Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

Come fly with me. ― Firenze―

2013-05-15 | Jazz
 3月は好天に恵まれ、景気は、早咲きの満開の桜が青空にはえるようでした。

4月は一転して週末の度に天気は崩れ、子供が泣くし魚は跳ねるし、猫はドーナツ枕に頭を突っ込み、段差にけつまづいた老婆のゲタの歯が欠けました。
ケッキョク.......あら、何だか昔いた占いの人みたいです。

しかし、輸入品の値上げに先回りしようという方々にとっては、バクダン低気圧もなんのその、趨勢に反していわゆるブランド品は好調だったらしいです。



毎年イタリアの地方を巡っている人から、久しぶりにフィレンツェに寄るので紳士服店をメモしといて、とリクエストがあって、店の場所が変ってないか調べてみました。

少し移転しているところもありますが、仙田社長に伺ったミラノに比べ、驚くほど持ちこたえているように感じます。
一年を通じて観光客の絶えない特別な街だからでしょうか、あるいは元々小規模で、支えてくれる顧客が地元の客と外国人と、経営にとって健全な比率を保っていた為でしょうか。

不景気といえども、そこは日頃からミケランジェロのレプリカや世界遺産を、毎日じかに眺めて暮らしている人達です。
美しいものに対する欲求や審美眼は廃れない、と思いたいところです。
でも14~5世紀の古のことはいざ知らず、基本的に足で歩き廻れるスケールの、それ故に落ち着いた田舎町であることは間違いありません。

先の人は違う分野のプロですし、ブランド品とかには興味ないタイプです。
ババを掴んで欲しくはありませんが、それさえ怖れず良いものと巡り合って、面白い話を聞かせてもらうのが楽しみです。









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Speak like a child

2013-02-04 | Jazz
 正月はいつもの年とは違っていたので、何だか自分でもわからないうちに過ぎてしまいました。
初詣や新年の挨拶も、月末ちかくまでかかったような気もします。

関東にしては大雪の降った14日の数日あとのこと、快晴の日に布団をほしていると、まだ残る雪に阻まれて車両が少ないせいか、あるいは普段遠くに聞こえている様々の音が吸収されるのか、とても静かなことに気づきました。

子供の頃、元日から営業する店はほとんどありませんでした。
正月は家で静かに過ごすことが普通でしたので、少なくとも午前中は近隣もひっそり静まりかえり特別な一日という感じがしたのを思い出します。

最近かなり日がのびてきました。
夕方5時にはまだ明るさが残って、天気の良い日には日没まで様々の色に変化する空を楽しめます。



先月末、私鉄の車内であったことだそうです。
快速電車が始発駅をでた途端、幼児が泣きはじめました。
お母さんは一生懸命あやしますが一向に泣きやむ気配がなく、次の駅までしばらくある事を思うと気が気ではなかったでしょう。

大人たちが幼児なら仕方ないことだと思い始めた頃、隣に座っていた小学生の女子が幼児にむかって、持っていた切符を手から手へハラハラと落として見せたそうです。
繰り返しやるうちに興味をそそられたのか、泣きやんだだけでなく笑い始めました。
その後、下車するまで幼児の機嫌は保たれたので車内の空気は和み、母子や小学生が降りたあとまで何やら暖かい雰囲気だったと言います。

小学生には弟妹をあやした経験があるのか、他の大人がやっていたのを見たことがあるのか、偶然の思いつきなのか、様々の推測が成り立ちます。
でも、そんなことより目の前の事象にさらっと対応したその子の機知が清々しいです。
目撃した人によると、ただ自分もそうしたくて幼児をかまい、それによって機嫌がみるみる良くなっていくことを楽しんでいただけにも見えたと言います。
生得のものでしょうか。

飛行機内での乳児の泣き声にクレームをつけた人が話題になっていましたが、前掲の話を聞かせてくれた人の職場では、いい大人がふとした切っ掛けでエゴを剥き出しにして、すっかり信頼を損ない晩節を汚す格好になったという出来事もありました。
でもそんな膠着した大人の固い頭の話で、折角の未来ある子供の楽しい話にコントラストをつける必要はまったくありませんね。








