イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

優先順位を上げるコツ? 大したことのない腰痛で国家医療制のありがたさを満喫

2024年03月05日 06時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

2月の半ば過ぎに始まった私の腰痛は(ほぼ)全快しました。

2週間近く長引いた、寝違えのような痛みがある日とつぜん激痛にかわり翌朝は身動きもままならないほどに悪化!近所の診療所 GP's Surgery /GP practice に受付開始後すぐ電話しました。

ここで簡単に英国の医療、保健システムについての説明です。

 

☟注射針や汚染物など医療廃棄物を捨てる専用のゴミ箱が鉄格子に囲われています。正面入り口横!

英国では基本的に国家医療保険サービス(National Health Service=NHS ) が提供する医療や保健サービスは全て無料です。そのため、緊急度に応じて、診察や治療を受ける順番の優先順位の判定があります。

緊急度の低い治療や手術は長い順番待ちがあります。近所の診療所での「ー般医 general practicioner=GP」の診察も優先順位がつけられます。

GPとは科を超越して、何でも診てくれるお医者さんです。必要であれば総合病院の専門医につなげてくれます。専門医のいる総合病院では、GPの仲立ちがなければ基本的に診察はうけられません。

予約を入れるために自分が登録している診療所に電話をして、医療の素養のあるらしい受付の人が判断して、また患者本人もせっぱ詰まってないとか医師を指定したい(女の先生でないとないとイヤとか)などで緊急度が低い場合は、数日後から2~3週先に予約が入ります。

私は今回、痛みが激しくー刻も早く診てもらいたいと訴えたため、質問票をテキスト(電話回線のメール送信)され、記入して返信することに。初体験の、けっこう最近(パンデミック渦中に)導入されたという 優先決定措置(トリアージュ・システム triage system)です。

「とつぜんの痛みの激化」「左下半身が動かせない」(すべて事実です)を強調し送信したら、意外にも2時間以内にスマートフォンに連絡が来ました、「今日の5時に診療所にこられますか」と。早いっ!

徒歩15分の診療所に夫に車で連れて行ってもらいました。

 

若い男性GPにていねいに診てもらいました。

「急変」と「脚が上がらない」に反応した緊急度バク上げ措置だったようです。脊椎損傷、半身不随の前触れを心配されたようですが(!)脚が上がらないのは下半身の感覚のマヒのためではなく、腰から下を動かすと激痛が走るためであることを確認し、とりあえず脊椎損傷の疑いは晴れ、強い痛み止めを処方してもらいました。NHS(無料)のフィジオセラピーに予約をつなげてもらい帰宅しました。

ー番強い痛み止めを近所の薬局で受け取りました。60歳になった私は、GPの処方箋を出せば、薬は全て無料です♪

薬はよく効きました。痛みの感覚が鈍化したついでに倦怠感もすごく、薬が効いている間はボーっとしたり寝たりして過ごしました。数日後、いつまでもダラダラしていられないと思って、薬の量を減らし始めて痛みがかなり減っているのに気が付きました。

ちょっとしたコリが残る程度まで回復した時に、フィジオセラピーを受診しました。

フィジオセラピー physiotherapy ( 理学療法 )は、機能回復訓練(リハビリ)と運動機能の診断をしてくれるNHSが提供する比較的なじみのある療法です。

 

...今回の写真はすべて、フィジオセラピーを受診した小さめの病院の出張所のような、GPの診療クリニックのみならず複数のクリニックのある比較的大きめの診療所で撮りました。

 

私が登録しているのは高級住宅街の入り口近辺にある古いレンガ造りの一戸建て邸宅を改装した診療所ですが、この診療所はもっと庶民的な住宅街にある新築(1970年頃?当時)の医療施設です。フィジオのクリニックが常駐しています。

「庶民的な住宅街」の公共の建物に、なぜかよくありがちな、地域の子供たちの共同制作の「アート・プロジェクト」が満載です。

 

もうかなり回復していたので、きまり悪かったのですがフィジオの診察を受けてきました。とつぜんの激痛の原因が知りたかったのです。けっきょく不明!

