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SUA卒業式〉 池田先生のメッセージ

2022年05月30日 | 妙法

〈SUA卒業式〉 池田先生のメッセージ2022年5月30日

  • 創価の世界市民の真価を発揮し
  • 使命の舞台から21世紀を晴らせ
「世界人権宣言」の作成に尽くしたブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁と会見する池田先生(1993年2月、リオデジャネイロ市内で)
「世界人権宣言」の作成に尽くしたブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁と会見する池田先生(1993年2月、リオデジャネイロ市内で)

 一、使命深き18期生の皆さん、また、大学院新教育プログラムの7期生の皆さん、晴れのご卒業、誠におめでとう!
 
 いつにもまして、ご苦労の多い中、勝利の日を共に迎えられたご家族にも、心よりお祝い申し上げます。
 
 人類の宝たる英才たちを支え育んでくださった教職員をはじめ、全ての関係者の方々、誠にありがとうございます!
 
 今この時、まさに試練の時代に旅立つ皆さんへ、私ははなむけとして「創価の世界市民の真価を勇気凜々と発揮せよ」と贈ります。
 
 世界市民にとって普遍の規範というべき「世界人権宣言」――その作成に重要な役割を果たされたブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁の最晩年、私はご一緒に対談集『21世紀の人権を語る』を発刊し、採択までの尊き歴史を留めました。
 
 東西冷戦下の当時、政治情勢、思想・信条の相違などから議論は激しく対立し、紛糾する中で、最も力を注いだことは何であったか――。
 
 それは、「世界の各民族の間に“精神的なつながり”を創り出すこと、すなわち、“精神の世界性”を確立すること」であったといいます。
 
 皆が同じ「人間」という原点に立ち返り、「共通の目標」へ粘り強く語り合う中で、やがて対立を乗り越え、ついに世界人権宣言が採択されたのです。
 
 私には、この奮闘の昇華が、コロナ禍にも負けず、世界から集った友と熱い議論を交わしながら、共に学び抜き、「平和の建設者」として力を磨き上げてきた卒業生の皆さんの青春と、深く重なるように思えてなりません。

差異を超えて「人間尊敬」の道を

 一、本日、来賓としてお迎えしたシリン・エバディ先生は、投獄など命にも及ぶ迫害にも屈せず、人権と人道の信念の闘争を貫いてこられました。
 
 先生は2003年、ノーベル平和賞受賞記念のスピーチで、「世界人権宣言」の精神に触れつつ、“21世紀を暴力から解放する唯一の道は、人種、性別、宗教、国籍、社会的な立場の違いを超えて、全ての人々の人権を理解し、擁護する実践にある”と叫ばれました。
 
 生命尊厳の哲学を体し、価値創造の力を蓄え、人間尊敬の連帯を培ってきた皆さんは、創価の世界市民の真価を、いよいよ賢くたくましく朗らかに発揮し、自らの使命の舞台から21世紀を明るく晴らしていただきたいのです。
 
 かけがえのない皆さん一人一人と、私はこれからも陽光きらめく「平和の池」の畔で語らう思いで、健康幸福と栄光勝利を祈り抜いてまいります。
 
 最後に「君よ、あなたよ、地球民族を照らす“希望の光”と輝け!」と申し上げ、お祝いの言葉とします(大拍手)。

 

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アメリカ創価大学 第18回卒業式2022年5月30日

  • 創立者の池田先生が祝福のメッセージ 地球民族を照らす光源に
1:40アメリカ創価大学の第18回卒業式。ノーベル平和賞受賞者のシリン・エバディ氏が記念講演を行い、「私たちは皆、同じ船に乗っています。人間の運命は互いにつながっています。ゆえに他者の幸福を共に祈り続けていきましょう」と呼び掛けた(同大学の創価芸術センターで)

 【アリソビエホ】アメリカ創価大学(SUA)の第18回卒業式が27日午後(現地時間)、カリフォルニア州オレンジ郡アリソビエホ市の同大学・創価芸術センターで行われた。創立者の池田大作先生は卒業生に祝福のメッセージ(3面に掲載)を贈り、人間尊敬の連帯を培った一人一人が、創価の世界市民の真価を発揮し、地球民族を照らす希望の光にと期待を寄せた。

 また、ノーベル平和賞を受賞したイランの平和活動家であるシリン・エバディ氏が記念講演。式典には、SUAのフィーゼル学長や理事、教職員、卒業生の家族ら約600人が出席し、卒業生の晴れの門出を祝った。

 卒業式の模様はオンラインで全世界に配信された。(2・3面に関連記事。記事=野村啓、写真=宮田孝一)

鮮やかな花を咲かせるジャカランダとSUAのファウンダーズ・ホール
鮮やかな花を咲かせるジャカランダとSUAのファウンダーズ・ホール

 暖かな陽光に包まれた美しいキャンパスでは、至る所にジャカランダの青紫の花々が咲いていた。
 
 “紫の桜”とも称されるジャカランダ。その花言葉は「栄光」。
 
 まさに、栄光の卒業を勝ち取った18期生の姿を映すかのようだ。門出を迎える卒業生の笑顔も、キャンパスのあちらこちらで満開に咲いていた。
 
 18期生の4年間は困難の連続だった。
 
 新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年3月から授業はオンラインに。昨年9月から対面授業が再開されたものの、SUAの特色の一つである海外留学を、多くの学生が経験できなくなってしまった。
 
