保護ネコセンターでボランティアをすることに決めました。
場所は、4年まえ、ロックダウンのさなかにわが家の2匹の母子ネコ、リヴィーとティブをもらい受けた地元の慈善団体です。
この施設を運営している女性に連絡すると、保護施設に来るように言われました。私たちのことや、斡旋したうちの2匹のネコのこともおぼえていてくれました!
住宅街をクルマで15分、家並みが途切れたあたりからジャーン!というかんじで田舎風景が突然始まります。
懐かしい「ネコ保護施設」は4年前と変わらず、牧場に囲まれた舗装されていない細いー本道にありました。となりは、かなり繁盛しているらしいケネル&キャトラリー(イヌ、ネコのホテル)です。イヌの吠え声が聞こえます。
前回、この場所に行った時の記事です☟リヴィーと子ネコ時代のティブを最初に見つけた時の写真が載っています!!
バタバタと決まった、うちに母と息子のネコが来る顛末....かわいい子ネコと人相の悪いネコの写真多数
今回も出入り自由のネコのお出迎えがありました。
マカレル・タビー(サバ柄)の馴れ馴れしいネコが迎えてくれました。
タイガ(愛称ティッグ)と言う保護ネコ居住区に居場所を提供され、柵で囲われた広い敷地内にとどまっているべきなのに、なんと高い柵を超えて自由に出入りしている野性的な「飼いネコ候補」なのです。
この前庭部分には、お気楽身分の「フェラル feral(野生)」分類のネコが数匹、仮住まいしています。
「フェラル」たちは、その多くが飼いネコとして斡旋する「保護ネコ」とは違い小屋とエサを与えられてはいるものの、出入り自由、野生度が高すぎ、懐かないのみならず狂暴すぎて人間との共生に適さないと判断されたネコたちです。
それでも、1匹ずつ名前を付けられていますし運営女性は頭数も把握しています。すべて、去勢、避妊手術済み。
二重扉の内側が「保護ネコ」エリアです。
「保護ネコ」には屋内に専用の居住エリアを持つ「飼いネコ候補」と、事情があって飼い主を見つけるのが難しいと判断され、主に広い敷地内に小屋を与えられた「ー生保護ネコ」の、2種類あるようです。
英国の雑種ネコはなぜか黒白が多いようです。
4年前に子ネコの時から17歳で死ぬまでうちにいたホレイシオをほうふつとさせる「タキシード・キャット」も何匹か目にしました。
うちのリヴィーも黒白です。
ところで私は現在、チャリティーショップ、オックスファム Oxfam で週2回、店番のボランティアをしています。
地元の常連が多いお客さんの相手は楽しいですし、寄付品を売った売り上げが途上国の恵まれない人たちの援助に役立っていることに張り合いがあります。...しかし...直接、手助けしている実感が欲しくなってきました!
私たちの団体の援助で学校に行けるようになったアフリカの子供たちやバングラデシュの緑地化した荒れ地を見るわけではありませんし。
ホームレスの炊き出しなんかどうかな、とも思ったのですが。実際、何か資格をとって自立支援をしている友人もいます。手助けの実感があってやりがいがあるそうですが、同じ国内で不遇な人の重い事情にかかわるのも気が重いです...と言うわけで思いついたのがネコ!
うちのネコより明らかに不遇なネコが幸せになる手助けを直接ネコを目にしながらできたらやりがいもひとしおでしょう。
エサやりやトイレの始末は管理の女性とベテランの数人のボランティアが請け負っているようですが、とりあえずネコを膝にのせて話しかける役割をおおせつかりました!楽しみ!
どこを見ても、敷地内全域がゴミ屋敷状態です。
かたづけと、庭仕事(敷石のパティオ部分の草取りと枯れた植木の始末)も申し出たら喜んでくれました。
そして悲しい話を聞きました。
ここ数ヶ月、ネコの貰い手が皆無だそうです。それどころか飼えなくなったネコを引き取ってほしいという問い合わせが多数あるのだとか。私がいた1時間ちょっとの間にも2本も引き取り願いの電話がありました。
引き取る余裕はー切ないそうです!しかも、2件とも30㎞前後離れた遠隔地...。、地元優先の方針だそうです。飼い主募集中の売り込みネコが現在13匹。
断って他を当たってくれるよう言うしかありません。
ロックダウン中にイヌやネコを飼い始めた人がとても多かったのはよく知られた話です。このセンターでも多くのネコたちが飼い主を見つけたそうです。
急に飼えなくなった人が急増したー番の理由は「昨今の獣医の診察代の高騰」だそうです。
え、獣医さんの診察代が高いのは昔からでは...?と思ったのですが、よく聞いてみると近頃、個人経営の診療所が軒並み廃業し、大手獣医チェーンの寡占状態がはじまっているのだとか?!初耳です!
たしかに以前からペットにかかる費用を軽視して簡単に飼い始めて後悔する人はたくさんいたはずですが、このところ、かつてないほどその傾向が強いそうなのです。
うちのネコ2匹は、今のところ健康ですし何も不調がないのに定期検診を受けさせるのは「もったいない」と思っているケチなものですから気にかけたことがありませんでした。…よく考えたら大ごとです。
それと、動物愛護に関して先進国を自認している英国でなんともナサケナイ話なのですが、飼いネコの避妊/去勢処置を感情的に否定する人がー定数いるらしいのです。飼えない子ネコを増やしてどうする!?引き取り手を責任もって探せるのなら問題ないのですが。ネコ保護関係の人たちの憤怒の的です。
リヴィーとティブがいた、「母子寮」だった小屋です。
現在、子ネコはいないのですが、顔半分がつぶれて大手術を受けた片目の茶トラネコが1区画を使って療養中でした。手術代が1,200ポンド(23 万円)..!よく生きていたものだと感心します。手術代は寄付を集めたそうです。チャリティ・ショップなどの経営をしているわけではないこの団体の運営状況をそういえば知りません。...敷地内をきれいにして「ネコカフェ」でもやればもうかりそうなのですが...
資金とボランティアが確保できれば、もう20匹ぐらいなんとかなりそうです。
敷地の奥にあるネコの共同墓地です☟
敷地の周りのヒツジたち