Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

S/S

2021-02-27 | 生地
立春を過ぎて、陽射しが力強くなってきました。
日により寒暖差が大きく、風邪などひかないよういつも以上に気をつけていますが、このような状況でも例年と変わらない自然の運行を心強く感じます。

自然以外にも普段どおり進む物事に助けられていて、昨年末に発注してあった盛夏の生地が年明け到着しました。
生地はすべてイギリスやイタリアからですが、両国とも現在も厳しい状況が続く中、滞りなくよく届いたと思います。
私どもの仕事は、何と言っても眼や指先を心地よく刺激してくれるような生地がないことには始まりません。



体を刺激すると言えば、整体の方が誰でも簡単にできるストレッチというのをあげてくれていて、たまにやってます。
体を捻ったり伸ばしたり道具はいらないのですが、中にバスタオル2枚を固く巻いて背中や腰の下にいれて行うストレッチというのが、家でないと出来ませんでした。



何か代わりになるものがないかと思っていましたが、段ボールだけは納品などでいくらでもあるので巻いてみました。
それだけでは見た目にちょっと愛想がなくて体への当たりも今一つですから、厚いコート地の残布をカットして、縫い目が少し動くよう加減して縫い合わせたものです。
これなら段ボールの反撥力がヘタってきても足したり入れ替えたりが可能ですが、その前にカシミヤの生地が保たないかも知れません。
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邦画

2021-02-11 | 映画
勘違いかもしれませんが、子供の頃テレビで邦画を観た記憶がほとんどありません。
ですから20歳前後になって偶然テレビで日活の作品を初めて観たとき、あーこれは「カサブランカ」だとか、これはほとんど「栄光の都」の焼き直しだなとか、前に観た洋画が基準で分かる事もありましたが、それ以降も邦画を積極的に観たことはありませんでした。

一昨年たまたま「夜の河」(吉村公三郎監督、1957年)「女経」(オムニバス、1960年)という大映作品を観はじめたら、最初は警戒しておきながらすっかり病みつきになってしまいました。
自分が知らなかっただけですが、未開の地を行く気分で短い期間にたて続けに観たせいで、日活の映画はタイトルと話の筋がどれがどれだか分からないくらいです。



最近では三船敏郎特集でした。
三船さんは刀を持っているものしか昔観たことがありませんでしたから、あとは「うーん、寝てみたい!」というCMのイメージです。
「東京の恋人」「醜聞」「野良犬」「暗黒街の対決」「馬喰一代」と見ていると、役柄なのか人柄なのかちよっとゲイリー・クーパーとダブってきました。特に「醜聞」なんかはフランク・キャプラ作品のクーパーそのものに見えてきます。

「東京の恋人」は同い年だという原節子さんとの共演で、朴訥とした面が出て楽しい作品。
背後からのショットで、三船さんのダブルブレステッドのスーツは今日よりだいぶ背幅がゆったり作られていることが分かります。
そんな仕事絡みの興味もさることながら、もしかすると背広のゆとりより、失われつつあるゆったりした時間の流れを感じるのかも知れません。
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節分にサスペンス

2021-02-02 | 映画
以前は海外のドラマを観ていても、自分が興味のある時代設定の話だとつい細部まで気になりますから、もの足りないと次第に見なくなってしまいました。
おうち時間がいっぱいあっても、あんまりウルサイことを言ってると観るものがなくなってしまうので、何となく古いのを見返しています。
衣装とかやはりモヤモヤする部分があるものの、ちょっとしたセリフの中に後々為になりそうな要素がひそんでます。

例えば「名探偵ポワロ」の中に、ポアロがクリーニング屋のシャツの糊付に不満をもらす場面があります。
クリーニング店宛に手紙を書いてもらうのですが、秘書によれば全部中国人だから何度言っても通じないとのこと。
するとパートナーのヘイスティングスが、衿を折ったシャツ(つまり今日私たちが着ている型のシャツ)が今の流行りだから着てみたらと勧めると、「このポアロが流行に左右されるとでも?」と切り返します。

普段忘れてますが、シャツの型が違ったんですね。
'20年代から'30年代の過渡期には、一部の層には混在していたのかもしれません。


(この時期に送られてくるお札)

また「トミー&タペンス」で奥さんになるタペンスは衣裳持ちで、特に好きだという「帽子のコレクションが多過ぎでは?」とトミーはやんわり釘をさしますが、もちろん帽子はさらに増えます。
どこに線があるか分かりませんが、セリフからその時代の女性でも40個は多いという感覚なのかな、と漠然としたラインが浮かび上がります。

もちろん現代に書かれた脚本ですから、全てが参考になるとは限りません。
場合によっては後の時代の内容が混ざっている可能性もありますから、その辺は差し引いて考える必要がありそうです。
そんなことを考えていたら、サスペンスそっちのけで少しもハラハラしません。
やはり話に没入するべきでした。
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