 その中でも卒業生は勉学、クラブ、そして、進路を勝ち取るために挑戦し、この日を迎えた。
 
 ――式典は、午後2時過ぎに始まった。
 
 今回卒業する学部生は、アメリカ、ブラジル、スペイン、ベトナム、中国、エジプトなどの18カ国から集った105人。大学院の研究プログラム「リーダーシップと社会変革のための教育基礎学」では3カ国4人の7期生が修了し、合計109人が使命の大舞台へ雄飛する。

母校からの巣立ちの時を迎えた18期生たち。ある卒業生は、コロナ禍で対面の卒業式を行えなかった16、17期生に思いをはせた。「先輩たちに感謝の連絡をしました。自分のことのように、私の卒業を喜んでくれたことがうれしかった。SUAで刻んだ絆は永遠です」
母校からの巣立ちの時を迎えた18期生たち。ある卒業生は、コロナ禍で対面の卒業式を行えなかった16、17期生に思いをはせた。「先輩たちに感謝の連絡をしました。自分のことのように、私の卒業を喜んでくれたことがうれしかった。SUAで刻んだ絆は永遠です」

 卒業する18期生からは、名門大学院の合格者も多数誕生した。
 
 ネパール出身のパリック・チャリセさんもその一人。彼はオンタリオ工科大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスなど六つの名門大学院に合格。ジョンズ・ホプキンス大学の工学系博士課程に進む。リベラルアーツ(一般教養)大学から、修士課程を経ず、名門大学の理系の博士課程に進学することは快挙である。
 
 チャリセさんはSUAの4年間で幅広い分野を学んできた。そうした中で、数理的にさまざまな事象を解き明かすことに興味を抱いたという。
 
 「SUAは、少数精鋭の教育環境も魅力の一つです。学びたいことが定まれば、徹底的に取り組めます。私は心から尊敬できる数学の教授のもとで鍛えてもらい、今回の進路も開けました」
 
 チャリセさんは将来、母国に貢献するため、さらに向学の道を進もうと決意している。
 
 卒業式で最も盛り上がりを見せたのは、式典の中盤、フィーゼル学長が一人一人に学位記を授与した場面だった。受け取る卒業生に、列席者が拍手と声援を送り続ける。
 
 ひときわ大きな喝采が送られたのが、ユカ・ホンボウさん。
 
 彼女はこの1年、学生自治会の委員長として、大学建設に奮闘してきた。
 
 対面授業に臨むため、学生たちが各国から大学に戻った昨年夏以降、新たな大学の伝統を築きたいと、一人一人と向き合い、心を通わせた。
 
 新しい学生祭を企画。コロナ禍でどのような催しを行うのか。どんな意義を込めるのか――あらゆる課題を一つ一つ乗り越えて、本年3月、「ライオンズデー(獅子たちの日)」と名付けた学生祭を開催。「世界市民とは」をテーマに対話するなど、学生同士が絆を結ぶ新たな伝統を築いた。

米カリフォルニア州オレンジ郡アリソビエホ市に立つアメリカ創価大学のキャンパス。科学棟や新学生寮など新たな建物が完成し、学生第一の教育環境が一段と充実する
米カリフォルニア州オレンジ郡アリソビエホ市に立つアメリカ創価大学のキャンパス。科学棟や新学生寮など新たな建物が完成し、学生第一の教育環境が一段と充実する

 卒業式の終盤、卒業生の代表によるあいさつの後、「創立者賞」が発表された。受賞したのは、代表あいさつに立った4人の中の1人、ネパール出身のスビナ・タパリヤさんである。
 
 彼女は「受賞者あいさつ」で、見守り、励まし続けてくれた家族らへの感謝を語った。
 
 父母はその様子を、ネパール・チトワン郡の自宅で午前3時過ぎから、オンライン配信を通じて、じっと見守っていた。式典後、父は語った。
 
 「経済的な理由で、娘をアメリカに送り出すことに、少しためらいがありました。しかし、今では娘の成長の姿をとてもうれしく、誇りに思います。今日という日は、私たち家族の人生の中で最も価値のある、最も幸せな日になりました」

ノーベル平和賞受賞者シリン・エバディ氏が講演

 式典では、アメリカ国歌斉唱、フィーゼル学長の祝辞の後、ムーン学生部長が創立者・池田先生のメッセージを紹介した。
 
 2003年にノーベル平和賞を受賞したイランの平和活動家であるシリン・エバディ氏に「SUA最高栄誉賞」が授与された。氏は記念講演を行い、世界的に民主主義が危機にある今、正義と平和、そして社会に貢献する世界市民にと心からの期待を寄せた。
 
 続いて、卒業生一人一人に、大学院修士号の学位記、学士号の学位記が手渡され、卒業生の代表4人があいさつした。

 最後に、在学生のオーケストラの演奏に合わせて、コーラス隊が身ぶり手ぶりを交えた合唱を披露。卒業生も立ち上がり、皆で喜びを分かち合った。

卒業式のために結成された在学生のオーケストラが勇壮な演奏を披露
卒業式のために結成された在学生のオーケストラが勇壮な演奏を披露
式典後、使命の大空へ高く飛翔しゆく誓いを込めて、角帽を投げ上げる卒業生
式典後、使命の大空へ高く飛翔しゆく誓いを込めて、角帽を投げ上げる卒業生
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