Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

四月になれば彼女は

2012-05-31 | Others
 春先から、S&Gの「April come she will」が頭の中で聴こえていましたが、気がつくともう五月も終わりです。
爽やかな気候のあとに少しずつ梅雨の気配を感じはじめ、入梅の知らせを聞くのもあと数日です。

同じ気温でも、カラッとした空気と、肌着ブランドじゃありませんが湿度の高いジンメリした空気とでは、体感的に相当違います。もちろん、気分にも大きく作用するのは言うまでもありません。



今年は、どんな夏になることでしょう。
天気予報も、今日・明日のことなら雷雨の時間帯まで当てる精度ですが、中長期の予報ともなるとシーズンが終わってみるまで判りません。
やはり「勝負は家に帰って風呂に入るまでわからない」という、ミスターの迷言のようです。

気の早い人は、もう夏休みの予定を立て始めました。
日本のように正月休み・夏休みと休みが小出しでない国で、ラテンの血が色濃くはたらく国々では、ヴァカンツァの近づくこの時期からしだいに仕事が手に付かなくなり始め、しまいには上の空なんてことも聞きます。



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Marlene Dietrich and Gary Cooper in “DESIRE”(1936)

2012-05-29 | Others
 昨年秋に出たゲーリー・クーパーの写真集が、ちょっと物足りないと少し前に書きました。
そのお嬢さんが出した一冊目が充実していたので、尚更期待が高まったせいかも知れません。

その時書いたように、'30年代のパラマウント時代など、紳士服の観点からするともっと充実した本がつくれるように思いますが、いつかかなうと嬉しいです。
待ちきれないので今回は勝手に先取りで、こんな画はいかがでしょうかという内容。



度々話題に上せた「青髭八人目の妻」も、その時代の作品です。
今日ご紹介するのはそれより二年前の作品で、エルンスト・ルビッチは監督でなくプロデュースを務めています。
邦題は「真珠の首飾り」。




これでは分かりづらいですが、アルパカ混ぽい毛足のある素材で、グレナカートの柄の濃淡に少しひねりが加えられています。濃い部分に色がのっていると思われます。

上や下のスーツとは明らかに異なる作風のスーツ。ラペルの巾・輪郭のアールの何と美しいことでしょう。

ケーブルのVネック、セーター姿もすっきり。








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朦朧体

2012-05-28 | Others
 お遍路に行ってたわけじゃありませんが、四国から帰ってきた吉水君を囲んで皆で集まると、前日あれほど夜遅いのが苦手と言っていたばかりなのに、最近にないくらい遅くまで盛り上がってしまいました。

久しぶりの四井さんに、ブログの話で持ち上げられたり泣かされたりしているうち、最近ではたとえば高野社長という方のお役には立てませんでしたが、他の方には多少役に立てたこともあったのかなと思った晩でした。
翌日は、「へのへの」なうえに「へろへろ」でもあります。



昔一緒に仕事したりよく知っている人は、久しぶりでもストレートで面白いです。
吉水君が開口一番「仕事ものたりなくないですか」とジャブを繰り出すので、「おっ、いきなり核心だね」とスウェイ。

そういえば二十歳の頃だったか、ある日何かの話からか木戸君が「でも、労働は単純なほど尊いっていうよ」と言ったのでした。
もちろん前後の文脈など憶えているはずもありませんので、脱線して、中崎タツヤ画伯がかいた「でも、鬼岩を見ずして○○を語るなかれって言いますよ」という話を思い出します。

今では言った本人でさえ、何だか昔の資本家が労働者をまるめ込むような、そんな理屈を教えてくれたことを憶えているとは思えません。
その言葉の原典では、意味するところがちょっと違うのかも知れませんが.....
ふとした瞬間に、斜め上あたりから木戸君の言ったその一言が蘇ることがあります。
刷り込みって恐ろしい。

前夜は、数十年ぶりに同級生に会うという滅多にない出来事があったはずですが、朝起きてから頭がそれを信じようとしない気味があります。
アルコールが入ると、「スパイ大作戦」や「スティング」「トゥルーマン・ショー」みたいに仕組まれた話じゃないかとさえ、妄想は飛躍します。

Comments (2)
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すっかりご馳走になっちゃって ――犬も歩けば――

