Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

二件目どうする?

2020-04-30 |  その他
あまり笑える状況ではありませんが、そんな中でも可笑しみはあります。

まず「コロナ太り」。
二、三度言ってみると、深刻さと太ることの組み合わせがどことなくおかしいです。
実際、運動不足になるわ御飯は美味しいわで、知らず知らず着るものがキツくなって...と聞きます。
服が着られなくなるのは不経済ですから、違った意味で要注意ですね。



先日instagramのことを書きましたが、二件目はその中での話。
コピーされるくらいならどうってことありませんが、数日前に「余命宣告をうけた未亡人詐欺」とでも言うようなのが来ました。

夫が財産を残して死んだが、自分もまた最近余命宣告され、引き継いでもらう人を探していたら、貴方のプロフィールを見てこれこそ神の思し召しだと感じた。
送金するから、その6割ほどを慈善活動に役立ててもらいたい」
という話で、送金に必要ない個人情報まで聞き出そうとします。

放っておくと、「あと2週間と宣告された、早く引き継いでもらって安らかに逝きたい」
写真まで付けて、「病院のベッドが痛い」と催促してきました。
夫以外、天涯孤独なはずなのにinstagramの投稿写真の中には、母の日らしい「ママへ」と子供から送られたカードが映り込んでいます。
おそらく、すべて盗用写真でしょう。
ベッド上の人は別人で、画像は使い回しているらしくネット上でも見つかりました。
こんな時期に神や死まで持ち出して、フテェ野郎という他ありません。

引っかかる方はいらっしゃらないと思いますが、バリエーションもあるかもしれません、どうぞご注意下さい。



また、「外出せず、お家で片付けでもしてて下さい」なんてメッセージを発信したら、みんな一斉にやり過ぎたというのも、現場の方に申し訳ないですがちょっと笑いました。
うちもすでに、ジャンジャン片付けたクチです。

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Summer Shoes

2020-04-28 |  その他
例年と違って夏へと向かうウキウキした気分はありませんが、しだいに陽気は変わりつつあります。
暑くなればなったで、やはり毎夏どおりの装いをしているでしょうか。

毎度引用させていただくA.フラッサーの「Clothes and the Man」には靴の合わせについても書いてあって、流行り廃りのないクラシックな服に合わせられるスタイルを紹介しています。
その中の一項、夏の装いにおける靴についてこう書いています。



Summer Shoes
「今日ほとんどのビジネスマンが1年を通してブローグ型のビジネスシューズを履いていますが、これは正しい選択といえます。
しかし夏が来て、シアーサッカーやコットンのスーツを着た時には、靴を変えてみたいとおっしゃる方も多いことでしょう。



そのような方には次の靴をお薦めします。
ミディアム・ブラウンの仔牛皮、あるいはスエードのキャップ・トウかウイング・チップ、赤茶のゴム底で白のクラシック・バックスキン(ひも結び)、白と黒、及び茶と白のスエードとレザーのコンビ靴です。
コンビの靴は夏のハイライトともいえる靴ですが、残念ながら現在では、本物の白のバックスキンを使ったコンビ靴はなかなか見つかりません。
厚いスエードやイミテーション・レザーを使ったものがほとんどです。



夏には薄い色の靴を履きたくなりますが、薄い色の靴はどれも濃い色のビジネススーツには合いません。
スーツと靴の色合いを合わせるという原則は夏でも変わらないのです。
薄い色の靴はもっと明るい色合いのウーステッドやギャバジン、あるいはもっとカジュアルなポプリンやシアーサッカーと組み合わせると良いでしょう。」



この本は1988年出版で、当時まだ十分説得力があったこれらのセオリーも、あまりコーディネートが顧みられない現在では心許ない感じもしますが、それはそれで仕方ないことです。

画像①②⑤⑥⑦は1930年代のエスクァイアからの一部で、コンビネーションの靴も各社さまざまなバリエーションを作っていたことがわかります。
デザインのためのデザインというか、カッコいいかどうかは別にして、当時の人も遊びながらなのかもがいたのか苦心の跡が伺えます。
散らかってますが、画像多めになってます。