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Lee Wiley / Night in Manhattan

2011-12-20 | Jazz
 最近ご無沙汰していますが、このブログによく登場していただく方に辻静雄さんがいます。
本屋をのぞいていたら、辻さん関連の本があったので、ひとに差し上げようと買い求めました。
パラパラしていたら、もう十度目くらいなのについ読み始めると止まらなくなってしまいました。



そういえば長谷井さんの所にお邪魔した時、このブログでも始めてすぐの頃取り上げた、リー・ワイリーの「ナイト・イン・マンハッタン」が流れていたことがありました。
ある晩、飲んだ時それを思い出して、若いのになぜそんなの知ってるのか尋ねたことがあります。

すると、以前お客さんから薦められた一枚で、しかも「これは自分で買うべきものだ」と注釈をつけてくださったそうです。
なかなか言えない一言です。私なんかついあげちゃったりしますが、そこが凡人の悲しさでしょうか。
しかも伝えた事も、たいてい右から左だったり忘れられたりして、聞き入れる方も稀な気がします。

価値のある一言をいえる方と、聞く耳をもった人の幸運な出会いで、好きな盤がさらによく聴こえるような気がします。





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作男の一日

2011-07-23 | Jazz
 梅雨時にどんどん成長する雑草を横目に見ながら、草むしりを延び延びにしていました。
ドクダミが一昨年あたりから急にふえ、花を咲かせていたので、種ができないうちにと焦っていたのです。
梅雨の明けた朝、ようやく作男と化し、午前中から自分でも思ってみなかったほどのスピードで、昼食以外ひたすらむしりまくりました。



ドクダミは縦横に根を張り巡らし、思った以上に専有面積をふやしています。
その日むしっても、根が地下茎のように残って、そこからまた出てきそうな手強さがあります。

暑さと雑草のしぶとさに翻弄され、腰もフラフラしながら「このくらいで勘弁してやるか」と呟きつつ風呂に入り、無口な作男の半日が終わりました。

上がってさっぱりすると、こちらも掃除に追われていた妻と買物に行く時間です。
その日一日の夏っぽい気分を完結させようと、完熟トマトのパスタ、肉、野菜に決定。
最近はいろいろな生産者のChablisが続いていて、この日も初めて見る品と、出物のBaroloがありました。

買ったトマトは、やはり狂暴な暑さ一歩手前のものなので、完熟の甘味が若干たりませんが、酸味とのバランスも良くこの季節ならではの美味しさです。
ミネラルいっぱいの複雑なニュアンスも感じるChablisと、豊かなBarolo、家ならではの組み合わせも今回はどちらも美味しくて、「明日もホームランだ!」って何が?というくらい良い一日でした。

翌日、前日あれほど元気だった草むしりマシーンは、筋肉痛の油切れマシーンとなって不自然な足取りで展示会へと向かったのでした。




ダイゴロウじゃないです。
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かなり強引だったですか~

2011-07-12 | Jazz
 7月10日は納豆の日だそうです。その前日に関東では梅雨明け宣言がでました。
今月連投していただいている池波さんが、人の世は「勘違いで成り立っている」というので、勝手に励まされたつもりで書くんですが........

最初、政府の無策に業を煮やした松本さんという人が、孫さんの何倍もの私財をなげうって復興に乗り出したのかと思いました。
だから公務員相手に居丈高な物言いや態度ができるのかと、部分的な映像からそう思ったのです。



ところが、新しい大臣だったそうで「助けてやる」財源は税金、自分の俸給も税金、というのでは威張る態度のよって立つところが理解できません。
トオナテダ........逆、伊達直人でしょうか。

また、乱暴な口しかきけないタイプの人を知らないわけではないので、その面では驚きませんが、常にそうかと思うと辞任会見ではちゃんと話していました。
後援会の人も擁護しきれないくらいなので、例の「辞めるのやめる」発言同様、やはりこういう人たちは世間一般の感覚からかけ離れているのでしょう。

