イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

パンデミック以来、初めて乗ったバス!日常生活が戻ってきている感覚が危険!感染対策はどうした、イギリス?!?

2020年08月29日 08時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
バスに乗りました。


コロナウィルスの感染拡大阻止のための国をあげてのロックダウン開始いらい、5カ月ぶりぐらいでしょうか。

乗降車口の横、眼前に大きな前面窓が広がる一番前の「絶景席」は使用禁止になっていました。


一階席の前の部分は車いす用のスペースがとってあり、広々としています。




(水色の仕切り板の内側は二階に上がる狭い急な階段です)

平日の午後、よく空いているバスの乗客は無料パスを持った年金受給者が大半でした。

私と息子は行きは近くに用事があった夫がのったタクシーに便乗し、ストックポートで買い物をした後、バスで帰宅することになったのです。

できるだけ公共交通機関を利用している私たちですが、ロックダウン開始以来、距離のある外出はもっぱら車を利用しています。
....と言っても、週1回のスーパーマーケットへの買い物と夫の通院4回(いずれも、もともと車が不可欠な外出)以外どこにも行っていませんが。


息子と並んで狭い座席に座ったら、後ろの席の年配のカップルのマスクでくぐもった話し声がすぐちかくで聞こえてきました。
感染をおそれてちょっと前までビクビク家から出ようとしなかった息子を気遣って、ひとつ前の席に移ることに。

席数に余裕のある平日の午後の買い物帰りのバスでは暗黙の裡に一列おきの着席が慣例化されているようでした。

ロックダウン開始直後には不規則になっていたバスの運行が、5月に通勤が再開されて以来 定期化されたようです。
それでも、タウンセンターから私の家のそばを通る路線は通常は30分に1本の運行数なのですが現在は1時間に1本になっています!




お年寄りや小さな子供連れ、短い距離しか乗らない乗客は2階には上がらないので通勤時間外には小さめの一階だてバスしか走らせていなかった路線も、運行数を減らされた今ではいつも2階建てバスが行き来しています。
一階だてバスしか走っていなかった、区間が短かい、あるいは利用者が少ない路線も、ほとんど二階建てバスの運行に切り替わっているようです。

客席数やスペースが倍以上の二階建てバスだと、ソーシャル・ディスタンシングが取りやすいからでしょう。



二階建てバスを外から撮った写真は、別の日にバスの運行量が多い国道A6で撮りました。


ロックダウン解除の第一段階、自宅勤務が不可能な「エッセンシャル・ワーカー」以外の人たちが出勤を始めた5月の半ばから、公共交通機関でのマスク着用が義務付けられています。

私たちを含めた一階の乗客10人はもちろん全員マスクをしていました。

でも運転手はマスクをしていませんでした。

写真を撮った国道A6を行き来するバスはじめ、外出中に外から見かけるバスの運転手はだーれもマスクをしていません!
運転席はアクリルの透明板で遮蔽されているので安全、という判断なのかもしれません。

7月24日から屋内でのマスク着用が法的に義務付けられ、マスクをして店に入る習慣がようやく根付いてきたこの頃、どうやら特に屋内で仕事をしている人たちにマスク着用のゆるみが目立ってきています。

私の行動範囲では、屋外でマスクをする習慣のある人はあいかわらず皆無です。
店の外に出たら外すのが当たり前。

イギリス人にはマスクをするのが本当に苦痛で煩わしいらしいだけではなく、気が引ける行為のようなのです。
買い物をする間(数分から、スーパーマーケットだと30分前後)だけなら かろうじて決まりを守って着用していられるようです。
「感染拡大を阻止するために必要だ」という自覚は充分広まっているのですから。

それなのに、屋内で働く店員などのなかには、何時間も働くあいだマスクをし続けるのは「絶対無理!」と勝手にやめちゃっている人もけっこういるみたいです。

二階建てバスの外からの写真を撮った日に行ったスーパーマーケット、セインズベリーで棚の補充や梱包材を片付ける仕事をしていた10人ほどのスタッフのうち、マスクをしていたのは2人だけでした。

会計カウンターなどアクリル板で遮蔽されたポジションで勤務している場合はマスクの着用義務はないらしいのですが(スタッフの一人がそう言っていました)コンビニなど手があけば持ち場を離れて商品の補充や客の案内のためカウンターを離れる際もマスクなしのままなのが普通です。

苦情を言う客もいない...?んでしょうね。
イギリスには「コロナ警察」や「自粛警察」といった現象は見られないようです。

店の中のものに手を触れないのは 気をつければけっこう簡単に実行できます。
でもバスの中で手すりや座席やひじ掛けなどにさわらずに、揺れる車内の狭い座席に手を膝の上に固定してじっと座っているのは「絶対無理!」だということがわかりました。

換気の行き届いた、空間に余裕のあるバスの車内で他の乗客も全員マスクをしているにもかかわらず、パンデミック発生後初めてバスに乗った私たちはちょっと不安になりました。

バスを降りた後、携帯用のハンド・サニタイザー(消毒用ジェル)を息子と2人で手によく擦り込み、これで安心と思っていたら.....

.......その後、横断歩道を渡る際、押しボタン式信号のボタンを押してしまいました!

も~ううんざり。
ハンドサニタイザーをバッグから出す気も起らず、汚染された可能性がある人差し指の先を気にしながら自宅まで徒歩10分、帰宅してから石鹸で手をよく洗いました。

私は今でもマスクより、「不特定多数の人がさわった可能性のある場所を触らない(さわったら洗う)」、それに「ソーシャル・ディスタンシングを徹底する」ほうが感染予防にはより効果的だと思っています。

マスクはあくまでバスや電車での通勤時や職場、店でなど、人との距離が取りにくい場所で欠かせない補助的な手段だと。

しかし!ソーシャルディスタンシングは全員が実行しないと全く意味がないのです!
店や飲食店、レジャー施設まで営業している経済優先の現状ではもう「絶対無理!」

じゃあ、頼みの綱のマスクは、と言うと長く着用していられない人ぞろいのイギリスでは「けっこう無意味!」

来週から学校も再開するというし、ゴーストタウン化したオフィス街を活性化するため、政府が自宅勤務を続ける人たちに出勤を促し始めているというし、だいじょうぶなのか....?




コメント (2)
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