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肩コリ

2020-04-24 |  その他
花はあるし新緑はきれいだし、そら豆やタケノコは美味しいし、いつもの年ならこの時期言うことがありません。
5月も近いというのに上空に寒気が入って日が沈んでからちょっと寒いですが、遠くに景色を見に行けなくても、日射しのある時は近所の生垣だけで妄想を働かせることも出来ます。
以前はこういうのを見てもただの植え込みにしか見えませんでしたが、ここ数年この狂ったような色が気になります。



先日、新しいシーズンの始まるTVドラマの主人公へのインタビューで、「やっぱりスーツ着てると肩こりますね」と答えているのを聞いて、きちんと作られたスーツならそんなでもないんですけどねぇ、なんて残念に思いました。

習慣にもよると思いますが、
「朝出かけて帰るまで上着をとらなくても、まったく苦になりません」
とか、
「むしろ着てる方が快適だから、ずっと着てます」
なんていう方も実際にいらっしゃいます。
言えば言うほどあやしい通販のリアクションみたいですが、これはそんなに珍しいことでもありません。

バブルの頃、贅沢な品などいろいろ入ってきた中に、海外ブランドの上級品みたいなものもありました。
その中の二つのアメリカのブランドで、一つはアメリカ製、もう一つはイタリア製のジャケットを試したことがあります。
ところがいずれも、「これ拘束衣ですか?」というくらい腕が上がりません。
一般的な日本製よりずっと着づらくて、本格的な製品のはずなのに、まったく逆の着心地に驚きました。
というのも、それよりずっと知名度は低いですが、着心地のよいイタリアの高級既製服も入りはじめていたからです。

アメリカ製の方は、今では雑誌をよく見ている方なら聞いたことのあるファクトリーで、イタリア製の方は平均的な量産ファクトリーでしたが、それより上のグレードのメーカーが持つ技術がまだ広く浸透する前で仕方ない面もあります。
しかし同じアメリカ製でも、それ以前から手仕事の比率が高く着やすいことで知られていたメーカーもありました(製造の責任者はたいていイタリア人)から、そこに価値を見出したかどうかの違いかもしれません。
そんなことを契機に、見映えと着心地はクルマの両輪だと思い始めました。



もう引退してしまいましたが、ルチアーノ・バルベラという人がいます。
会った時いろいろ語ってくれた中に、「例えばいくら高価で仕立ての良い服を着ていても、汚したりしないか気にしていたのでは、せっかくの服の良さが楽しめない。着ていることを忘れて、その時を楽しむことの方が大事」というのがありました。
単に着心地のことを言っているわけではありませんが、着ていることを忘れられる作りという意味で、今も服を作る時のヒントになっています。

ロケ自粛でTV番組は過去の放送からの再編集が多くなってますが、私のも...いゃ、前からでした。
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ご町内のパワースポット

2020-04-21 |  その他
しばらく前、同じ町内の佐助稲荷へお詣りしました。
昔疫病があった時にご利益があったとされる由緒のせいか、お近くの方もジョギングのついでのようでやはりお詣りされてましたが、他は人を見かけないくらいになっています。



密かにかどうか分かりませんが、こちらはパワースポットと言われてるそうです。
自粛要請が適宜実行されるのと同時に、後は神頼みという気分になりました。
日頃から在宅勤務で、この時期はさらに他人との接触を極力さけ、こまめにうがい手洗いを励行したけどある日感染した、と語る人がTVで取材されてましたが、さすがに見えない敵はこわいです。

パワースポットとはいえ、きっとGW明けすぐは油断できません。
安心できるようになって、さらにその先、用心に用心を重ねたさらに後のほうが良いでしょう。

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いいね!

2020-04-19 |  その他
いつからか、このブログにも「いいね」の機能が付いていました。
押してくださる方がいらっしゃいまして、ありがとうございます!