昔、昇進をさかいに人柄が変わってしまった人が若干二名ほどいました。
それまで、どちらかと言えば二人とも、他人から好かれるタイプの気さくな人だったのです。
昇進してしばらくすると、会議などで人前に出る度に激昂し、いじめとしか思えない個人攻撃を執拗に繰り返すので、誰もがおかしいと思うまでになりました。
不思議なことに、普段は以前とそれほど変って見えないのが始末に困ります。

そんな二人が続けてマネジメントをした数年間は、もちろん組織も業績も停滞しました。
それぞれに対する周囲の我慢も限界に達する頃、前任者はある日加療が必要と診断され、後任者は不適切な経理処理の引責から降格したのち辞職しました。
二人とも人前に出るのに向かなかったのか、何か悪いお手本でもあったのか、謎のままです。

多分、今尋ねたとしても、何故変わってしまったのか自覚症状はないかもしれません。
マツモもこの類か。

二十代後半の頃でした。たまに呼んでくれる百貨店の方と飲んでいると、元同僚という人が偶然来店して同席したことがありました。
何かの都合で退社されて少し経つというその人が語るには......

辞めてようやく新しい会社に入り、外を廻っていると昔の取引先に会ったりする。懐かしくてつい「よぉ」と声をかけるが、以前とは比べ物にならないくらい冷たい挨拶かもしくは無視される。
立場を利用したつもりはなかったが、思い返せば取引先に無理難題を押し付けてきたかもしれない。
自分にではなく、店の看板に相手が頭を下げていたことに気づかなかった、とのこと。

そんなことを初めて他人に語るのか、我々が目に入っていないみたいに、独り言っぽく語っていました。その後、他の取引先や元同僚の話を総合すると、やはり不必要に居丈高で人間的に問題があったらしく、良く言う人がいませんでした。
前回の清正の話とは対極みたいな事例です。

何をそこまで勘違いしたのか、と思いますが、こういうのは心得違いというのかも知れません。

ところで、先の傲慢ととられた言動に対する弁明で「わたしは九州の人間ですけん」とそこだけお国言葉になったのを聞いて、恐山のイタコにマリリン・モンローを呼び出してもらったら、「わしじゃ.......マリリン・モンローです」と逆にデスマス調で名乗った話を思い出しました。

下段の画像は、サッカー・ブラジル代表の監督で、着るもののセンスが最悪と非難されたドゥンガではありません。



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マヨナカは英語でMidnight

2011-06-15 | Jazz
 一緒に仕事していたメンバーで、一度だけしゃぶしゃぶ食べ放題に行ったことがありました。皿が空になる頃、やけに気の利く店の人がおかわりを勧めてくれます。
思いっきりビール飲んで、ほぼ切れ目なく食べ続けるので、しばらくするとさすがに苦しくなりました。
「次に店の人来ても、断ろう」と言っときながら、「おかわりいかがですかー」と聞くと、お約束のように「じゃ、お願いします」と誰かしら言うのも困りものです。
食べて笑って、あまりに苦しかったので、二度目の話は誰も言い出しませんでした。



以前書いたかどうかはっきりしませんが、「皿の上の人生」等サービス業関連の話が面白かった野地秩嘉さんの、「サービスの天才たち」という一冊を電車に乗る前に見つけました。

今回はキャディ、タクシー運転手、床屋さんなどが取材されていますが、一番面白かったのは人間じゃなくて、豊後牛の種牛「糸福号」の話でした。

「牛はね、頭をなでてあげるとすごく喜ぶの。糸福は雄なのにすごくおとなしくて、私たちの言う通りに、はいはいと動く子だった。畜産試験場に上がってからも、会いに行くとモーッと鳴いてそばに寄ってきたもの」というくらい大事に育てられ、約400頭の雄から選ばれた5頭として種牛の生活に入ったそうです。

そうして働いた14年間に生産された糸福の子は、肉牛として約180億円の売上をもたらし、野地さんが書くのには「一介の牛としては位『牛臣』を極めたといっていい」という評価を得ました。
通常種牛としての仕事をおえると、廃牛という扱いをうけるところ、多くの人の請願により特例で天寿を全うしました。豊後牛の評価を向上させた糸福は、39,157頭の子を残したそうです。

