Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

five-foot giant

2019-10-30 |  その他
今月は、八割方雨だったと報じています。
でも、今日からは晴れて少し秋らしい陽気。

昔、三陸の小さな漁村に行った時のことです。
そこの寺の70代の住職はよその土地にいたこともあるそうで、仕事の合間に気を遣って訥々と話してくれる言葉は聞き取れましたが、他の時間相手をしてくれた奥さんの言葉は外国語のようで、初めなかなか聞き取れませんでした。
でもその時に思ったのは、不思議と「このおばちゃんは国際人だな」ということでした。
それは聞き取れない言葉が、何だかフランス語っぽかったから...ではありません。



外国人でも通じないと思って遠慮してしまうタイプの人と、そんな事はあたかも気にしてないかのように、こちらを気遣って話し続ける人がいます。
話好きと思われているイタリア人でさえどちらかと言えば前者の方が一般的だと思いますが、それと同じで閉じていない、外に向かって開いている感じがそのおばちゃんを国際人だと思った理由です。

実際にはもしかしたら、そのおばちゃんは外国人と接したことすらないかも知れません。
でも恐らくそういう機会があっても、きっと同じように接しただろうと思わせました。
残念ながらそのご夫婦は数年後、80代で亡くなっています。

同じように...というとちょっと違いますが、そのおばちゃんと何故かセットで思い出す方がいました。
こちらは誰がきいても国際人の、緒方貞子さんが亡くなられたそうです。
芯が通っていて、身長150cmくらいでも国際会議の場で大男達に屈しないことから、タイトルのように呼ばれていたとニュースで知りました。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

True colors

2019-10-29 |  その他
夜、寝ようとする頃になって、何だか気になる番組を見てしまうことがあります。
先月も、寝ようとしたのに「プロフェッショナル」の再放送を見てしまったら、技能実習制度などで来日して劣悪な環境で働く外国人を、時には逆上した経営者からガソリンを浴びせられ、火傷を負うなどして文字通り体を張ってサポートしている方を取り上げていました。

あまりに内容が重く、最後に来るいつもの「プロフェッショナルとは?」という問いに違和感を感じたほどです。(問われた方も一瞬、「何かそぐわないな」という目になったように見えました)
寝る前にはちょっとヘビーでしたが、それだけではすまない現実です。



また、先夜は作家又吉さんの「ヘウレーカ!」という番組で、話題は「色」でした。
以前も書いたことがありますが、人によって見えている色が違うのではないか、とずっと感じていました。

番組ではそれをもっと科学的に説明していて、やはり微妙に違っていたのね、と納得したしだいです。
媒体で見るような「上着、シャツ、ネクタイ」だけの組み合わせでも、まったく合ってないように見えるコーディネートもあれば、コーディネート・色の好みが合って仲良くなるなんてこともあります。
視覚のグループみたいなものが存在する、と漠然と捉えるとよいのかも知れませんが、その中にもまた、合ってる合ってないは存在するとは思います。

番組の中で、「鶏は人間より色をこまかく識別できる視神経を持っている」と教えてくれました。
もちろん鶏に聞けませんから、検証は難しそうです。


カラフル! illustrated by Leslie Saalburg.
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チャプリン

2019-10-26 |  その他
サンドウィッチマンの「自転車屋」というネタを見て笑っていたら、「前輪が50インチ、後輪13インチの自転車」というのが出てきて、「チャプリンが乗ってるヤツじゃねェか!」と突っ込んでました。


チャプリン作品の撮影中にD.W.グリフィスとフェアバンクス夫妻が訪ねたのでしょうか。
(この写真は反転しています)

それで思い出しましたが、少し前に書いた上原浦太郎さんの「洋服通」の中に、

「洋服の着こなしという奴は一寸説明が出来ない。又教わってもうまく行くものではない。訓練と経験とを俟って始めて出来るもので、一つの良い習慣とも言えようし、又日常の動作美とも考へられるし、肉体美に含まれて居る。が要するに、首、手足、胴、腰等の部分の均整と其の動作美に依って洋服を巧みに着こなすことを言うのである。着こなしの美を考へたとしても喜劇活動役者の色男の様でも甚だみにくい、又チャプリン独特の珍妙極まるモーニング・コートの着こなしも感心出来ない」

という箇所があって、チャプリンの営業用のスタイルに突っ込むなんて、なんて生真面目な方かと思いました。

確かに大多数の方が思い浮かべるチャプリンの姿といえば、あの古びた燕尾服のイメージに違いありません。
でもスクリーンを離れると、仲間だったダグラス・フェアバンクスほどではないにしても、当時の習慣としてちゃんとしたカッコをしています。
最近見ていないので細部はあやふやですが、「殺人狂時代」(1947)のヴェルドゥ氏なんかはそれを垣間見られる役です。