始めた頃は漠然と知ってる人に向けて書いていましたが、いつか知り合いもこの業界を辞めたり興味も変わりますから、当初からの方はかなり稀で、新しく読んでくださる方のほうが多いのかななんて想像します。
畑違いの方にも通じることを書かねばとも思います。



このブログをご覧いただいていればもう十分ですが、Instagramをやってます。
画像がメインで長々と書くことはありませんが、朝開くと一晩に千人もの人がおとずれる投稿があったりしても、色々な文化圏の方がいるので何に反応してもらってるのかよく分かりません。

優雅に暮らしていそうな外国人の服好きとか、2万人以上フォロワーがいる仕立て屋など、5人くらい私の投稿をコピーして使っているのを知った時は、驚きもし落胆もしました。
後から思えば、罪滅ぼしなのかたいていある日突然たくさん「いいね」を押して、その数日後コピーした画像を無断で使うというのが共通点です。
クローズにしてみたりもしましたが、もしかすると彼らは悪気などないのかもしれません。

でも、エレガントな暮らしぶりや、エレガンスを追求して手縫いのクラシック・スーツを作ってますというノリと行為が何かそぐわないという印象は拭えませんでした。
ニセ紳士たちに多少の違和感は残りますが、海をまたいで業界に寄与できる機会はありませんから、僅かでも役立ったかと思えばいいかとも思います。



始めた時は、ローレンス・フェロウズやレスリー・サールバーグについて中には詳しい人がいて、見たことのないものを見せてもらえるかなと期待しました。
実際そういうイラストや雰囲気を好きな方は色々な国にいるようですが、残念ながらアメリカで一番詳しそうな総元締めみたいなところを含め、今のところ本当に詳しい人は発見にいたっていません。

投稿されている彼らのイラスト画像の多くは、コピーを繰り返したような画質です。
フェロウズやサールバーグのイラストから何かインスピレーションを得たり感覚を磨くような、お洒落な業界人が出て来ないとも限らないので、出来るだけ現物に近い鮮明な画像をあげて、将来興味ある人の役に立てばと思います。
Comments (2)
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It's a wonderful life!

2020-04-18 |  その他
ちょっと季節はずれですが、昔アメリカのクリスマス・シーズンに欠かせないと言われていた、ジェームズ・スチュアートとドナ・リード主演フランク・キャプラ監督の「素晴らしき哉、人生!」(原題:It's a wonderful life!)とか、ルイ・アームストロングが歌う"What a wonderful world"のタイトルを思い出していました。



そんな事を思ったのは、ベルギーで新型コロナウイルスに感染した90歳のご婦人が、「私はもう十分に良い人生を過ごしたから、人工呼吸器は私より若い人に使って」と言い残して逝ったと報じられたからです。
日本なら、天晴れな最期という他ありませんが、身近な人にとっては悲しいことに変わりないでしょう。
しかしこの場合、嘆くより讃える方がご本人の尊厳にそうように思えます。
なんてエレガントなんでしょう。

自分なら「もう十分に...」と言えるかどうか。
目先のことでは、今まで仕事で見てきた中でも上位に入るくらいグッとくる生地がほんの少しあって、それをまだ形にしていない事が気がかりと言えば気がかりでしょうか。

また服が出来上がったとしても、それで完成というわけではなくて、満足いく自然なコーディネートをいくつか試してみたくなりますし、他の方のなら快適に着ていただけるよう提案したくもなります。
 
状況によってはそんな悠長なことを言ってられないのに、結局、まだベルギーのご婦人の域にはほど遠いようです。

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フレッド・アステア

2020-04-15 |  その他
あいにくの天候で50mも歩かないような日が2日続くと、自分でも心配になります。
普段開かない本やDVDを観る絶好の機会なのですが、思い通りいきません。
白黒映画はお子さんにウケないかもしれませんが、アステアがA.ヘップバーンやL.キャロン、J.ガーランドと共演したカラー作品は、ご家族でも楽しめる内容だと思います。
もちろんこれをご覧いただくような方は白黒も問題ないでしょうから、ウォームアップにアステアの画像はいかがでしょう。



1935年「トップ・ハット」撮影の合間、左から監督のマーク・サンドリッチ、ジンジャー・ロジャース、アステア、この作品の他「イースター・パレード」はじめ数々のスタンダード曲を作るアーヴィング・バーリン。
I.バーリンはジョージ・ガーシュインと一緒にスペクタイター・ルックで写ったのもなかなかお洒落でしたが、この何でもないカッコもご本人のバランスにうまく合っています。