対象が牛だからでしょうか、話のトーンはユーモラスなのですが、最後、野地さんは「そんな種牛たちの気持ちを思えばステーキもしゃぶしゃぶも一片たりとも残してはいけない。今後、牛肉食べ放題の店で牛肉を食べ散らかしている人間を見つけたら、私は天国にいる糸福の代わりに怒鳴り付けてやろうと思っている」と書いています。

私たちがしゃぶしゃぶに行ったのは、野地さんがこれを書く前のことでしたが、無理にもすべて胃に収めておいてよかったです。

ところで、「面白うて、やがて悲しき」種牛の話を読んで思い出したのは、数年前に遅く帰るとたまたまやっていた番組です。ドーモ君が出没するあたりの時間帯に、たいへん堅い感じのご婦人が、おそらく自論を展開したあとだったのでしょう、締めに「夫婦の営みを子孫繁栄以外の目的にいたすのは如何なものか」とかなり断固たる調子で語っていました。
ギリシャ人やフランス人だったらどんな反応があるでしょう.....、そこの部分しか観ていませんが、未だに現実だったのか定かでありません。



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着心地

2011-06-03 | Jazz
 借りた傘を返しにいったはずが、帰りにはまた同じものを持たしてもらって、子供の遣いみたいな気分です。
つぎつぎ湿った靴がたまって、気持ち良く乾くような晴れ間が待ち遠しくて仕方ありません。

と書いておいたら、火曜日は寒いくらいに涼しくて湿度の低く快適な、梅雨の中休みとなりました。



先日、あまり試したことのないブランドのスーツに、誘われるまま袖を通してみました。
どことなく違和感を覚えながら鏡を覗くと、私の体型の悪さを差し引いても、その製品がどちらかというと横にふくらむ扁平なパターンなのだと気づきました。
極端にいうと、身体の前後に張り付いて、脇腹のあたりには隙間がある感じといったら伝わりますでしょうか。

そうした服に出会うと、普段着ているものが別段意識しなくとも十分ゆとりを感じるようどちらかというと前後にふくらみ、脇が廻り込むよう立体的に身体に沿った設計であることを再認識させられます。

ここ二十年近くの間に、優れた海外の製品がいろいろ紹介され、メーカーには良い見本となって、実際にすばらしい着心地をもつ商品へと昇華させた会社もあります。
一方、何故それらが優れた製品なのか、蘊蓄をかたむけた記事をまだ雑誌で見つけることの出来る現在でも、意外に反映されていない商品があるのは不思議な気がします。

イタリア北部の街に比較的マイナーですが優秀な工場があり、好みは別にして、そこのオリジナルには、十年以上前から既に身巾・袖巾が他社より細い商品もありました。
細くともこなれたパターンは、体操出来そうなくらい動き易いものです。
コストもこなれていた事から、数年すると大手アパレルや若年層にも人気の店が発注するようになりましたが、自社のパターンを持ち込むようになると、折角蓄積されている工場のノウハウが活きない凡庸な着心地の製品になっていました。

こうなると、ただMade in Italyのタグが付いただけで、内実はさほどのものはなく質を伴っていません。

そうした一昔以上前の理論ではカバーしきれない、優れたパターンをもつ海外の既製品も存在する現在、教育者の方は、良いパターンをひける人の育成がとても大事と口を揃えます。
日本にも経験豊富で優秀な技術者が活躍する工場がまだあるので、経験を補おうと積極的に勉強する気さえあれば、何とかなるような気もします。

いつか雨後の筍みたいに、その分野でも優秀な人材が多数輩出され、何処で何を着ても日本製は着心地最高なんていう日が来るといいです。韓国が今、盛んに芸能関係を強化しているみたいに。
着心地が完璧に近づいていけば、既にたいてい細かい仕事は丁寧ですから、あとは服としての全体の雰囲気だけです。うーん、これがそう簡単でないというより一番難しいか。

そういえば冒頭のスーツは、袖もただ安直に細くなっています。
ふとした瞬間に肩先から袖にうまれる空間が醸す、何とも言えない柔らかな笑みのような、そんな口で説明するのが難しい何でもない部分、そういう風情はまだ望むべくもありません。

