社会科学上の不満

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外交と防衛、歴史と現状についての不満のハケ口。(観念論の方は出入り禁止)

中国の政権移譲

2012-11-09 07:14:25 | 社会常識と教育

 中国国内と言うより共産党内部で、権力移譲に伴うゴタゴタが起きているようだ。夕刊紙など「ウチゲバ」との見出しを出していた。中国は最高権力が書記長と言う王様であり、この王様を共産党員の幹部会で選出する。基本的に世襲はない。北朝鮮が社会主義を謳うのがおかしいのである。中国共産党員は8千万人ほどしかいない。13億人の8千万人である。ゆえに1億人を超える法輪講を恐れる。太平天国の乱や紅巾の乱、黄巾の乱等の歴史があるためだ。書記長の交代は王権の交代に近い。書記長の次に権力があるのが人民解放軍司令官である。その下に行政府の長である首相がくる。この序列が理解できていない日本人が多い。そのため日本と同じ感覚で中国を論評するマスコミが多い。

 強大な権力の移譲である。昔の「禅譲」と言う感覚なのだろう。そのため周辺のお零れに預かる連中も命がけである。血が流れるが今まで表に出てくることは少なかった。中国人の知人が教えてくれた。故に中国人で高官の立場にある人間は、資産を中国本土にはおかない。権力闘争に敗れた時は何時でも国外へ逃げられるように準備しているそうだ。今回の書記長の有力候補である方々の子息は米国をはじめとした先進国に留学しているのもその一環だそうだ。

 毛沢東が大遠征で中国を統一する時、各地の因習を共産主義の名で粉砕してきた。これを非難する右翼の方は多い。しかし、私は毛沢東の功績と考える。ウィグルの一地域では鍋料理を出す時鍋の置く位置が決められた場所と違うところに置いただけで死刑だった。密通を働いた女性は、手に傷をつけ塩の塊と共に皮袋で手を拘束され10日もすれば、手だけミイラ化するといった刑罰があった。これらの因習を武力によりやめさせたことと北京語を共通語とし普及させたことは、紛れもなく毛沢東の功績と考える。

 しかし、先進国のレベルとなると中国共産党は時代遅れいやマッチしない。現在の世界は第一次世界大戦終了時のウィーン体制がその国境線を決めている。オスマン・トルコを解体して中東諸国が生まれた。この処理の不手際(英国の二枚舌)がイスラエルの問題である。故に「明」時代の国境線をもって尖閣諸島が中国のモノと言うならば、同様に明時代の国境線の外にある新疆ウィグルやチベット、雲南地方は中国のモノではない。相続はメリットと同時にデメリットも相続しなければならない。近代法の基本である。中国にはこの近代法の概念がない。欧米諸国の寝言だと思っているそうだ。

 日本は中華民国に対し戦後賠償艦として「雪風」以下の艦艇を引き渡し、蒋介石がそれ以上の賠償よいとした。中華人民共和国が中華民国の正式な後継政権であるならば、国連の常任理事国の地位と同時に日本への賠償が終了しているという事実も継承しなければならない。メリットだけの継承は国際社会では許されないのだ。この原則に反しているのが、中国と韓国である。先進諸国から相手にされないのはこのような理由である。

 

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