立ったり座ったり、横になったりして全身をていねいに調べてもらい、どこも損傷していないことは請け合ってくれました。また痛くなったら痛み止めを症状に応じて加減して飲むように、運動不足に気をつけるように言われました。

 

以上が私の腰痛の顛末です。

70代の女性が多い私のボランティア先では、皆、ひざや腰の痛みや不調を抱えています。80代で、「ひざの骨の整形外科手術」を何年も待っている人もいます。(他の急を要しない手術と同様、パンデミックでかなり先延ばしになりました)

 

☟完全予約制なので、広い待合室で自分の名が呼ばれるのを待つ人はごくわずかです。

私の、当日のGPの診察と2週間以内のフィジオの予約は奇跡的に迅速で、びっくりされました。

最初のフィジオにGPの診察から3カ月かかった人がいました。復調すると来週から来なくていいと言われたり、気候の変化などで悪化しても薬の処方があるだけで、特に処置してもらえなかったり...ある程度の年齢になると、歩行に多少の支障がでるのは想定内...みたいです。たしかに大ごとには思えません。

健康にとくに問題のない私のような人が発する「急変」と「左下半身が動かせない」など深刻そうなキーワードが緊急度を上げる決め手だったのかもしれません。

「下半身不随」の前兆を見逃したら、初期医療チームの責任問題になるはずです。英国に来た1991年以来、私の医療記録のすべてがNHSのコンピューターシステムに残っていますから、トリアージュ・チームが私の病歴を検索するのはたやすいでしょう。

いつも腰やひざや背中の不調を抱えている大勢の人は「もう3年も痛いのなら、もう2,3カ月待てるでしょ?」という緊急度がかなり低めの扱いになってしまうのでは...と思いました。

 

予算不足で、医師や看護師がたびたび待遇をめぐってストライキをするゴタゴタ続きの英国のNHSですが、緊急の対応はしっかりしているのもわかり、ほっとしました(実際、私の場合緊急な処置を要する重篤な症状ではありませんでしたが!)

去年、子宮がんの疑いで診療所に電話した時は、受付に症状を言っただけでトリアージュなしに、その日のうちに割り込み診察してもらって、2日後、地元の総合病院の婦人科で精密検査をしてもらえました。がんではありませんでした。

トリアージュ・システム以前の10年以上前、胸にしこりができた時も、即日診察、翌日検査してもらえました。

 

(がんではないと確定した後も分析のため取り出した大きなしこりは...化石化した母乳だったそうです。珍しいので、マンチェスター大学医学部に学術標本として永久保存されています)

 

診断結果や治療法に納得できなければ診察料を払って別の医師にも診てもらう「セカンドオピニオン」は、日本では普通ですよね。診察が無料で、医師を選べないNHSでは、不可能ではありませんがややこしい手続きがいるようです。

そのため、治療法をめぐって医師と意見が一致せず、日本に帰国、長期滞在して処置をしてもらった日本人を個人的に知っています。別の日本人の友人も一時帰国する際、日本でかかりつけ医師に診断してもらうそうです。ここ英国では持病が悪性でないため、すぐに処置してもらえないのが不安でしょうし、つらいでしょう(痛み止めなどの対処療法は充実しているようです)。

国民健康保険を抜けている海外在住の身では診断や処置は自費ですし、手術となればたいそうな出費になるはずです。それでも、家族がいて情報も得られる日本での治療が選択できる日本出身の私たちは、少し得かもしれません。

 

ただ、私は全ての人に無料で公平な医療を施す、英国の国家医療制度 NHS を信じて支持していますので、日本で大金を払って治療を受けるつもりは、今のところ...ありません。

英国人の友人も、私の腰痛とほぼ同じ時期に腰のあたりの激痛ですぐに精密検査が受けられたそうです。悪性腫瘍の疑いは晴れ、それでも治療の必要な臓器の疾患だということがわかり、地元の病院に通院しています。

ちなみに、その人の近所で95歳の男性が、長い順番待ちのある腰の整形外科手術を申請後すぐに受けられたことがちょっと話題になったそうです。杖なしで歩けるようになったとか?!

たぶん...推測ですが...1人暮らしのそのおじいさんが完全に歩けなくなるとかかるであろう高額の介護費用(国家の出費)を避けるためには機能回復手術の必要度、緊急度を上げざるを得なかったから..なのでは?