またまたそういえば、十年くらい前の話でしたか、オーダーの際にデジタル・スキャナーみたいなもので身体をスキャンして採寸するというシステムを採用したアメリカの会社がありましたが、それと従来のアナログなメジャリングでは出来上がりがどう違ってくるのか興味あるところです。
またこの春くらいに、3D立体スリムだったかの商品名でCMがながれていた品も、服としての魅力は感じませんが、もし完璧ならそれはそれですごいことです。

半裸ですがレディー・ガガじゃありません。


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Royal Wedding

2011-05-03 | Jazz
 目の前を歩いていた十代の子達が別れ際に「さよなライオン!」と言うので、思わず波平君みたいに「ポポポポーン」と口ずさみそうになる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
お座敷がかかると、先約のある場合と拠所ない事情以外はよろこんでお付き合いさせていただいているので、本当はヒマなのに間遠くなっております。



震災でそれどころではありませんでしたが、世界情勢が日々急速に変化を続けています。
そんな中で、一番どうでも.....じゃなかった、軽いのが先週のロイヤル・ウェディングのニュースです。

あまり馴染みがなさそうですが、アステアが壁や天井を歩いたり踊ったりするトリックを使ったのが映画「恋愛準決勝戦」、原題が「Royal Wedding」でした。
先のトリック撮影のシーンは「That's Entertainmant」にも抜粋されていたように思いますので、そこはご存知の方も多いかと思います。
映画には、チャーチルの娘だか孫だかが出演していたはずですが、アーサー・フリードとスタンリー・ドーネンのコンビ作品にもかかわらず、他のMGM作品ほどの華がなく少し印象がうすいです。

下はもちろんロイヤル・ウェディングの記念撮影ではありません。ルイの足元はなんだかマイケルみたいです。

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Scratch my back.

2011-05-02 | Jazz
  職場の好青年が転職するということで送別会をひらいた大泉さんが、良い店だったので今度行こうと誘ってくれました。
神楽坂で魚介を専門にたべさせる店で、どれも美味しかったけど、一番良かったのは店の人が皆親切で気持ち良かったことだといいます。
あらっ、大泉さんはそんなこと気にするタイプの人じゃなかったのに、と意外に思いました。
でも、以前は経営者だった時期もあり、聴いたらきっと「何いってんの、俺はそういうの気にするよ」と返ってくるに違いないのでスルーします。



少し前に泊りがけで出掛けた先で、味だけでなくそこの奥さんの接客が評判だからと聞いて、好奇心もあって訪ねた店があります。
他愛ない話をはさみながら注文を終え、喉を潤していました。
そこへ、死角になって見えませんが外国人が電話番号のメモを片手に、待ち合わせをしたのだがこちらの店ではありませんか、と訪ねて来たようです。
すると店の奥さんは、「この番号はうちのじゃない」の一点張りで、馴れない外国人には取り付く島もないように聞こえたに違いありません。

寛いでいたはずが、メモの番号に電話して場所を聴いてあげればいいのにとか、解決策を巡らせて気を揉む始末です。
詳細は聴き取れませんでしたが、結局、追い返すようなかっこうになってしまったようです。

その対応が何となく後味の良くない結果だったからというのでもありませんが、料理は何れも並で、特段のことはありませんでした。
帰りに「評判でなかなか予約がとれないそうですね」と聴くと、たぶん料理のことだと思いますが、「でも今日で化けの皮がはがれましたでしょ?フェッ、フェッ、フェッ」とライトニン・ホプキンスみたいに笑ってました。店を出ると、こちらが角を曲がって見えなくなるまで見送っているから早く行こうと、振り向いてしまった妻が言います。

例によって何か釈然としません。
隔靴掻痒というか、背中が痒いのに脚を掻いてもらってるような、しかも背中が痒いのは私じゃなくて隣の人だったみたいな感じでしょうか。
普段、身の回りにいる親切な方々の好意に接しているせいか、何時までも見送るような事より、困っている人にこそ親切はないのか、とつい思ってしまいます。

見送る行為自体は、こうあって欲しいと思うようなマナーでしたが、この件に関してはやはり仏作って魂入れずと申しますか、かたちだけでない残心を望みたいところです。

背中を掻いてもらってウットリの図?