2012-05-25 | Others
 晴れた日は湿度も低く、一年のうちでも滅多にないくらい陽気の良い快適な日があります。
昨年、一昨年と、ほとんど春らしさを感じないまま暑くなってしまったので、尚更そう感じるのかも知れません。



いつも退屈している頃を見計らって白井さんが誘ってくださるので、今日も勇んで出かけました。
行くまで主旨はよく知りませんでしたが、本当のサプライズが待っているとは思いもよりません。

それは銀座並木ナイトクルーズというイベントで、並木通りの各店にお邪魔すると美味しい物をふるまっていただける、という大人のハロウィーンみたいな楽しげな催しでした。

老舗のモトヤマさんに伺って美味しいワインをいただいていると、偶然そこに一昨年の四月に話を書いた同級生の平山君がいました。
平山君とは、十代後半以来の再会なのでとても驚きましたが、ルックスが変わってないので見間違うはずはありません。逆に、突然声をかけて名乗ってきた私を、俄かには判別しがたかったようなので、私はきっと変ったのでしょう。
そしてその美味しいワインは、山梨で「自分がつくっている」とおしえてくれました。
申し訳ないことに私はずっと勘違いしていましたが、平山君は醸造家だったのです。

話しているうちに、白井さんがご存知の方とも平山君は懇意だったとわかり、なんだか単なる偶然が重なっただけとは思えない晩でした。

なぜか次に行ったクロムハーツの皆さんがまた、場違いなんて顔もせずとても親切なので、宗旨替えしてジャラジャラ痛そうなのを身につけようかと思ったほどです。


白井さんの全身を見たい、という声も聞こえてきそうですが.....
平山君には事後承諾で。


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それを買いますか

2012-05-22 | Others
 本屋の前を通りかかると、大きく宣伝された中に、「それをお金で買いますか」という何やら気になるタイトルが目にとび込んできました。
TVで見かけたことのある米国の大学教授という人がそこに写っていたので、真面目な本だと思いますが、ストレートな興味というよりそのタイトルからいろいろ妄想が湧きます。



つまんない本を買おうとして、「ほぅ、それをお金で買いますか」なんて横からそっと囁かれたら、省エネキャンペーンで忙しいサカナ君でなくてもギョギョっとしてしまいます。
「えっ、何ですか~」なんて反応するだけでなく、恥ずかしいです。

いい年齢して、アイドルの写真集なんか手にしていたら尚更です。
そういえば先日ぶらぶらしていると、輸入物のカジュアル・ウェアを置いた店の入り口に、「モモクロよりアバクロ!」なんてすごい字で大書した段ボールを見つけました。
すぐには意味が分かりませんでしたが、たぶんアイドルの事だろうと分かって笑いました。

脱線してしまいましたが、服でもハズレを手にして逡巡し「魔が差す」ようについ買ってしまおうと決断した瞬間、「ほぅ、それを買いますか?」なんて言われたらもっと恥ずかしいです。

「何を避けるべきか知っていれば、もうすでにスタイルを持っているといえる」
と、どんな人か知りませんがW.ファウラーという人が言ったそうです。

もし家中ほとんどヘンな趣味のものしかなかったら、もちろん身に着けるものもそれなりでしょう。
逆に良い趣味の物ばかりだったら、どんな組み合わせでも一定レベルの効果が得られるばかりでなく、時には思いがけなく面白いコーディネイトが出来上がる可能性があります。


ヘンなジャケット。靴は、「The Band Wagon」をはじめアステアのビデオを観まくった人が作ったに違いありません。
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恐るべし、平たい顔族

2012-05-19 | Others
 先月、休みのたびに天候がすぐれないことが三回ほど続きました。
そんなある日、妻が「じゃ、映画行く?」というので、「おっ、アーティストとか言うのかな」と思っていると、さすが「テルマエ・ロマエ!」と言い切りました。
じゃ、時間を調べてという段になって、封切りが翌日と判明しました。
さすがです。



前に、旅先で観た「タイムスクープハンター」というTV番組の話を書きました。
その時すでに初回のシリーズは終わっていましたが、最近また始まったようです。

過去にタイムスリップして、そこから送られる報告という設定ですが、歴史の教科書には出て来ない瑣末な事象を扱い、昔顔した役者さんを集める等映像の迫真性も手伝ってかなりリアルに出来てます。
当時の三面記事から拾ったような、普通じゃなかなか思いつかないような題材が取り上げられ、よく調べられていて目の付けどころに感心しますが、見逃すことが多い時間帯ですべては観ていません。