例のロンドンの仕立て屋さんが使う二穴のボタンで、素材はホーンのようです。
セオリーどおり、タイをおさえるものは水平でなく、ちゃんと斜めにするのを忘れていません。



1949年、MGMのスターを一堂に集めた昼食会で、前年大好評だった「イースター・パレード」で共演のジュディ・ガーランドと。
残念ながら共演二作目の「ブロードウェイのバークレー夫妻」はJ.ガーランドが健康上の問題で途中降板となり、ジンジャー・ロジャースが呼ばれました。
ロジャースももちろん悪くありませんが、J.ガーランドのもさぞかし...と思うと残念です。
アステアはこの写真以外にも、ジャケットの下によくカーディガン(ヴェストでなく)を合わせています。



アステアが履いているスリッパーはダグラス・フェアバンクスからの贈り物、手前はすべてタップ用かどうか分かりませんが、シューズの底の金具にヤスリをかけている図だそうです。

以上"Fred Astaire His Friends Talk" という本から。


1960年Esquire "The Art of Wearing Clothes" より 以前も使ったアステアのインタビュー。

アステアはそう言ってますが、以前は色々な人にお勧めしました。
お洒落が好きで仲良くしていただいた米澤さんとも、アステアの話をしたと思います。
今日は久しぶりに麗らかな陽気で、優しかった米澤さんをおくるのによい日でした。

適度に散歩などおりまぜこの状況を乗り切ったあかつきには、アステアみたいな軽い足取りで出かけたいと思います。
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要点

2020-04-05 |  その他
読書というほどではありませんが、時間があるので何となく活字を追っています。
度々引用させてもらう「A.フラッサーの正統服装論 "Clothes and the Man"」をめくっていたら、普段言ってるようなことがそのまま書いてありました。
10年の間には引用した気もしますが、この部分だけ読んでいただければもう十分というくらいの内容で、繰り返しご紹介する意味があると思います。



「世界のベストドレッサーに共通な点は一体何でしょう。
ベストドレッサーは皆同じ服装をしているということでは決してありません。
例えばケーリー・グラントのワードローブはフレッド・アステアのワードローブとはずいぶん違います。
しかし二人とも、20世紀のベストドレッサーであることに間違いはありません。
事実彼らの服装には、他の大勢の人とは違う何かが確かにあるのです。
その秘密はーそれが秘密といえるならですがー
これらのベストドレッサーの身につける服の一つ一つが、最高の品質で完璧といえるまでの良い趣味の品々だということです。
それと同時にこれらの人々はその服を実にくつろいで着ています。
つまり、服を他の誰のものでもなく、自分自身のものとして完全に着こなしているのです。

質の良い服を着るということは、最高の素材だけを使い、かつクラシックな装いの伝統に則ったデザインの服を選ぶということです。
移り変わるファッションの落とし穴にはまらないですむのはこれらの服だけなのです。
ワードローブがこれらの服だけでできていれば、間違っても趣味の悪い着方をすることはありません。
ある組み合わせは他の組み合わせよりも良いというだけで、実際何を着てもよく似合うのです。
例え最悪といえる組み合わせをしたとしても、大惨事にはいたりません。
それどころか、その人らしい癖の出たおもしろい着こなしといわれることでしょう。

1930年代、男たちは本当にエレガントに見えるためには、服は微妙なバランスを保っていなくてはならないということを発見しました。
目立つ服を着るのは手段を選ばない成り金趣味の人だけです。
19世紀に控えめなエレガンスの究極を達成したといわれる、かの有名なダンディー、ボー・ブランメルが言っています。
「もし人が振り返って見るようなら、その装いは決してエレガントとはいえない。服が新し過ぎるか、きつ過ぎるか、または流行を追い過ぎているのだ」

