Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

ハウリン・ウルフ / Howlin' Wolf

2009-11-24 | Blues
  ほんの数か月前、友達の波平君がクラプトンとスティーヴ・ウィンウッドのNYでのライブを見せてくれました。
その中でウィンウッドが、若い頃ブルースを初めて聴いてどれほど衝撃を受けたかを語り、それを「ブルースを発見した」と表現しています。そのすぐ後、いつか書きました「Sweet Home Chicago」を観て、そこでもミック・ジャガーがブルースを発見した喜びを語っていました。

その後、発見された側のブルース・ミュージシャンが海を渡って、共演するようになります。名づけて「Fathers and Sons」。



ピート・ハミル著「アメリカン・ビート」だったと思いますが、英国でのブルース・ブームから何年か経ち、今は体調を崩しステージに立つこともなくなったハウリン・ウルフの家に、米国公演中のストーンズのメンバーが来る話が舞い込みます。

セレブリティーとなった息子たちと再会を楽しみにするウルフ、しかしそれらしい時間になっても、やって来る気配はありません。結局、その日誰も訪ねては来ませんでした。
ブルースを発見して、オリジンの父より何万倍もの富を手にした息子たちは、バビロン滞在中です。

このあとどうなったか、肝心なところを正確に覚えていないんですが、たぶん誰か間に立つ人がいて公演先のストーンズのもとへ行き、翌日メンバーのうち二人がウルフ宅を訪ねたように思います。
希望的観測からか最後めでたしだったように思いますが、ほろ苦い話です。

しかし、心配ご無用です。このチェス・レコードにおけるハウリン・ウルフにはそんな話は全く不似合いなくらい、ヒューバート・サムリンをはじめとする気の利いたメンバーをバックに、ウィリー・ディクソンの描く男と一体化してエネルギッシュに吠えまくります。マディの演じる男とはまた別の男として、南部の大地にもシカゴの街にも、そして月にさえも、すっくと仁王立ちしているのでした。



前回より升の小さい茶と青紫のタッターソール。カシミヤで梳毛糸とことわりの付いたタイ。
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