イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

夫の手料理、ビーガン食、食材調達はマンチェスターの老舗ビーガン御用達のオーガニックスーパー

2018年08月25日 09時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物

ベジタリアンの夫が作った、カネローニ canelloni です。


カネローニは筒状のパスタに牛ひき肉か、リコッタ・チーズ ricotta cheese とほうれん草を詰めてベシュメル・ソース(ホワイトソース)とトマトソースをかけてオーブンで焼く、イタリア料理です。

今回、リコッタ・チーズの代わりに使ったのが、トーフー(豆腐 tofu)!

ボロボロしたリコッタ・チーズに見えますが、豆腐です!


(ピンボケ写真ではありません!湯気でレンズがくもったのです)

ビーガン vegan 料理です。ビーガン・レシピをみて作ったそうです。

ビーガン料理なのでベシュメルソースは省き、トマトソースのみ。

ハーブやスパイスが効いていて、自家製パン粉もこんがりしていて、こってりコクのある風味!…といいたいところですが、しっかりと豆腐の味がしました。

ありがたく、おいしく食べましたが「もう一回作ってあげる」といわれたら、「せっかくだけど、手間もかかることだし、もう結構です。」といいたいところの…やはり「代用食」でした。

ベジタリアンが肉を食べない「菜食主義者」のことであるのは日本でも最近は知られていることでしょう。
ベジタリアンは、乳製品と卵は食べます。

ビーガンは乳製品も卵も食べない人たちです。日本語では「完全菜食主義者」と訳されることがあるそうですが、存在自体があまり知られていないと思います。(ちなみに皮製品も身につけません)

驚いたことに、ビーガン協会の発表によれば連合王国の全人口の7%がビーガンなのだそうです。そんなにいるなんてちょっと信じられません。


今回トーフーを買ったのが…。


マンチェスターのシティセンターの北、チョートン・コム・ハーディ Chorlton Cum Hardy という町にある、ユーニ―コーン Unicorn という、オーガニック、ビーガン食品スーパー、コープ Co-op の直営です。


1996年創業の知る人ぞ知る、ベジタリアン、ビーガン御用達の老舗、ベジタリアン、ビーガン以外の人たちも安全で環境にもやさしい食材を求めて買い物に来る、地域の名物店です。

連れてきてくれたのは、私の25年来の友達で、60代の女性です。

1970年代からの生粋の第一世代ベジタリアンです。
といってもうちの夫と同じで、魚は食べるので、厳密には「ペスカトリアン」と分類される人たちの一人です。

これが、有名なユニコーンの豆腐売り場です!


もーのーすーごーい種類の「豆腐製品」がずらああああっと並んでいますが、厚揚げやがんもどきなどはありません。
スモーク味、パプリカ味、チリ味、トーフケーキ、海草入り等等々、ありとあらゆる、自然派志向の人が好みそうなバリエーションの豆腐があります。

「クラシック」豆腐を買ったのでお味噌汁に入れようか冷ややっこにしようか思案したのですが、ビーガン料理の古典的調理法、「水気を切って砕いて、リコッタチーズの代用に使う」と夫が決めました。

めんどくさそうなので、私は調理には一切関与しませんでした。

よくマンチェスターで働くキャリアウーマンタイプの女性が持っているのを見かける、ユーニコーンオリジナルのジュート製のトートバッグ。


野菜の名前が書かれた野菜色のバッグがオーガニック野菜売り場のディスプレイに使われていました。


小さい正方形のサイズのをお弁当入れに使う人が多いようです。







豆類、穀類売り場が壮観でした。


動物性たんぱく質を一切摂らないビーガンはありとあらゆる豆類を上手に使って植物性タンパク質補給をします。

前にもベジタリアンについて少し書きましたが、補足です。

私の夫は40歳近くなってから徐々にベジタリアン(正確にはペスカトリアン)になったのですが、ユニコーンに連れてきてくれた私の友達は少女時代から自分の意志でベジタリアン(正確にはペスカトリアン)宣言をしてなったのだそうです。

当時のイギリスのベジタリアンはヒッピー運動、インド思想などの影響を受けた人も多かったのですが、私の友達を含む多くの若い人は、ウシやブタ、ニワトリの飼育の仕方、効率主義にかわって行くイギリスの農業のあり方に抗議して畜肉を食べることを拒否し始めたのだそうです。

当時の畜産業は動物を狭い暗い畜舎や檻に押し込めて効率的に集約的に飼い始めていたようです。

そういうわけで、魚を食べることには抵抗はない、という一見矛盾する主義主張だったのです。
「魚にも魂はあるでしょう、魚だって殺されるときに痛い思いをするでしょう?動物はかわいそうだから食べないのに、魚はいいのか?」と問答を吹っ掛けられることが数え切れないほどあったといいます。

答えは「魚は食べてもいい。なぜかというと、魚は人間の食生活に都合がいいように非道な生活を強いられていないから」だったそうです。

今ではイギリスでは集約的な畜産業は法律で禁止されています。

私と夫がユニコーンで買った製品公開。


イーストを使わないで焼き上げたもっちりした昔ながらのパンほか、一般のスーパーからは姿を消した、カメレオンのイラストがかわいいパッケージのカモマイル・ティー、レンズマメのスナック菓子、固形シャンプー(髪の毛がサラサラになる秀逸品!)、激安の規格外サイズの手づくり石鹸の袋づめ、パンのとなりにあるのが、トーフー。魚肉ソーセージのようなのがマッシュルームのパテ(強烈なマッシュルームの味)。

お値段は圧倒的に高めです。
日用にビーガン食、オーガニック食を買い続けるのはかなり家計に負担になるはずです!

ベジタリアン料理も肉料理も食べる私には、ビーガン料理の味にはやっぱり「代用食」の物足りなさが否定できません。

体にいいはずですし、動物の命を奪う人間のエゴに思い当たると突然「ビーガンになってもいいかもしれない!」という衝動が付き上げてくるのですが、落ち着いて考えてみると無理!です。

味の不満もさることながら、栄養の偏りを補う献立の煩雑さと食材の調達を考えると二の足を踏みます。

以前のベジタリアンカフェと、イギリスのベジタリアンに関して(あるいは夫の食生活について)書いて記事のリンクです。☟

イギリスの食生活の一面...ヴェジタリアンとヴィーガン御用達の学生街のおしゃれなカフェ

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2 コメント

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トーフー (kakowaka)
2018-08-25 21:16:30
ご主人の手料理、見た目にはおいしそうですが・・・。
そもそも、豆腐はこうゆう濃い味付けのものに合いにくいのかもしれませんねえ。

しかし、豆腐が箱に入って売られている!?
水に入っていないんですか?
賞味期限が長いんですか?
絹ごしとか木綿のような食感なんですか?

豆腐が体にいいからって、湯豆腐を食べるイギリス人はいないんでしょうねえ。
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豆腐の箱 (江里)
2018-08-26 02:45:40
そうだ、日本では豆腐は水の入ったプラスチックの容器に入って売られているんでした!忘れてた。kakowakaさんのような疑問を持った人もいるかもしれません。本文に書き足します。レトルト密封パックに少量の水と入っています。あけない限り日持ちはしそう。でも缶詰めみたいにはもたなそうです。冷蔵庫で売られていたし。箱捨てちゃった!
そのまま食べてないから食感はわかりません。
スーパーで売っている、四角い牛乳パック(中がフォイルばりの紙箱)のような箱に入った豆腐は冷蔵しないでも6か月ぐらいもちます。水無し。箱を切ってツルンと出すと、やわらかい絹ごしです。
イギリスではそのまま食べたりしないようです。
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