イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

デパートでショッピング!へんてこりんなサイズ見本シャツと私が最後に目撃した英国のガサツなデパート慣習の思い出

2022年01月25日 07時40分02秒 | 英国の、生活のひとコマ
夫が着る、礼装用の白いシャツが必要になったので買いに行きました。



会社勤めの時の(いわゆる日本語で言う)ワイシャツはほとんど処分しています。
冠婚葬祭用に残しておいた数枚も首回りやお腹周りがキツくなったので1着だけ買いなおしです。

めったに着ないだろうし、スーパーマーケットの自社ブランドの安いモノで充分だったのですが現在のサイズがよくわからないことと、夫は背も高いのですが、オランウータンのように腕が長いので...
店員が相談に乗ってくれるデパートで買うことにしました。

胸囲と首回りのサイズだけではなく、サイズが豊富で身丈と袖丈まで選べる老舗デパート、M&S (エメネス/エメンデム )の郊外の大型店に行きました。

サイズが分らないという夫に、店員はサイズ見本の白いボタンダウンシャツ3枚を手渡してくれました。
それをもって案内された試着室に行きました。



M&S / MENS WEAR / REGULAR FIT / NOT FOR RESALE (M&S 紳士服 標準フィット 非売品)と、三角配置に大文字で大書されたサイズ見本シャツ背面のプリントがおおウケです。
刑務所の制服みたいです。

写真を撮っていたらそれがまた店員にウケました。
私と同年配のその女性店員と笑っていたら別の若い店員が「どうしたの?」という顔をしてやってきたので「背中のプリントがおもしろい」といったらその人も朗らかに笑ってくれました。
夫は1人、マジメな顔で試着を続けていましたが。



売り物のシャツはすべてきちんとプレスしてぴちっとした形でビニール袋に入っているので試着はできません。
見本のシャツ、いいアイデアだと思いました。

ピッタリサイズのシャツが買えました。

今はどこの衣料店でも試着室にはこのように公衆便所のような個室がずらっと並んでいます。
小さい店は両側に1室ずつぐらい、いずれも試着後に個室からでて歩き回ったり店員や連れに感想を聞いたりできる「じっくりご検討」スペースが真ん中にあることが多いようです。

このM&Sの男性用試着室には手すりと低い位置のハンガー掛けと車いすが一回転できる広いスペースを設けた障碍者用個室もありました。

共有の入り口で何着試着するか係の人に申告して、着数が書かれた札をもって空いた個室に入って試着します。
男女別ですが、服の脱ぎ着は個室の中なので異性の同行者を招き入れて試着した服の感想を聞くこともできます。

買わなかった服は係の店員に手渡し、買うことにした服と持ってて入った服の数をあわせて、数字の書かれた札で数を確認してから退室します。

私が英国に来たばかりの30年ぐらい前、(10年ぐらい前に倒産した)ウールワース Woolworth や、(今はそういえば見かけない) C&A などの生活雑貨も販売する衣料中心の安売りデパートの試着室はスポーツジムのロッカールームのように個室のない大部屋だったのを思い出しました。

若い女性のグループがいろんな服を試着してファッション雑誌のようなポーズをとってワイワイやっていましたっけ。
下着姿でくつろいでいたり土足の床に試着した服を脱ぎ散らかしたり...「驚きの海外日常生活!」でした。

当時、中堅クラスのデパート、(これまた一昨年ロックダウン下で倒産した)デべナムス Debenham's にも大部屋試着室がありました。
入り口にはやはり係員がいて、未会計の服を着たまま試着室を出ることが許されなかったため、同行した夫やボーイフレンドに感想を聞くことはできなかったはずです。

いつの間にか、というか私が来て間もなくそういうガサツな試着室制度はすっかり廃れました。
今ではウールワースのような安売りデパートそのものがなくなってしまいましたし。
安い服は、個室が並んだ「公衆便所型」の試着室がある大型店舗のスーパーマーケットで買えます。

当時、そういえばこのM&S(当時はマークス&スペンサーという店名でした)では試着ができなかったのでした。
なぜだったんだろう!?
なんとも不自由でした!
もちろん交換、返品は簡単にできましたが。
縫製と素材の質がよく値段が比較的手ごろで、なぜかあまりオシャレではない自社ブランド物ばかり販売する質実剛健イメージで売っていた独自の路線のデパートだったのです。

現在はすっかりイメージ一新、自社ブランドも高級すぎないデザイナーもの、といったランクのオシャレな品をずらっとそろえて頑張っています。
働く女性に人気のハイ・ファッション路線と、「マークス」時代の往年の愛好者の需要にこたえたおばあさんウケ路線の2本立てで、デパート不振のオンラインショッピング時代を生き残っている老舗デパートです。

いつの間に試着歓迎になったのかの記憶はありません。

かっこいいモデル写真がベタベタプリントされたこの内装の趣味...重いですね。


女性の試着室ものぞいてみればよかった。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 癪に障る嘘つき首相の進退や... | トップ | ご無沙汰の3日間、「英国の... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
犬と暮らせば (浅井洋)
2022-02-02 09:13:26
ユニクロは 昔の呉服屋の考えで
 サイズでなく 着る方が合わせると いう
 文化で その代わりに
 素材を良くしてます
綺麗ではないかも知れないが
 いつでも どこでも だれにでも
息子の代とは 言いませんが 譲渡可能な
日本の呉服文化では
返信する
浅井さんへ (江里)
2022-01-29 10:15:49
日本は飲食店もお店もびっくりするほどサービスがよく、値段も手ごろなことで最近は知られていますが服のサイズが本当に少ないですね。
単一民族国家なので人種によって背が低かったり高かったりとか、太っている人が少ないためもあるでしょう。
試着も店の中にある個室試着室で着終わったら店内に出てきて店員さんにお世辞を言われながら着た姿を確認することにかなりの引け目を感じます。
ユニクロで女性店員にバストを図ってほしいとていねいに頼むと申し訳なさそうに断られました。
そんなことしちゃダメなんだそうです。巻き尺もありません。
まさかおばさん女性客(私)が若い女性店員をセクハラ嫌疑で追及するなんてことをおそれている?
まあ、お値段やすい店でプロの対応を求めるのもヤボかもしれませんね。
返信する
犬と暮らせば (浅井洋)
2022-01-26 16:48:26
江里様
 試着を ここ迄 徹底すれば
生き残れるのですね
 ユニクロは まだ ここ迄 来てないですね
今 デパートの ワイシャツ売り場は ガランとしてますしね
 ネクタイを締めない風潮が広がって来てますしね
返信する

コメントを投稿

英国の、生活のひとコマ」カテゴリの最新記事