イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

酷暑のパリに行って帰ってきました;その1 涼しいイギリスでつづる旅の思い出  

2017年09月01日 09時00分00秒 | ヨーロッパ
先週、パリに行ってきました。


夫と、15歳の下の息子と3人で、外交官としてパリに駐在する夫の妹の官舎に6泊しました。
凱旋門のそばの、築170年ほどたつ瀟洒なアパルトマンです。


最初と最後の各一日は、移動日、滞在は実質5日でした。

パリに行く、と言ったら、まわりのイギリス人にうらやましがられました。

パリのシャルル・ドゴール空港までマンチェスター空港から、飛行機で約1時間半。
ストックポートの私の家から空港までタクシーで15分弱。

ロンドンやエジンバラに行く電車代よりも安い航空券をとることも可能です。

たしかに親せきの家に滞在できる私たちはラッキーですが、イギリスの地方都市、マンチェスターに住むたいていのイギリス人にとって、パリに行くのは決してぜいたくな大旅行ではありません。

テロ対策の持ち物検査は世界中すべての空港同様、厳しいのですが、EU市民であるイギリス人は入国審査も簡単で、国内移動と変わらない手軽さです。

にもかかわらず、「あこがれのパリ」に行ったことのある人が周りにあまり、いません。
行こうと思ったらいつでも行けると先送りしているのかもしれません。
イギリス人が休暇をとって手軽に行く海外といえば、夏 ものすごく暑くて、海辺で寝そべることができる、スペイン、ポルトガル、ギリシャのような地中海沿岸がおなじみです。

それらの国では概して言えばフランスより英語が通用しますし、物価も安いらしいのです。


パリもじゅうぶん暑かったです。
35℃ の日が一日、それ以外の日も、雨の一日を除いて、連日30℃超。



植物園 Jardin des Plantes では、酷暑の午後、「打ち水」をしていました。
子供だけではなく大人も(私も含む)水のかかる通路をわざわざ通って涼をとっていました。

水の吹出口のそばを通ればびしょぬれになりますが、離れたところでは細かいしぶきを浴びて一瞬体温がさっと引く快感です。
濡れずに通るのは不可能…


イギリスでは、屋外の飲料用の水道を見かけません。
パリには、公園や広場などにけっこうありました。

私が見たのはすべて、蛇口が下向きでコップや手で受けて飲むようになっていました。
日本でよく見かける、上下に向きがかえられる蛇口や上に噴き上げる水飲み施設があれば、直接口で受けられるのに・・・



口からじょろじょろ細く水をたらし続けるアール・ヌーボー風顔面飲料水供給設備で私は、飲み終わったミネラル・ウォーターのプラスチックのボトルを満たしました。

私のあとに来たこの親子は、買ったイチゴを一つ一つ洗っていました。



パリに行ったことがある人もない人も皆、口をそろえて、「8月のパリにはフランス人はいないよ!」と言います。
フランス人の一斉バカンス習慣は イギリス人の揶揄の的のようです。

「8月のパリにフランス人はいない」は、まったくの誇張です。
通勤ラッシュや、地元スーパーやコンビニ、バーやカフェに集う大勢のパリ在住のフランス人を目にしました。

でも、たしかにものすごくたくさんの個人商店が夏季休暇で店を臨時休業していました。
なるほど、こういうことだったのか・・・と納得。

一年の間で最大の観光シーズン、世界中から大挙して観光客がやってくる稼ぎ時のこの時期に、3週間も休業しちゃうのが欲がないというか・・・しまっていたのは、クリーニング屋、メガネ屋、寝具屋、介護用品屋等々、あまり観光客の需要のなさそうな業種がほとんどでしたが。

多くのパン屋や肉屋やチーズ屋も夏季休暇をとっていました。
う~ん、客がスーパーやコンビニに流れるのも納得です。

ちなみに、妹の住む高級住宅地の住人は朝食の焼きたてパンは、毎朝コンビニに買いに行くんだそうです。


そういえば、予想に反して、日本人をあまり見ませんでしたよ。

もちろん中国人の多いのは予想通りです。
空港の案内は フランス語、英語、中国語の3ヶ国語で表示されていました。
どうなってるの?

中国からヨーロッパに旅行するのは、時間もお金もうんとかかるし、言葉も不自由だし、日本人がヨーロッパに旅行するのと同じぐらい大変だと思うのですが。

イギリス南西部の観光地、バースのように「全観光客の半分が中国人?」というほどの率ではありませんでしたが、有名な観光スポットには、必ず、たくさんの中国人がかたまって観光していました。

ルーブル美術館で。


中国人を狙って撮ったわけでは決してありません!