ところで、阿部さんのいう「平たい顔族」のことを、私は以前から「へのへの」と呼んでいました。
自分のことは棚に上げてましたが、家ではもちろん私はその一族として認定されています。


ロータリーエンジン40周年記念のタイ.......というのはウソです。
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Levon Helm

2012-05-17 | Rock
 先月何だか慌ただしくしていた頃、JR車内に流れるニュース映像で、ザ・バンドのメンバーだったリヴォン・ヘルムが亡くなったことを知りました。
日頃好んで聴く音楽のほとんどは、演奏者が既に物故しています。
しかも動く姿が残っていることは稀で、例えば好きなロバート・ナイトホークという人の短い映像が現存しますが、それはあくまで偶然シカゴの街を撮っていた時の副産物だったようです。



ザ・バンドの映像は「ラスト・ワルツ」と「フェスティバル・エクスプレス」しか知りませんが、特に前者はサントラもよく聴いたし、DVDも繰り返し観ます。

そんなこんなで動くカラー映像のあるザ・バンドは、私が聴くものの中では比較的最近の音楽だったのですが、紆余曲折で残ったメンバーも知らないうちに年をとっていました。

その数日前に偶然「ラスト・ワルツ」を部分的に観ていましたが、今週あらためて見直しました。
色んなゲストが目白押しのライブ・シーンはもちろんですが、スタジオに組んだステージで丁寧に演出された演奏も良いです。
ステイプルズを迎えて、メイヴィスとお父さんの脱力感も味わい深い「The Weight」、めずらしい編成でも器用な演奏を聴かせる「Evangeline」ではエミルー・ハリスを迎えるなど、特典映像でスコセッシ監督が演出を解説しています。
あらためて通して観ると、歌にタイコにリヴォン・ヘルムは味のあるミュージシャンでした。

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ワイルドじゃないダロー?

2012-05-13 | Others
 そろそろ今シーズンの旬も終わり近くなってきましたが、柑橘類でもやけに皮のしっかりしたものがあります。
果物ナイフを使わず親指を突きたて、皮を剥きにかかったところ、生爪の方が少々はがれてしまいました。
痛みが数日残って、とくに水仕事などする時は沁みて少しもワイルドじゃないです。



もう一つワイルドじゃないところがあります。
それまで着たことのないメーカーのシャツで、首に当たる部分のサイズ・タグがかたくて赤くなることがあります。
一番痛かったやつは、そのサイズ・タグの縁がどうやら熱で切断しているらしく、かたいうえにギザギザしてやけに攻撃的になっていました。
もちろんすぐ痛くなって、帰る頃にはヒリヒリです。そのかたさに耐えられる人がいたとは思えません。

イタリアの既製シャツ・メーカーはそれぞれに拘った物作りをうたっていますが、見やすいとはいえ、揃いもそろって首の一番デリケートなところにタグを付けているのは不可解です。
組合とか条例で決まってるのか......
そう言えば、理由を尋ねるのを忘れてました。

下の画像は、夏ミカンの皮を砂糖漬けにしたものの中に、甘さを抑えた羊羹を流しこんだようなお菓子です。
同封の由来書によりますと.....

萩市内では年の暮れ頃から翌夏にかけて、至るところに夏蜜柑の黄色い実を見かけることができます。
この夏蜜柑は、維新後の失業武士の救済事業のひとつとして植えたことに始まると言われており、たわわに実った木々は城下町に明るい彩どりを添えています。
「夏蜜柑丸漬」は、萩の夏蜜柑を使った菓子ひとすじに明治13年から作り続ける、夏蜜柑菓子の元祖「光國本店」(創業安政5年)の逸品です。
夏蜜柑丸漬は大正5年に3代目光國義太郎により創製されて以来、伝統の製法をそのままに丹念に手作りされています。

悲しい歴史があったんですねぇ、思わずもらい泣きしそうになりました。
やはり夏ミカンを使った、姉妹品のオレンジ・ピール砂糖漬けみたいなの(商品名:萩乃薫)を、日をおいて買ってみたところ、こちらはナポリのお菓子も裸足で逃げ出すくらいのすごい甘さでした。



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袖から先のことは.....

2012-05-05 | Others
 昼間の番組で、コメントを求められていた元大臣という人がテーブルに肘を突いた途端、ニョキッと白い手首が10cmちかく剥き出しになりました。
私共が着ないコンバーティブル・カフという袖口で、そのカフがユルユルで裄が短い日本的な着方だったからでしょう。
でも、フレンチ・カフみたいにカフリンクスで留めるものは、オーダーであっても、生地・芯地の厚みといった要因もあり、調度よいカフのサイズ設定が難しいのは確かです。



久しぶりに訪ねてくれた円山さんが、一通り話し終わるとカバンからおもむろに一冊の本を取り出しました。
廻った先で昨日買ったけど、ちょっと目を通してみてと言います。

そう言っておきながら、横からずっと話し続ける円山さんには適当に返事を返しつつ、一応全ページに目を通しました。
著者はどこかのバイヤーという方だそうで、良いスーツを買う為の指南書といった趣です。
同じような仕事でも当然向き不向きがあって、全く目が利かないと、会社によっては不良在庫の山を築いて億単位の穴をあけた人もいると聞きました。

その本によると、同じフロアに置かれた一般的な商品との整合性が心配されるような箇所もありますが、担当商品に関しては、作りに対しての拘りをあますところなく披歴されているようです。
また例えば、流行と伝統的な装いとに齟齬が懸念されるような部分について、「現在の風潮はこうですが、本来はこうあるのが望ましい」といった表現で目配りも忘れていないので、内容的にはたぶん間違った事は書いていないでしょう。

唯一気になったのは、シャツの裄丈についての記述で、「長過ぎたとしても4cmくらいまでだったらボタンをずらすことで対処できる」というような箇所がありました。
日本の百貨店等でワイシャツ売場へいくと、裄をほとんどピッタリに測って選ぶのが一般的で、その為シャツの袖口はユルユルです。

何度か書いた気がしますが、言うまでもなく、次善の策としてボタン位置を動かすわけではありません。
もちろん、既製のままでカフのサイズが合う方は手を加える必要がありませんが、首周りを合わせるのと同様、カフのゆとりも着る人に合っているのが理想です。
その為には、様々の腕の動きに追従してくれるだけのゆとりが袖丈に求められます。
すると、先の例にあった4cmではまだ足りません。

残念ながら、そうした着方に対応できる本物のシャツを揃えている店は、そう多くないのが現実です。

20代半ばにホーズを履いてみましたがすぐには馴染めず、再び試して習慣化したのは20代後半になってからでした。白麻のハンカチーフを持ち始めたのもその頃です。
今日、シャツの首周りも袖口も緩るすぎるより適度に合っていた方が、格段に見映えの良いことを知っています。
しかし、そうした基本的な部分をおさえても、悲しいかな着こなしが良くなるわけのものでもない事も、もっとよく知っています。


「シャレード」より、こちらはフレンチ・カフ。

「昼下がりの情事」より。こちらは更に画像が荒くて申しわけありませんが、左袖のシルエットで、いかにゆとりをもたせているかご覧いただけます。


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八重桜

2012-05-03 | Others
 以前はなんだか鈍重に見えた八重桜が、ここ数年良く見えます。
桜自体は変わっているわけもないので、こちらの思い込みが解けたか年齢のせいかも知れません。

賑々しく盛大に咲くさまや、生命力みなぎるように咲く姿が、今年はいっそう眩しいもののように感じました。



白洲さんの「夕顔」という本に収められている「空」というエッセイは......

新年早々不景気な話で申しわけないが、今、私は病院に入っている。ただし、病気ではない。

という出だしです。

その言でいえば、先日皆様がリアクションに困るような、超フケーキな話を書きました。
なんて書くと、「俺の話はフケーキなの?」とYさんから突っ込まれるのは必定ですが......

その後そのYさんは、原始人間と呼ばれるくらい驚異的な回復力をみせ、今月半ばの職場復帰をめざして、なまった体を慣らすように日に数時間歩くまでになりました。

先日天気に恵まれた日、入院以来はじめて職場を訪ねてくれたYさんは30分ほどいて、帰りはゆっくり戻ったそうです。
帰ってからくれたメールには、何だか気をつかってくれて、その日画像とほとんど同じ合わせだった私のカッコを何故か「良かった」と書いてありました。

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