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八重桜とゲヴュルツトラミネール

2011-04-25 | Jazz
 今年も先週から、近所の雑木林でウグイスが鳴き始めました。
もちろんまだホーホケキョになっていませんが、日増しに近づきつつあります。
こちらも筍やホタルイカ、菜の花なんか食べているうちに、安定しない天気も忘れて、春だなぁなんて実感しています。
この春は、何故かゲヴュルツトラミネールをがぶがぶ飲みたくなるので、雨にうたれて若干色がくすんで見える八重桜を眺めながら、今春最後の花見を楽しみたいところです。



昨日はイースターだったそうです。
例に寄って、「イースター・パレード」でジュディ・ガーランドの芸、アステアのすっきりした姿とステップを楽しんで、明日からまたマンネリと取り組みたいと思います。





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マニュアルにない、心からの一言

2011-03-07 | Jazz
 その日は「辺鄙な所の白」とリクエストして、初めてのドロミテのピノ・グリージョで始めました。
ドロミテも他の名山のようにきっと海底が隆起した石灰質で、痩せた土地で期待できそうだと思っていたら、だからかどうか分かりませんが美味しいです。
茶褐色でトロっとしていたら「泥みてぇ」なんて言えたのですが、もちろんそんな事はなく、きれいな色と酸・果実味で食欲を刺激してくれます。



波平君の奥さんがフィレンツェ六泊の旅から帰って来たので、皆で集まりました。
よくハチミツの事を書いているからか、お気遣いいただいて、重いのにアレッツォのアカシア蜜をお土産にいただきました。

風光を愛で、美味しい料理を楽しみ、観光地へも足を伸ばしたそうですが、観たものの中でもサンマルコ修道院の受胎告知は印象的だったとのこと。
しかし、楽しい旅をさらに思い出深くしてくれたのは、見知らぬ人々から受けた親切だったそうです。

同行のお二方は異業種ながらサービス業で、イタリアは初めてではないそうですが、困った時に差しのべられた好意に感激し、他でもマニュアルのない素晴らしいサービスで楽しい時間を過ごしたといいます。

「文化の違い」という便利そうな一言で大雑把に括ってしまうと、見えていたものも見えなくなってしまいますが、イタリア人は、少なくとも現在の日本人よりは大事なものの優先順位を誤らないように思えます。

昨年、TVで接遇のカリスマみたいな人がよく取り上げられていました。
鬼軍曹のように怒鳴っていたかと思うと、突然顔をつくって、作り笑顔で挨拶の手本を見せるのを不思議な思いで見ました。
もしかするとご本人はちょっと違う人柄かも知れませんし、TV的に面白く編集されたそのままかも知れませんが、どこの企業でも勘違いして作り笑顔の人があふれた日には、なんと棲み辛い世の中になっていることでしょう。

直線の二車線道路にある横断歩道を、車が見えないのに赤信号で待ち続けるような人が発想したような、日本風サービスがあります。
対象のないものに一礼しながら、奉仕すべき対象には満足なサービスが提供できず、喜んでもらえないようなことは、間違ってもイタリアで見る事はなさそうです。

その晩は、新鮮な旅の思い出を聞きながら、何時になくそんな堅い話題に終始しました。

今朝の報道で、ニュージーランドの被災地を訪れた日本人被災者家族に、現地警察官の方が「ごめんなさい、助けられなくてごめんなさい」と涙ながらに言った一言に、とても慰藉を受けたとありました。

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おけそく

2011-03-03 | Jazz
 久しぶりに会った大泉さんが、「胸やけするとパセリをいっぱい食べる」と言うので、何かに似てると思ったら犬猫でした。
花屋さんによく5センチくらいに伸びた草があります。あれのイメージですね。



猫の草みたいにそれだけ見ても、何にするのか解からないものってあります。

1年ほど前、京都の和菓子屋さんのケースに「おけそく」という小さな餅を見つけました。その音が面白いと妻は笑います。
しかしそれが何なのか、しばらく解かりませんでした。
そこで、そういう店を見つける度にウィンドウを覗いてみます。