私のボランティア仲間の70代の女性たちなんかは、まだじゅうぶん社会に貢献していますし、手術を受ければこの先、何年もスポーツや旅行も楽しめるようになるかもしれません。この人たちを先にしてあげたら...?と誰もがこっそり思ってしまうものですが...とりあえずボランティアできる程度に歩行が可能で自立できているわけですから、早く歩けなかったり、時々痛かったり...はもうちょっとガマンしてもらおうか? という緊急度、手術の必要度判定なのではないでしょうか?微妙に難しい判断です。(あくまで推測)

私とその友人は「私たちのNHSは、まだまだ捨てたものではない」と意気投合しました。

 

パンデミック前の2018年、英国の医療制度について書いた詳しい記事です。NHS 創立70周年だったのでした。☟

選択肢がほぼ皆無、すべての人が恩恵にあずかれる世界に誇るイギリスの無料医療制度

 

ついでです、本文と無関係な、高級住宅街の夕焼けです。

 

 

 

 

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7 コメント

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犬と暮らせば (浅井洋)
2024-03-05 16:58:21
(1)良かった ですね
 英国を 信頼する
  英語を キチンと 話す 
この2つが あれば
  英国が 貴女を 救ってくれるのでしょうね
   万歳
(2)お年寄りを
  「養老院に 入れて ほっとく 日本と
    歩けるなら 自宅に 居なさい の差」
  が 大きいのかも
(3)心の何処かに 「日本の方が」とか
  英語で 自分を 充分に 表現できないと
   日本に帰って 治療をウケる事に成るのかも
返信する
Unknown (H.W.)
2024-03-09 01:33:35
私よりも一回りほど年長の知人(墺在住)のお姉様(70代半ば〜後半のお歳かと)は独身で、通訳・ガイドとして働きながら50年近くロンドンに住まわれているそうですが、健康保険などの社会保険料はずっと日本に払い続けているそうで、日本に帰省される時に歯医者など医者にかかっていると聞きました。知人いわく「健康でそうそう医者に行く必要もないからできるのよ」。でも、税金を英国で納めているのなら、当然、そちらの健康保険制度に加入できる筈だろうにと思うのですが、どうなのでしょう。その女性の場合、いづれ日本に戻った時のため、或いは、いざという時に母語で医療を受けることが可能なように、日本の健康保険に加入し続けているのかなとも思いますが。

ここオーストリアの健康保険制度はほぼ日本と同様ですが、自己負担率は一律ではなく、加入している保険組合や医療項目によって変わります。大きく異なる点は、公的保険とプライベート保険の併用が可能な点で、公的保険がカバーしていない部分をプライベート保険で補うことができます。確認はしていないのですが、公的保険への加入は義務ではなかったように思います。その為もう随分と以前から、医療のクラス分け、プライベート保険を持てる患者の優遇が問題となっています。自己負担率が高い歯の治療などでは、確かにプライベート保険は非常に役立つのですが、決して安くはない保険料を払い続ける人はそう多くはないのではと、周囲を見ていても思います。うちでも“勿論”入ってはいません。

日本にいる頃には「西欧の社会保険制度は日本に比べて進んでいる」というように聞かされてきましたが、実際にこちらに来て見聞きしていて、それぞれの制度にそれぞれの長所短所がある中で、日本の制度は比較的バランスの取れた、決して悪くはない制度ではないかと思うようになりました。
それと、おそらく日本人自身は思いもしない事かと思いますが、「日本の介護(保険)制度は非常に良くできている」、これは共にここ数年に親を見送った先の知人と私の共通した意見です。
返信する
H.W.さんへ (江里)
2024-03-10 22:45:25
H.W.さん、
とても興味深いコメントありがとうございます。

まず、英国では「健康保険」加入は全く不要です。なぜなら、国家医療制度のもとでは医療サービスは完全に無料だからです。記事中に書いたことなど含め、不安に思う人は多いようですね。
ほんの10年前までは多くの人が「絶対不要!NHSへの侮辱だ」とまで思っていた、プライベートの健康保険加入のハードルが下がってきています。ストックポートに本店がある業界大手の健康保険会社がテレビで宣伝をバンバン打っていますし、「いざという時にすぐ診てもらえなかったりしたら大変だし、プライベート診療のの医者にすぐ掛かれるように入っておいた方がいいのかなあ」と思い始める人も少なくないようです。
「プライベート診療を受ける人はごく限られた一部の特権階級」みたいな考えもかわってきています。