洋服の質、そしてクラシックスタイルの優れた点をわかっていただくのがここまでの章のポイントでした。
さてこの章ではいよいよ、これらの洋服を組み合わせてあなた自身のスタイルを作ります。
自分のスタイルを作る第一歩は、まず自分自身の体格を客観的に見ることから始まります。
(中略)
これらの点を知ることで体の欠点をカバーし、長所を強調する装いの仕方をすることができます。
しかしこれはあくまでも一般的な提言で、決して守らなければならないというものではありません。
ですからもしスタイルの良いスーツにしようか、それともただこのアドバイスに従っただけのものにしようかと迷っている時は、迷わずスタイルの良いもののほうを選んでください。
実際より細く、あるいは背が高く、あるいは痩せて見えないかもしれませんが、これらの事柄はエレガントに装うという大きなゴールから見れば、ほんの小さな点にすぎないのです。」


コンパクトに、要点が網羅されています。
少し付け加えるなら、「最高の品質で完璧といえるまでの良い趣味の品々」とありますが、当時必ずしもべらぼうな価格のものではありませんでした。
以前書いたように、ケーリー・グラントはしまり屋として有名で、決して服に多くを払わなかったと言います。
今日伝説的な店も、もちろん当時安くはありませんが常識的な価格で、服にしろ靴にしろ同格の店がいくつかあったことも一因でしょう。
ですから「最高の品質」にもバリエーションがあって、狭義の「最高」という感覚ではありませんでした。

しばらく前にご紹介した「洋服通」の著者・上原さんという方は、神戸にダグラス・フェアバンクスが寄港するというので、わざわざ会いに行ったそうで、その時の印象として、スーツの生地はあまりたいしたものを着ていなかったと書いています。
アステアやグラントの前の世代ではトップで、ウェルドレッサーとして知られるD.フェアバンクスでも、実際に身につけていたのはオーソドックスなものだったと思われます。
「最高の品質」は買える可能性がありますが、注目すべきは「完璧といえるまでの良い趣味」の方で、こちらはなかなかお目にかかれません。
昔と違って繰り返し映像を見られますから、基本を理解してその気さえあれば、いくらでもエッセンスを吸収することも可能です。

また幸いなことに今では様々なノウハウが伝わり、適正なパターンと作りに適宜補正を加えることで、本格的に着心地が軽くて柔らかく動き易い作りの服を、C.グラントが喜びそうな価格で作ることもできます。
ただ、なかなか巡り合えないかもしれませんが。

別件ですが先の「洋服通」を読んだ後、白井さんに「上原さんという名前の仕立て屋さん、ご存知ですか?」と伺ったところ、「何だか聞いたことあるね、赤坂の人?昔うちのお客さんでも、上原で作ってるっていう人いたねぇ」とのことで、白井さんの記憶のおかげで意外にも話が繋がりました。


上原浦太郎著 「洋服通」より




1960年9月号のEsquireに特集されたメンズスタイルに関する記事(上)を、1991年に日本版エスクァイアで常盤新平さんが訳したもの。
ジョージ・フレイジャーが書いたこの"The Art of wearing Clothes"という記事には、他の箇所にも「ベスト・ドレッサーは例外なく最高のものにしか手を出さないし(もっとも、一番高価なものとはかぎらぬ)」という表現があります。
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VR

2020-04-03 | 生地
新型コロナウイルスの脅威は日増しに拡大してきました。
不便に見えるくらい隔絶された土地でもない限り、最早だいじなご家族を守るには無駄な外出を避ける以外、打つ手はないのではと思うような段階です。

それでも服好きな方の「好き」は変わらないでしょうから、家にこもっていると、眼から何らかの情報を取り込みたい衝動にかられるかもしれません。
生地から服が出来上がって、コーディネートまでをご覧いただいたら、服を作った気分を家で味わえるのでは...という、「こうしたら、こうなった」のバリエーション。



元はこのようなカントリー・テイスト横溢の、ウールとシルクがほぼ半々という老舗マーチャントの生地がありました。
それをフィッティングの後に流すと、出来上がってくるのが下です。
中間的な厚さですから春とか秋に向きますが、例えばコーディネートするとこんな感じに。



同じネクタイを合わせても、他を変えて全体のトーンを少し濃くすると秋っぽいイメージかと思いますが、限定しなくてもその日の気分と気候しだいでいずれにも合わせられます。



多少、溜飲が下がりましたでしょうか。
どうぞ大事な方々との生活を最優先に、皆様くれぐれもご自愛ください。
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