(既出)
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウール、カシミヤタイ

2019-10-25 |  その他


ようやく朝晩の冷えこみを感じる季節になりました。
これからのシーズンお召しになるツィードやキャメルヘア、アルパカ、カシミヤといった獣毛のジャケット、あるいはフランネル・スーツなど、ボリュームある素材に合わせて昔からウール系のネクタイも用いられてきました。
ご覧いただいている皆様には説明不要かと思いますが、お仕事により差し支えない方には、例えば夏にシルクニットやリネン・タイを用いるように、季節ならではの素材もお薦めです。






Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3650

2019-10-19 |  その他
3~4ヶ月前、どこかで私の服の画像に行き当たったアメリカの方が、コメントをくれました。
服を褒めてくれた後、「ブログに書いてある事は読めないけど、友人が訳せるかも知れないから楽しみ」なんて書いてあります。
それはこの時代に何の不思議もありませんが、このブログの記事のランキングに先日見覚えのないタイトルを見つけて 開くと、途中から話がよく分からないんですね。
もしかするとその1~2回前から読めば分かるのかも知れませんが、そこだけだと本人さえ分からないんですから、他の方に分かろうはずがありません。
ご迷惑をおかけしております。
私はもちろん遡ったりしませんでした。それでも分からない可能性大で、その時は自分でショック受けると思いましたから。



よほど印象的なことでない限り、10年前の今頃何があったか覚えていらっしゃる方は少ないと思います。
私もですが、本日のタイトルは暗証番号とかではなく、2009年10月21日スタートして今日は3650日目だそうです。
年齢は増すしネタが尽きるしで、同工異曲と申しますか、日頃変わりばえのない話にお付き合い頂きましてありがとうございます。

何か喜んで頂ける画はないかなと思ったのですが、なかなかそういう時には見つかりません。
好きな生地の画像並べても仕方ないしCDもしかり、そこで季節でもあり、L.フェロウズの秋冬を代表する画像にしました。
レプタイルがどうとか服のかたちがどうとかではなく、スタイル全般に関する何かを伝えてくれる一枚です。



同時に何かの日だなと思ったら...、昨年の今日店を開けたのでした。
お陰様で一年を迎えることが出来ました、厚く御礼申し上げます。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風雨

2019-10-16 |  その他
まだその最中ではありますが、台風で被災された皆様には謹んででお見舞い申し上げます。
私どもの辺りは21時半頃がピークで、そこへ地震が重なった時は、一瞬家が飛ぶかと思いました。



しばらく前から店の正面から見える高い所にスズメバチの巣ができて、日増しに大きくなるのを、駆除される前にアナフィラキシーショックの人が出なければいいな、と気になっていました。
その前の台風の時もあけて出勤してみると、巣には何の変化もなくて「ずいぶん丈夫にできてる」なんて感心したくらいです。



今回、翌日の日曜は結局横須賀線が動いてなかったので引き返して、月曜の体育の日に出勤してみると、巣の三分の二が吹き飛ばされていました。
どうやら、残った巣自体もすでに機能してないように見えます。

蜂の巣で台風の威力をはかるというのもおかしな話ですが、ピークの時間帯は今迄ちょっとないくらい「自然の猛威」を実感しました。
そんな事態に似合う画像なんてもちろんありません。
一番ふさわしい衣裳は、「カッパ」です!
なので「ちょっと濡れてそうな状況」でご容赦ください。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Coat of many colors

2019-10-10 | 生地
エミルー・ハリスも歌っている「Coat of many colors」という曲があります。
オリジナルは、リンダ・ロンシュタットとトリオを組んだこともある、ドリー・パートンの歌だそうです。
最初は何を歌っているか分かりませんでしたが、よく聴くと「今年はどんな色のコートかな...」なんていうのではなくむしろそのまま、日本の歌に例えると「おふくろさんよ、おふくろさん...」でもないし、ご興味ある方は動画を見て頂くのが早いです。



画像はウィンザー公の遺品がオークションにかけられた時のカタログからで、ワードローブの端切れか、気になったものを集めていたものか分かりませんが、"town clothes"とか"sports clothes"とタイトルが付されています。


(ウィンザー公のクローゼット)

ネタばらしになってしまいますが、冒頭の曲は「コートはカラフル」という邦題もあるそうで、パッチワークのコートのことでした。
「子供にコートを買えなかったお母さんが、ハギレをパッチワークにしてコートを作ってくれた」というD.パートンのほぼ実話に基づいた歌だそうで、その後TVドラマ化もされDVDにもなっているそうです。
全部聴いて頂くと、涙ありでもカラっと明るいところがこの歌の後味の良さです。
ただD.パートンのカッコと歌のギャップを、いつも私の脳がうまく処理しきれません。