他の商品より地味なルックスと安価なことから、きっとお供えものではないかという推量にいたりました。間違ってもお土産用に大量買いするものではないだろう、とは想像がつきます。
そんなある日、一軒の和菓子屋のケースにやはりお供えだと説明書きが付いて「おけそく」が並んでいました。すっきりしました。まぁ、すぐ尋ねれば済んだのですが。

その後、イタリア料理店の主人夫婦と話していたら「おけそく」の話になりました。
40代の御夫婦はそんな名前聞いたことないと、これまた音がおかしいと言って、大笑いしています。じゃあ、お母さんに聞いてみるとメールを打ち始めました。

すると八坂さんみたいに「おけそくさん」と呼ばれたりもするそうです。
雛祭りで、和風の話題でした。







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鎌倉初詣

2011-01-21 | Jazz
 今週の新年会で、そこにいたほぼ皆さんが鶴岡八幡宮へお参りに行ったことが分かりました。我が家もだいたいこの時期で、例年呼ばれるまで待機する所が冷えるのが苦手で、やはり寒くなさそうな日を選んで行きました。
幸い今までで一番暖かかったです。



鎌倉駅からの道のりは年ごとに賑わいを増して、ここ数年のうちにオープンしたイタリアンやフレンチの店もかなりになりそうです。
バーブちゃんサチコさんノミゾーさんも新しい店で昼にしたと聞いたので、うちも新しい所にトライしてみました。

そこの店で家内がたのんだメインの魚介フリット・ミストは、ナーポリで比較的知られたドーラという店(嘘か本当か、アルマーニがわざわざ船で食べに来るという話がありました)で食べたものより、見た眼も味も良いとのことです。

平日にも関わらず、緩やかな景気回復の兆候の一つでしょうか、小町通りは原宿竹下通りかと思うほど賑わっていました。
でもこの時勢です、イタリアで修業したらしい若い料理人にはぜひ頑張ってもらいたいところです。

帰りは三時過ぎで期待できませんでしたが、鎌倉市農協連即売所とUnionに寄りました。

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They can't take that away from me

2010-12-30 | Jazz
 真夏の夜のジャズでスタイリッシュな歌を聴かせてくれるアニタ・オデイの有名な盤ですが、この頃のLPジャケットはデザインが今ひとつで、素晴らしい内容に比べるとちょっと残念な気がします。



「こぼねさん」と呼ばれる方がいまして、変わった名前だと思ったらあだ名でした。おれおれ詐欺に二度ひっかかりそうになって、それで「小骨」だと、そういうわけでした。

ひっかかると言えば、強引ですが今年の環境会議も著しい進展はなかったようです。
初めてイタリアを訪れた時、考えさせられた事は色々ありましたが、飲料の自動販売機がないのもその一つです。
その代わりと言うと順序が逆ですが、街のあちらこちらにバールと呼ばれる形態の店があり、感覚的には缶コーヒーと同じくらいの値で立ち飲み出来るよう条例で決められていたように思います。

基本的な人と人の関わり合いも保たれ、仕事を機械に譲らないことで雇用も確保されます。何よりたった200mlほどの飲料を飲むためだけに費消される資源とエネルギーは、一部リサイクルされているとは言え相当な量に違いありません。

それは一つの例えですが、日本人的に肥大する便利さを追求して、それをお仕事とするあまり歪んでしまった感覚を、目先の便利さを放棄して少しづつ見直すべき時期に来ているように感じました。



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寒波にMonkも言いたいけれど......

2010-12-21 | Jazz
 ヨーロッパの北部では記録的な寒波が先週から居座って、各地で交通機関がマヒしているそうです。日本でも今週後半から寒波がやって来て、しばらく続くような予報です。
聞いただけで寒いですね。



昔から寒さに弱かったはずですが、以前は仕事先の皆でスキーに行ったり、積極的に寒さに飛び込んでいったこともありました。おまけに夕食で温まった後、ナイターまで滑りに行ったり。
そのうち夜は外で滑るより宴会でスベっているほうが多くなり、さらにスキーを滑る機会は減っていきました。
今年は断捨離でさっぱりウェアも捨ててしまい、今では天気予報で怖気づくほど立派な寒がりの出来上がりです。

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