はずかしい事に台湾の方のblogを読むまで私は知らなかった。東京海洋大学のプロパーだと「さかな君」は思っていたのだが違った。
今回は台湾で話題になっている、さかなクンさんの経歴から。
現在東京海洋大学客員准教授として教育活動・社会貢献活動に取り組み、昨年には東京海洋大学から名誉博士の称号を授与されたさかなクンさん。(他にも16の政府等の公的機関の親善大使や専門委員会委員等を務める)。
2010年には京都大学の中坊教授の依頼でクニマスのイラストを担当した際、クニマスに似た特徴を持つ西湖の個体を提示したことがきっかけで、田沢湖のクニマスが西湖で生存していることが判明。
絶滅種とされていたクニマスの再発見に大きく貢献されています。
その魚類に関する豊富な知識と解説の分かりやすさから、日本でも広い世代の人々から愛されているさかなクンさんですが、現在台湾で話題となっているのは、さかなクンさんの経歴。
大学で学んでいないのにも関わらず、准教授に就任しているという点を、各メディアが驚きとともに伝えています。
http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-1842.html
現在確か名誉博士であるさかな君。台湾の方々の反応が以下の如く、
・日本では大学を卒業していなくても大学の准教授になれる。
日本の教育システムの柔軟性を示してる事例だな……。
・台湾で教育を受けていると、才能が埋もれてしまう
・こういう事こそ台湾が学ばなくちゃいけない面だろうに。
・この御仁は、かの「TVチャンピオン」で優勝した経験をお持ちだ。(準優勝だった)
等々
東京海洋大学とは仕事でお世話になっていたが国立大学である。私立ならば彼が客員准教授になることもあり得ると予想できるが、国立大学で客員准教授とは凄いことである。現在名誉博士になっている。やはり天皇陛下の一言の力は偉大だということか?国立大学であるから余計に陛下の影響力は大きかったのであろう。しかしその前に客員准教授に就任していたことは、結果が直ぐに解り、広く一般人もその功績を認めざるを得ない理系だからか。
最近、小学校の教諭の実験離れが問題になり危惧している。日本は資源が無い国である。故に加工貿易で成り立っている。理系の人間を多く育成することがその国家成長の鍵でもある。実験に危険が付き物のため教諭というより学校側が敬遠しているようだ、実験のビデオで済ませる学校が多いそうだ。小学校の教諭への就職率が高い兵庫県の加古川女子大で、豆電球に電池のつなぎ方の問題を出した時その正解率が酷すぎたようだ、現在学長が理系の教授でその建て直しに奔走され結果が出てきていると聞いた。
さかな君のようなユニークな人材は確かに一般社会での適応は難しい。しかし理系「バカ」は日本が今後国際社会で勝ち抜くためには必要である。彼のような理系「バカ」をどれだけ一般社会が受容れることができるか?重大事案である。
戦前の日本はトランジスタも八木アンテナも開発していながら、活用できず特に八木アンテナは米軍がレーダーに活用し日本機迎撃に大きな成果を上げた。GHQが八木博士を真っ先に探すまで日本人はその重要性に気付いていなかった。学会や学閥の弊害だったのである。
その点、このさかな君への東京海洋大学の対応はスバラシイ。歴史の蹉跌を教訓としている。学会の反対論者も天皇陛下の一言で沈黙させられている。
東大出のエリート官僚集団などの知識人エリート集団(上念司氏の言う高学歴社員たち)には、「異質の天才は、知識人エリートどもの身分(ヒエラルキー)を脅かすものでしかないから、彼らはこれを必要とせず切って捨てる。」という致命的欠陥が在るのです。
かつて日本に存在した組織の中では、後醍醐天皇の建武政府が最も分かり易い例です。政治戦略立案と軍隊指揮の総合における日本史上最高の天才であり、忠誠心においても究極の楠木正成を重用せず犬死させました。
事実南朝の忠臣の一人であり、名門出身の青年貴族である北畠顕家は、「身分の無い出自のいかがわしい者は重用するな。」と後醍醐天皇に進言しています。
その通りにした結果、南朝はどんどん落ちぶれて消滅しました。
「どの時代のあらゆる組織に言えることだが、実力本位の人材登用をしないと、その組織は腐ってしまう。
しかし古くて大きい組織であればあるほど、一度腐りかけると改革するのは難しい。」
(井沢元彦、逆説の日本史14、近世爛熟編より)
東京海洋大学、知人の息子さんが在学中です。さかなクンが准教授とは知りませんでした。
教授になった時はけっこう話題になっておりました。
さかな君 この大学に行きたかったそうですが
試験の結果はダメだったそうです。
でも好きなことをトコトンやり続けると
「こういう形で夢がかなう」ようなことを
何かのインタビューで見た記憶があります。
ディスカバリーチャンネルで
「この魚、見た事ないよ!」
「こんな魚の名前を知っているのは、日本の
さかな君くらいだよ」
と言う話しを見ていて
「さかな君って、ものすごいんだ」と思った
こともあります。色々な分野で色々な方面から
チャンスが与えられると、日本もまた技術的な
分野でも頑張れると思うのですが。
企業体質が問題でしょうね。