前にも引用しましたが、パッチワークというと...
以前取り上げたことのある「汝の父を敬え」を書いたゲイ・タリーズが、昔エスクァイアに寄稿した父親の話です。

南イタリア出身の父は昔の職人が皆そうであったように、子供の頃から見習いに出ました。
親戚のアントニオ・クリスチャーニという男がパリに出した仕立屋に入ると、同僚にはエマニュエル・ウンガロという男もいて腕を競ったと言います。
しかし1919年新天地を求めてアメリカに渡ると、ヨーロッパと異なり美しい仕立服を求める男がほとんどいない現実を突きつけられ、需要のあった婦人服へと転換します。
やがて事業で成功するも父はそれで満たされることはなく、知人の紳士服を仕立てる時だけが唯一の楽しみだったようで、繊維の供給が制限された第二次大戦中にはサンプル・ブックの生地をかき集め、きれいな配色になるよう並べて縫い合わせると、それでジャケットを仕立て、街を散策していたとタリーズは回想しています。

これも何度か書きましたが、そのクリスチャーニという仕立屋は後年ゲーリー・クーパーやモーリス・シュバリエを顧客としてかかえドゴールから勲章を受ける等、政財界で知らぬ人がいないほど成功したパリのイタリア人でしたが、後継ぎ不在で閉店してしまいました。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フランネル・スーツ

2019-10-08 | 生地


G.クーパーの娘さん(1937年生まれ)が出したお父さんの写真集は2冊あって、画像は後から出た方に収められているクーパー夫妻です。
パンも切れそうなくらいスッと通ったパンツのクリースにより、中でもインパクトのある一枚。
ジャケットは他の写真ではあまり見ないもので、ご本人の他のワードローブよりラペル幅が狭く、体格に比べちょっと頼りないように見えます。

この画像からのインスピレーションを、リラックスした感じのジャケットに応用したことがありますが、今回はパンツの方を、ジャケットより構築的な雰囲気のフランネル・スーツにいかしてみようと思いました。
190cm近いクーパー氏はおそらく股下も85cm以上あり、シルエットも画像のままでは今日太すぎるので、ジャケットの蹴回しに押されている渡りの余分を削るイメージです。
iPhoneレンズのマジックにより、実際よりテーパードがついたように写りました。



Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オクトーバーフェスト鎌倉

2019-10-07 |  その他
今月最初の土日は、オクトーバーフェスト鎌倉2019という催しがありました。
土曜日はかなり暑く30℃超え、日曜日は風が冷んやり心地よいという恵まれた天候で、県外からも数社のメーカーが参加し、復興支援を目的にスタートしたこのイベントは今年で8回目だそうです。



「ちょいと一杯のつもりで飲んで、いつの間にやら...」ピルスナーから始まって、徐々に濃くなり各社IPAにはかなり力強いのもあり、帰る頃にはすっかり気分は出来上がってます。
日曜日は23℃と気温が低目なのもあって、ビールを大量に飲んでトイレが近くなるかと思ったら、みうらじゅんさんの説、第二次「老いるショック」という話を思い出しました。

第一次は、トイレットペーパー買い占めに走ったという'70年代の本当の「オイルショック」で、第二次は「50代に入ったある日、一緒に飲んでいても相手の話が耳に入らないほどトイレが近くなる現象」だそうで、それが「老いるショック」だと言います。



話が逸れてしまいました。
でその会場ですが、席もテントもあるし各種つまみには困らないし、ビールが好きで時間に制約のない方は相当飲んで、思いっきり支援されたのではないかと思います。
会場の一画にはステージもあり、女性だけのスチールバンド等の演奏や女子高生のチアリーディングやダンスを見ながら飲むという日常ないシチュエーションに、映画「ステート・フェア」などの村祭りや収穫祭を見た気分になりました。

麦芽やホップを多めに使い苦味ばしったのを飲んだ後は、それに負けない味のアリ・オリー・ウッドソンの頃のテンプス。
アリが58才で亡くなって9年経ちますが、また最近、その頃のいずれかを毎日のように聴きます。



このアルバムは1986年に出されたもので、その後(88年?)来日しています。
横浜公演は関内ホールで、アンコールの最後はこの中の"Someone"でした。
他のメンバーが去りライトも最少になった中、アリが五本のマイクの間を歩き回りながら歌うという演出で、閉演後しばらくして、裏から最初に出て来たのもアリでした。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする