イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

規則違反のそれぞれの事情、首相も規則違反疑惑?ロックダウンの不条理で居心地の悪い行動規制(写真はネコ)

2021年01月13日 08時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
写真は、本文とは無関係の(例によって)うちのネコです。



イギリスの昨日の新感染者数は45,533人、その前日(月曜日)は46,169人です。

あら、減っている!9日が59,937人でした。
それに関する説明はありませんでした。



あいかわらず、テレビのニュースや政府の公報では、「ロックダウンの決まりを守らないフトドキ者」に関する話題でもちきりです。
昨日、警察は「これ以後、取り締まりをもっと強化する。明らかに規則に違反している者は見つかり次第罰金刑に処する」と公式に発表しました。




行動規制をより厳しくする予定は昨日の時点ではなかったようです。



とつぜん、前回の記事のつけたしです。
前回の記事のリンクを貼りましたので、ぜひ読んでください↓↓☟

初めての外出(たったの20分間)決まりを守らない人がどうやら多いらしい、緊張感のない3度目のロックダウン

前回、3月の全国一斉ロックダウンの時は;

●サッカーやラグビーなどのプロのスポーツチームも活動禁止、オリンピック選手も合宿や合同練習が禁止
プレイヤーや選手は自宅で自主トレーニングをしていました。
がんばっている様子が時々テレビで放映されました。

→今回、アマチュアチームのプレイは禁止ですが、プロの試合は無観客(テレビ中継のみ)で続いています。
オリンピック選手も、行動を共にする同じ人たちと作る「ソーシャル・バブル social bubble」というグループ単位で合同練習をしているようです。
ちなみに「東京でオリンピックを今年開催する」と発表された時、出場予定選手にワクチンを特例措置で優先的に接種させる案が出たのに高齢者や医療関係者など優先の決まりに割り込む理由は全くないということで選手団は即刻否定したそうです。


●教会やモスクなどでの礼拝のための集まりも禁止

→今回はソーシャルディスタンシングやマスク着用を徹底すれば集まりが許されています。
自主的に閉鎖してオンライン集会などに切り替える組織が多いらしいのですが。


●生活必需品(食品、医薬品など)を売る店以外すべての店と同様、ガーデン・センター(規模の大きな園芸店)も当然営業禁止

→今回は開いているそうです!!
売り場の大半が屋外で、スペースが広くとられているため危険が少ないという(何とも納得できない)理由です。




日曜日に、ボリス・ジョンソン首相が首相官邸から7マイル離れたオリンピック記念公園をサイクリングしていたのがビデオ撮影され、話題になっています。
首相は声をかけられ手を振ってこたえています。

もちろん、先週ピークディストリクトの景勝地で紅茶を手にもって歩いていた2人の女性(別所帯に住んでいる友人どうし)が警官にとめられそれぞれ200ポンドの罰金刑を課せられた「大ニュース」を受けての話題です。

その女性2人はその場所からから5マイル離れたところに住んでいます。
別所帯の1人だけといっしょに「地元」での運動のための外出が許されているのです。

「問題ないじゃないか」と言う人と「車でわざわざ風光明媚な場所に行って運動する理由があるのか(ない)」という、合法か、違法かという実にバカバカしい論争が繰り広げられていたのです。
今回のロックダウンの規則に、「地元(ローカル・エリア local area)」に自宅から何マイル、郵便コード内などの定義がないのが大問題なのです。
(医療危機を伴う最大危険指定のエリアとその周りの地域の境界をまたいだ移動は明確に禁止されています)

けっきょく警察は罰金刑を取りやめました。

もし、5マイル離れた景勝地まで車で運動(散歩)に行くのが違法なら当然、首相の7マイル離れた公園へ行くサイクリングも違法になるはずです!

そして重要なことは女性二人が紅茶を手に持っていたことなのだそうです。
運動するのに紅茶は不要です。
友人と紅茶を飲めば禁止されている「お茶会=社交=ソーシャル・ギャザリング social gathering 」になってしまうのです。

まあ、その2人は法律で許されている「別所帯の人1人と運動」を理由にお友達とステキな場所にお出かけしたかったんでしょうね。
私の意見は、「かなり違法といってもいい」ですが人と論争するほど強く主張したいわけではありません。
実際その女性2人といけ好かない首相には同情しています。

昨日、警察の偉い人はテレビのインタビューに「常識で考えれば女性2人も首相も人の多い場所に行ったわけではないので問題はない」と答えていました。
どうやら自宅からどれだけ離れているかはあまり問題ではないようです。

規則には「ローカル・エリア」と明記されているはずですが。



「町の中の公園は人でいっぱいなので、人がいない田舎のほうに行く方が安全で望ましい」とも明言していました。

それを受けて、感染者数の少ない美しい田舎に都会からドッと人が押し寄せたらどうするのか?

......たとえ屋外でもコーヒーや紅茶をいっしょに住んでいない人と一緒に飲んじゃダメなのか....?
じゃあなぜ、カフェがテイカウェイ(持ち帰り営業)で飲み物を売るのを許すのか?

公園のベンチでの飲み食いも、規則には明記されていないのですが「健康維持のために政府が奨励する運動のための外出」の精神に反するのでダメなのだそうです。........1人でも!
ついでに言えばベンチは運動や散歩につかれた時に腰掛けられるように使用禁止にはしていないらしく、公園のベンチに座るために外に出て来られては困るんだそうです。


じゃあもうテイカウェイ営業は、禁止にしたら? 人と会うのも禁止にしたら? 公園も封鎖したら? いっそのこと運動のための外出も禁止にしたら?
感染拡大をとめるためにそんなに人との交流をとめたいのならガーデンセンターも教会も本当に生活必需品以外のものを売る店も閉鎖したらどうだ?!

出る理由がたっぷり用意されているのだから外に出るなと言ったって、徹底できるわけがありません。


かなりの人が出勤している建設業、製造業などエッセンシャル・ワークではない「職場」も閉鎖した方がいいかもしれません。
人が集まって、休み時間にはいっしょに紅茶を飲んだりしてるんでしょうから!


.........とヤケ気味に思うロックダウンの不条理!
前回に続いて繰り返しますが、取り締まるのは難しいはずです。

バスをハイヤーしてイングランドからウェールズへのハイキング旅行企画、300人レイブ、モグリ酒場などが昨日摘発されニュースになりました。
主催者のみならず客も罰金刑が課せられたのには溜飲が下がりました。




クリスマスツリーを片付けてリビングルームがスッキリしました。
ソファー等の配置を少し変えてみました。




コメント (4)
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