妹の家から徒歩5分、ビクトル・ユーゴー広場  Place Victor Hugo で、中国人のTVクルーが、ドラマのロケをしていました!


噴水の向こうの高級店の並ぶ通りを抜けると、凱旋門のあるシャルル・ド・ゴール広場 Place Charle-de-Gaulle です。


アフリカから来た移民をとてもたくさん見かけました。
イギリスでよく見かける黒人より肌色が濃く、多くの中年以上の女性は色鮮やかな民族衣装を着ていました。
若い人も、男性もパリの街並みに溶け込んでいるとは言えない派手目の好みの極彩色ファッションだったり、同じ人種どうしかたまっていたり・・・イギリスと、移民風俗も違うらしい・・・

もちろん、大多数のエスニック・マイノリティ(非白人)は「普通の服装」で、完全にフランス社会に溶け込んでいるように見えました。
そういう人たちのことは、「移民」とは、もう言いません。

移民がお出かけ着を買うらしい(?妹談)パリ北駅 Gare de Nord そばの、ラメ入りドレス、カラフルタキシードを売る洋品店が何十も並ぶ通りで数人見かけた、焼きトウモロコシ売り。


ショッピングカートを押して歩道を売り歩いていました。
金属製のバケツに炭をおこして上に渡した網の上で茎付きのトウモロコシを焙っていました!

お客はすべてお友達みたいでした。
その場で食べながらおしゃべりしていきます。

空港から乗った、パリ市内ゆきの在来線から乗り換える予定の地下鉄が事故で止まったので、予定外に外に出て歩いた場所がこの通り(Bouleverd de Magenta)。
タキシード屋が軒を連ねる道いっぱいのパリのアフリカ人とショッピングカートのトウモロコシ売りのいる光景、パリに来て最初に見た外の通りです。忘れられません。


現在、ヨーロッパ中で肩身の狭い思いをしているらしいイスラム教徒のコミュニティーとも全く異なる「パリのアフリカ人」たち。害のない人たちのようですが、一般のフランス人に彼らの存在がどう映るのか気になるところです。

トウモロコシ、おいしそうでしたが、妹によれば、保健衛生法徹底無視営業、だとのこと・・・買っちゃだめとくぎを刺されました。
さすがに買って食べる気はしません。(ほかの場所では見かけませんでした)

カエルの脚は食べました。


シテ島の観光地レストランで。

やわらかく煮た鳥のささみみたいな食感でした。
濃いガーリックバターソースがかかっていて、肉の味そのものはよくわかりませんでした。
おいしかったのは確かですが、くどかったので、この半分の量で、パンをもう一カゴほしいぐらいでした。

細かく切って叩き潰した完熟トマトと和えるアイデアは秀逸です。肉や魚料理で真似てみるつもりです。


近所のスーパーで、フランス菓子が冷蔵庫にぎっしり並んで売られていました。格安です!




帰国の前日、家の近所の高級パテシェの「お召し上がりカウンター」でナシの砂糖漬けの薄切りとピスタチオを裏ごししたクリームの乗った緑のタルトをたべました。

おいしかったのですが、とても高かったです。

本当は、もっとお手頃な「町のケーキ屋さん」で色々食べてみたかったのですが夫の妹一家とのわいわい合流滞在で、そう勝手なこともできず、念願のフランスでケーキ!の希望がかなったのは、帰国前日。
息子と甥を先に家に帰して、夫と2人別行動をとりました。

実は撮った写真の数もいつもの旅行に比べれば少なめです。
中国人のテレビロケと焼きトウモロコシ売りの写真を撮った時は息子に怒られました!(ダメ?)

スーパーで売られているトマトの種類が多くてびっくり。




地下鉄の通路で野菜のはかり売りをしていたアラブ人のおじさんから一個だけ買ったサボテンの実。


スーパーでもコンビニでも売られています。
ジュクジュクしたゼリー状の果肉は甘くておいしいのですが、タネが多くてめちゃくちゃ厄介でした。

私が買って、夕食のサラダに添えたのですが、初めてたべた妹一家は、もういらない、と言っています。

あああ、長くなった!

今日の記事は「パリ滞在概論」のはずだったのですが・・・!

楽しかったです!

イギリスにも、日本にもないものをじっくり見てきたつもりです。





明日からテーマごとに小出しにしてお伝えします。

パリだらだら観光。


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コメント (5)
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