オーストリアで日本のような公益性の高い(国民)保険制度があるって、本当に驚きました。ヨーロッパの先進国は英国同様、基本的に無料...か審査によって少額負担だと思っていましたから。スペインに永住する息子が、パンデミック中、コービッドではなく喘息で死にかけましたが、集中治療等すべて無料でした。
息子は英国民ですがブレクシット前にEU市民として永住権を取得しています。

(長すぎると削除されることが過去にありましたので、ここでいったん切ります!)
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H.W.さんへ (江里)
2024-03-10 23:25:04
H.W.さん、続きです。
そして、お知り合いのお姉さんのお話も衝撃です。
英国で50年も仕事をされ、日本で社会保険料を払い続けてたって...!
最初は引退後、帰国されるおつもりだったのでしょうね。(そのこと自体も驚きですが)もうとっくに英国で年金をもらうお年なはずです。永住帰国されるとしたら、お元気なうちに、もう、今ですよね。気が変わって、余生はこちらですごされるおつもりなんでしょうね。日本で払ったお金、高くついているはず。
母語で医療を受けるって、50年もこちらで通訳の仕事をされた方には言葉の壁があるとは思えないのですが、「日本に基盤がある(いつでも帰れる)」という安心料のようなし払いだったのでしょうか。独身というところも私とは違います。結婚して子供がいる私の生活基盤は完全にこちらです。H.W.さんも同じでは?

その方、もしかして、深刻な歯科治療を数回、日本の健康保険で受けられたなら、案外モトを取ってたりして...?あとはがん検診など精密検査を1年に1回以上うけててもお得かもしれませんね。異常があれば、日本で治療してくればいいんだし。

英国でも歯科治療は悩みのタネです。少し前まではNHS扱いの無料診療が一般的だったのですが、NHS指定歯科医を抜ける診療所が続出!幸い、私は歯は丈夫です。夫は耳鼻咽喉系の問題があり、歯も関連があります。やれやれ。何とかNHS医療を保持できていますが、急な対応は難しそうです。
歯科保健というより、年額500ポンドぐらい~?の「歯の健康クラブ」みたいな制度をやっているプライベートの診療所が多くあります。年に2~3回検診とクリーニングをやってくれて問題があったら、たしか割引料金か場合によっては無料で施術が受けられるはずです。虫歯多発で歯周病など抱えている人にはお得かもしれません。
うちの夫は、やはり「医療で金儲けは許さん」といきまく社会主義者ですので、歯科医療のプライベート治療をたとえ、大金持ちだったとしても受ける気はないようです。そういうの、オーストリアにもあるでしょうね。

話変わりますが...欧米で現地の人と結婚した日本人女性の夫(欧米人)が引退後は妻の故郷、日本ですごすんだ!って固執してること、ありませんか。たまに妻と帰国して歓迎ぶりや町の清潔さ安全さからベタぼれ...日本を夢の国と誤解している白人男性、何人か見ましたよ。日本人妻とすれば「高齢の親のそばにいっしょに住んでくれるならありがたい」ってところでしょうが、親亡きあと日本に基盤がほとんどないことに気つかされるのもありそうです(想像)
返信する
犬と暮らせば (浅井洋)
2024-03-15 19:58:29
今 田舎の親の面倒を 見ない と
 アッチ コッチで 聞きます
  見ようにも そんな 田舎に イケナイ
   都会の 自分の家に 同居する 部屋はない
町中の 老人ホームは 高価すぎて 入れない
 田舎に 居れば 隣近所が みな同じ
  なので 声かけ合って 
   生存の 確認してる って 聞きます
返信する
オーストリアの健康保険制度 (H.W.)
2024-03-18 06:35:09
知人のお姉様は間違いなく、いずれ日本に帰られるつもりなのだと思います。(よその家の事をあれこれお話しするのも何なのですが)知人は3姉妹の一番下、唯一の既婚者で、そのロンドンに住む方と、日本のご実家に一人暮らす長姉の方も独身なのだそうです。ロンドンに住まいもあるし、今は健康面にも不安はないしという事なのでしょう。ただ思うのですが、日本の都市部(彼女達の実家も横浜近郊です)では、病院にせよ町医者にせよ歯科眼科等専門医にせよ診療施設は多いし、待たされる覚悟さえあれば、いつでも診てもらえるという気軽さ/便利さはあるのではないでしょうか。保険証さえあれば患者がいつでも医療機関を自由に選ぶことができる - ”フリーアクセス”と言うそうで、その良し悪しは確かにあるようなのですが、それを持たない制度下で暮らしている身には、これは日本の医療保険制度の大きな長所のひとつだろうと思えます。

