、学生食堂、学校給食のみならず、刑務所にも病院などにも ベジタリアン向けのメニューがあります。

イギリスは、食生活に限らず、個人のライフ・スタイルを重要視する国です。
多民族を擁し、すべての人が共存する社会を作ろうとしている国家ですから。
ベジタリアンのみならず、イスラム教徒、ヒンズー教徒、ユダヤ教徒などの大勢の少数派民族の食生活も考慮に入れなければなりません。

60代のうちの夫は、ミート・イーターの家庭に育ち、成人してから自分の意志でベジタリアンになりました。
ベジタリアンは戦前から存在したようですが、夫が子供の頃ですら まだ ごくごく稀だったはずです。
3人の兄弟と、離婚した両親、両親の新パートナーそれぞれも、前後して40年ほど前 全員ベジタリアンになりました。

第一ベジタリアン世代です。

そういえば 私の周りには、夫の家族以外にもベジタリアンが多いですね。
ほとんどが比較的 教育のある「中産階級」出身です。

第一ベジタリアン世代は 1970年代、80年代に自分の意志で転向したそうです。

畜産業の在り方に抗議をするため、肉食を拒否し始めた人が多いらしいのです。
当時、効率を追い求め 集約的な農業が発展して食肉用家畜の扱いがひどくなってきた、ということですから。

現在、イギリスは 問題もありますが 動物愛護の最先進国なはずです。
畜産農家には動物の厚生のため、さまざまな制約がかけられています。
第一ベジタリアン世代が徹底抗議した 畜産動物の非道な扱いは(少なくとも公には)見られなくなっているはずです。

ベジタリアン第ニ世代は40代ぐらいまでの若い大人です。
ベジタリアン家庭に育った人、自分の意志でベジタリアンに転向した人 それぞれですが、べジタリアンになった理由は、第一世代より、もうちょっとセンチメンタルなのではないでしょうか。
動物がかわいいから食べられない、動物を犠牲にして生きるのは人間のおごりだと考えている人もいるようです。

健康や信仰のために 肉食をしない人も もちろんいるはずですが、現在イギリスのベジタリアンの多くを占める第二世代は 人間と動物とのかかわりに基ずいた理由で実行しているはずです。

イギリスのベジタリアンの79%が女性だそうです。
現在 ティーンエイジャーの少女のほとんどが 1度はヴェジタリアンになろうと決心したことがあるのではないでしょうか。
家族の協力が得られなければ、たいてい挫折します。

恋人や友達など、まわりに合わせるのが困難で 続けられないことも あるはずです。
完全に肉断ちが続けられれば、晴れてベジタリアン… 第三世代として、一生肉断ちの生活を送ります。

ベジタリアンに関する考察、長くなるので、続きは次回に持ち越します。


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4 コメント

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冷凍食品とベジタリアン (八幡@やんやーやマクビティーズ)
2017-11-26 14:53:36
実に内容盛りだくさんですね!

ステーキ屋のベジタリアンフードって試してみたくなります。
ボクのイメージだと、イギリスは伝統食を大切にして、アメリカンがどちらかというとベジタリアンとか初めそうな気がします。

カツゥを始め、イギリス料理ってどうして大味なんだろう、と思いますね。
あまり細かいことは気にしないのでしょうか…。
ドイツ人にやらせたら、塩何グラム、小麦粉何グラムを何回かき混ぜて…とかなりそうですね…。

日本のレトルトカレー、劇的進化を遂げていますよ!
住所を教えて下されば、お送りします(^O^)
あ、ご主人が食べられないかぁ。
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意外と少ない (Chun)
2017-11-27 11:12:26
2パーセントって意外と少ないですね。
スーパーでの売り場とか、学校の食事にまでヴェジメニューがあるので、もっと多いのかと思いました。

イギリスではグルテンフリーとか、シュガーフリー、オーガニックといった食品が、手に入りやすかったですね。小さなコストカッターにはなかったけど、センズベリーズやテスコに行けば必ず手に入りました。

娘の友達も、絶対続けたいからみんなの前で宣言したんだろうと思います。今も続いてるのかなぁ。

ダイエットで魚しか食べない人もいましたが、料理の仕方を知らないので、毎日蒸して食べてた。それじゃ飽きるよね。日本人なら、煮魚、焼き魚、カレー風味、いろんな料理を考えるのだろうけど。
返信する
コンセプトが違う (Chun)
2017-11-27 11:20:31
そうそう。
これもいつか書こうと思ってたんですが。

日本で冷凍食品というと、電子レンジでチンなんです。レトルトの食品もどちらかというと時間短縮できるのが売り、というものが多いです。
ところが、イギリスの冷凍食品や冷蔵の食品って、オーブンで30分~40分、ってのが多い。入れ物もアルミだったら、レンジでチンできないし。

本当に急いで食べたいときは、パイやサンドイッチを買ったり、テイクアウトを利用するってことかな。
返信する
ベジタリアンいろいろ (江里)
2017-11-28 01:10:48
八幡君、ありがとうございます。でもお気持ちだけ、いただいておきます。日本に行くときの楽しみにとっておきます。夫を連れていくにはファミレスがいいですね。コクのある日本のカレー(ルーに肉が使ってある!)も、野菜のみの料理もそろってますから。

焼肉屋、鶏料理屋には、野菜やナッツのパイやタルト、くりぬいてライスや麦、コーンなどを詰めた巨大ナスやトマトやサツマイモなど、オーブン料理が多いです。
ケンタッキーやマクドナルドにはビーンバーガーがあります。

Chunさん、おっしゃる通り、イギリスの冷凍食品には衣付きなど、揚げたものがおおいので、オーブン加熱が必須なんです。レンジでチンすると、べちゃっとしちゃうでしょ。
でも、レンジでチンのready mealも豊富ですよ。コンビニにもスーパーにもいっぱいあったでしょう?
イタリアン、中華、インド料理・・・テイカウェイよりずっと安いし、密閉で持ち運びも便利。オフィス街のコンビニでのready mealコーナーはどこも充実しています。
日本では職場でレンジでチンして出来合いのお昼を食べている人はいなかったと思うけど、今はどうなんでしょうか?イギリスでは多いですよ!!!ディナー皿に移して自分の席で優雅にナイフとフォークを使って食べている人がたくさんいますよ。日本は、凝ったお弁当持ってくるのが文化として確立してますものね、会社でレンジでチンはちょっと気が引けますね。
お嬢さんのお友達ですが、挫折した可能性が高いですね。
親がかりの子供が、ミートイーターの家庭でヴェジィに転向するのは親の負担が大きすぎます。
恋人がヴェジの場合、男女問わず、転向に成功する率は高いと言います。
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