昨日に引き続き、イギリスで昔から大人気のビスケット/ケーキの話題です。
ジャファ・ケーキ Jaffa cakes
やはり、元祖の製造元は、マクビティーズ Mac Vitie's です。
イスラエル原産のオレンジの品種からつけた名前だそうで、ロゴがオレンジの皮文字です!
マクビティーズが1927年に開発したお菓子ですが、これもやはり登録商標ではなく、ー般名です。
すべての大手スーパー、多くの製菓会社や町のパン屋が、「ジャファ・ケーキ」を名乗る同サイズ、同レシピのお菓子を製造販売しています。
スポンジケーキ、オレンジゼリー、チョコレートからなる3層の、製造元によれば「ケーキ」だそうです。
「ケーキ」の名を冠しているにもかかわらず、巷ではケーキかビスケットか長いあいだ論争の的でした。
1991年に、裁判所で判定が下りました。
元祖製造元のマクビティーズの主張が通って、ジャファ・ケーキは「ケーキ」の認定を受けました。
チョコレートがかかっているビスケットに課税される VAT(Value Add Tax 付加価値税)の対象外となったのです。
チョコレートがかかっていても、なぜかケーキには課税されません。
VATは日本語では「消費税」と訳されているはずです。
といってもイギリスのVATは日本のー律課税の消費税とはちょっと違って、システムと対象品目、サービスが複雑に分類されていて、ややこしいのです。
VATの税率は現在20%。
基本的には食品、福祉、衛生、育児に関する製品、サービスと、生活必需品が対象外です。
食品は非課税なはずなのにチョコレートのかかったビスケットが課税対象!
じゃあなぜチョコレートのかかったケーキは非課税なのか・・・?わかりません。とにかくややこしい。
以上の品目も、ものによっては定義があいまいで疑問視されることもあるようなのですが、公的な論争にまで発展することはあまりありません。
とにかく、ジャファ・ケーキには今でも消費税がかかっていないのでした!
「ビスケットのサイズで、パッケージもビスケットと同じ、ビスケット売り場に売られている、食べるのにフォークもスプーンもいらないから、ジャファ・ケーキはビスケットである」というのが税務当局の主張。
マクビティー側は、ケーキの製法である説で攻めました。納得です。
決め手の論拠の一つに、「ビスケットは古くなるとやわらかくなるが、ジャファ・ケーキは固くなる。だからケーキである」というのがありました。
サイズがビスケットでも・・・
スポンジ・ケーキがベースです!
ケーキにチョコレートと苦めのマーマレードを塗りたくった味です。
きのうの、ダイジェスティブ・ビスケットの話題で使ったのと、同じ写真です。マクビティーズのストックポート工場。
ジャファ・ケーキは、すべてこのストックポート工場で生産されています。
15年ほど前、「もうすぐ、あなたのそばまで行きますよ~」といった意味のセリフをつぶやく手脚の生えたジャファ・ケーキの漫画(ゆるキャラ?)をプリントした不気味な横断幕が工場の外壁にかかっていたのを、マンチェスター、ストックポート間のバスの窓からいつも目にしていました。
いつの間にか取り下ろされました。
うちの上の息子はジャファ・ケーキが大好きでした。
ジャファ・ケーキをつくっている工場に親子でいつも親しみを感じていました。
時間によると、ビスケットの焼ける甘い匂いが遠くまで漂っています。
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