各国の社会保障制度の違いについては元々多少の興味があったのですが、考えてみたら自国(オーストリア)の健康保険制度についてすらロクに知っているわけでもなかったので、この機に少ーし調べてみました。すると... 先のコメントで既に私は嘘をついていました!
オーストリアでは全ての“就労者”にとって法定医療保険への加入は“義務”だそうです。プライベート保険は、その上で、(健康保険制度非加入の医師など)医師を自由に選んだり、入院時の特約(?)等のために契約するもの、ということのようです。
保険料(所得の7,65%で 本人3,87% 雇用主3,78%負担)も払うし自己負担分もあるわけですが、自己負担率はさほど高いわけでもなく、特に病院での検査や手術を含めた治療、施設での理学療法やリハビリなど、比較的お金がかかっていそうなところの自己負担はほぼゼロで、むしろ家庭医(一般医 こちらはホームドクター制です)での診察や薬(処方箋)などでちょこちょことお金を取られている感じがします。

医療保険の財源を税に求める「税方式」を採用しているのは、イギリスの他、スウェーデンなど北欧諸国、イタリア、オーストラリア、カナダ(コモンウェルス?)などで、日本のような「社会保険方式」を採っているのがドイツ、フランスやオランダ。オーストリアも後者になります。「税方式」「社会保険方式」と一括りにしても、個々にはかなり違いがあるようですし、利点や問題点も其々なようです。
返信する
非常に長くなりますが続きです (H.W.)
2024-03-18 06:37:28
「歯」はちょっと手の込んだ治療を受けるとなると、とんでもなく高くつきます。唯一、18歳未満の歯科矯正だけは9年前から保険適用されるようになったのですが… 何故そこだけ?という気はとてもします。
ベルリンの壁の崩壊後、少なからぬオーストリア人が近隣の旧東欧圏、ハンガリーやチェコ、スロバキアの歯医者へ、クラウンやブリッジ、インプラント治療を受けに行くようになりました。待たされることもないし、保険なしで全額負担しても、そちらの方が安いからです。それらの国の国境近くの町の歯医者さんには、ほぼ必ずドイツ語と自国語の看板が掲げられています。簡易な宿泊施設を備えている歯医者さんもあります。
私が住むUpper austria州の州都Linzからチェコの国境までは車で1時間ほど。家からも2時間かからないので、周囲にもチェコで歯を治したという人がちらほらといます。コロナ禍以降あまり聞かなくなった気もするので、最近は下火になったのかも知れません。

「日本を夢の国と誤解している白人男性」 う〜ん、私の周囲にはあまり…。
オーストリア人と結婚してこちらに住む知り合いの日本人女性達に、私よりも年長の人が多いこともあるかも知れません。あ、結婚前に(仕事の関係などで)既に日本で暮らした経験のある男性が多いからかも。うちの旦那は日本での生活経験はありませんが、夏はサウナのように暑いし、地震、台風、天災は多いし、都会は騒々しいし(田舎の人なので)… 日本で暮らす気など全くないはずです。魚や日本の食べ物は大好きなのですけど。
うちは旦那が私よりもひと回り年長なのですが、私自身も日本に帰る気はありません。そもそも既に日本国籍を手放していますし、江里さんがおっしゃるように、基盤がない、もう帰る「場所」はない、と思うのです。日本にいる近親者は本当によくしてくれるし、もし私が「日本に帰って来たい」と言えば、きっと手を尽くして協力してくれるだろうとは思いますが。
周囲のタイ人女性とオーストリア人男性夫婦の場合は、リタイヤ後はオーストリアとタイと往き来しながら半々で、というケースが少なくないようです。理由はやはり、タイでの生活の安さだろうと思います。
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