イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

怒涛の出版から1年余、ついに入手、ハリー王子の暴露本!ハリーが受け取る印税はナシ

2024年04月26日 05時23分41秒 | 英国の、生活のひとコマ

私が週2回、ボランティアでお手伝いをしているチャリティショップ、オックスファム Oxfam のマネージャーが、「これ探してるって言ってたよね?」と手渡してくれたのが、これ!

去年の1月10日に発売され、たいへんな話題になった...というか、発売解禁までの前評判(特に悪評)がすさまじかった...ハリー王子の暴露自叙伝スペア SPARE 」が、とうとう寄付されました。買いましたとも!

国王チャールズⅢ世と故ダイアナ妃の次男、サセックス公ハリー Prince Harry, Duke of Sussex が、王室に生まれ、兄、ウィリアム皇太子の「予備 spare」として遇され、充たされない少年時代を経て成人していく悲しい半生自伝だということです。内容は発売前からかなりの部分がリークされ、知れ渡っていました。

その時(発売1週間後ですが)の記事のリンクです☟。ぜひ読んでください。

内容はもう知れ渡っているハリー王子の暴露自叙伝、発売されて1週間(私は未読)

その後、あまり話題にはなっていなかったような...?

「とうとう寄付された」なんて白々しいことを書きましたが、実は3か月ほど前、店番をしていたら女性客が「これください」とレジに持ってきたのがこの「スペア」。えー、私さがしてたのに、ボランティア先の店にあったの?!

お客さんに「私これ、読みたかったの、遅かったか~」と言ってしまったら気さくなその人は「じゃあ、これ読みおわったらまたすぐに持ってきて寄付するね」と言ってくれました。(この店ではボランティアとお客さんとのなれなれしいやり取りは日常茶飯事です)

ああ、あのお客さんが読み終わってまた寄付してくれたのね。ずいぶん時間がかかったのはいろんな人に貸しまわっていたからでしょう。

ー般の人からの寄付品を売って慈善事業の基金にするチャリテ―ショップで、セカンドハンド本の7ポンド99ペンス (1、556円)はかなりの高額です。

値付けのもとになったのは、書店での販売価格28ポンド( 5,453円、誰が買うんだと言いたくなるボッタクリ価格)。ただし、リンクを貼った上の記事にも書きましたがなぜか発売当日から現在に至るまで、一般書店で「半額」の14ポンドで販売され続けています。(なぜ?)それを思えば7ポンド99ペンスは明らかに高い。

 

...もちろん私はオックスファム価格の7ポンド99ペンスで買いました。寄付ですから。それにお金は1ペニーもハリーの懐には入りません!いい気味です。売り上げは、全額、慈善団体オックスファムに。アフリカの子供が教育を受ける援助や貧しい国の少年少女を児童労働や強制結婚から救う手助けになるはずです!!

余談ですが、蚤の市や骨董/ガラクタ屋などと違って、ー般の人からの善意の寄付品を売って慈善事業の基金にしているチャリティショップで値切るのは感心できません。

「(セカンドハンドにしては)高いな」と思える価格でも、少し余分に払った金額は寄付と思ってほしいです。1ペニーでも多く利益を上げて自分たちより困っている人たちや公益性のある事業を支援するための寄付と思うべきです。私たちは無給で奉仕しているのです。余分に払った金額が誰かの私腹を肥やしているわけではないことを理解して「お買い得品ハント」も社会的意義のある楽しいイベントとして認識してもらいたいです!(良いものを安く買い、不用品の再利用、売り上げは公益性の高い慈善事業に)

「スペア」を購入後...あらら...見覚えのあるお客さんが衣類やらガラス製品やら段ボールに詰めた書籍類やらの不用品を裏口から持ち込んで、寄付してくれました。ついでにわざわざ店先にまわり、店番をしていた私のところに来て「お待たせ、ハリーの本、寄付したわよ、箱の中に入ってるから。楽しんで読んでね」と声をかけてくれました。

「えー、この本、あなたが寄付してくれたんじゃないんですか?」と購入してカウンターの下に保管しておいた私の蔵書「スペア」を出して見せました...違う人の寄付品だったようです。それにしても私が購入した同じ日に持ってきてくれるなんてなんという偶然。

 

発売1年目のハリーの本が店内に2冊。(手前が私の蔵書です)

 

マネージャーいわく、実は件の女性が買った以前にも、発売3週間後に最初の寄付があったし、私が日本に滞在していた最近の3週間の間にも2冊寄付され、棚に出した数時間後、すぐに売れたそうです。

発売から1年、購入者の本棚でほこりをかぶっていた「スペア」がチャリティショップで善意の基金として日の目を見る第2のブームが始まったのかもしれません(私の独断)

「スペア」が寄付されるたびに、読書好きのマネージャーは「評判のこれ、読んでみようか」と数ページめくってみるそうですが「ダメだ、下らん」と閉じてしまうのだそうです。文学青年だったプライドが許さないのでしょう。

 

持ち帰って、数ページ読んでみましたよ。

(閉じてしまうページを、リヴィーのお腹の肉の下に敷いておさえています)

 

「うまい!」

母、ダイアナ妃への思慕が読者の感傷にキュンとくるとても巧妙なオープニングです。文学通のマネージャーがイヤな顔をする理由がよくわかりました。一般受けを狙って成功した巧妙さ。ミーハーな私は大好きです。

アメリカでの贅沢な生活を維持するための資金作りのための出版だという評判ですし、肉親(王室メンバー!)をこき下ろして自分サイドの、同情をひくエピソード満載だとも言われていますが...ハリーはたったの12歳で最愛の母をひどくいたましい事故で亡くしたのです。母ダイアナ妃への思慕を持ち出されたらハリーへの批判もたちどころに萎える、というものです。

 

もちろんプロのノンフィクションライターが執筆したゴーストライター本ですが、執筆者のクレジットがどこにも見当たりません。

ベッドタイムに少しずつ読むのが楽しみです。407ページ、先は長そうです。

 

 

 

コメント (5)
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