Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

D.ジャガー

2019-08-23 |  その他
ある日突然デビッド・ジャガーが店にやって来て、ボーヤだかお付きの人が
「カード使えますか⁈」
と尋ねてきた、
なんてことはモチロンありません。


(ジャガー違い)

先日は勤めの頃の先輩が、寄ってくれました。
一通り昔話をして2Fへ上がると、
「何でこんな物がここにあるの?」
「どうして、どうして。何でだよ!」
と驚いた様子で浴びせられ、答える隙も与えてくれません。

「出張でニューヨークへ行ってた頃、◯◯のデザイン・チームがサンプルのヴィンテージものを買ってる店を紹介されたけど、ここまでのはなかった」と言います。
昔そういう会社らしきところに、当然ですがよくオークションで競り負けていたので、存在はよく知っていました。
そういうところが絡むと、本一冊でも10万近くまで上がることがしばしばあって、個人では太刀打ちできません。




増え過ぎたそれらの品を、譲ったりした事もあります。
ある日他の方が試着すると、最初ただの筒状にしか見えなかったコートが、ベルトを締めるにつれ美しいラインが現れ...
と思った途端、
「頼むから、売らないでおくれよー」
と懇願する、日本昔話みたいな声が聞こえてきました。
もちろんそんなことは初めてですし、コートは声を発しません。
幸い選にもれたその品は今も手元にあり、静かにたまの出番を待っています。
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経営...

2019-08-20 |  その他
先日、元自営業という方が訪ねて下さいました。
一通りご覧になって、「確かに変わってる」とのことで、造作かと思ったら中身もだそうです。
何代も続いた商売の方が、何でもない私の所を見て「やり足りなかったかな」と自問されるのを聞くと、何だか悪い事をしたような気がして、慌てて「勘違いですよ」と返しました。



新幹線に乗って普段見ないような小冊子をパラパラ見ていたら、「これからの経営は数字じゃなく、経験に裏打ちされた勘だ」みたいな記事があって、懐かしいような複雑な気分になります。

勤め始めてしばらくすると、これからは「数字とデータがすべて」という風が吹き始め、上がそう言えば下々は一斉に倣うのは変わりません。
だからと言って、それが活かされてるとも限りません。
数年するとそれが外から浸透して、「売れたものに即応する」のが流行になってきます。
うまくその体制を整えられないのは、もう周回遅れになるような空気でした。
しかし誰でもすぐ気づく事ですが、売れたものを追加し続けると、日用品や食品でさえ同じものばかりでは面白味は薄れていきます。現在のようなECの時代ではありませんから、店頭の場合はなおさらです。

そのシステムは一応目先の売り上げは取れるし、同業他社と同じ事をやってる安心感もあるしで、ある種中毒症状をていし、長いスパンで見ると魅力半減で客足が年々遠のく結果になります。
それを少しでも減速させようとしたのは、気骨ある物作りの人でした。
そういう人がいなくなると、雪崩を打ったように歯止めのかからない状態へと突入し、あとは国破れて山河ありというか何というか。
何だか、太平洋戦争開戦を描いたドキュメンタリーみたいです。

また先日書いた、現役で仕事していた間ずっと疑問を抱きながら流行りの服を着続けた方の場合は「服」でしたが、押しつけられた理論が間違っていて、現役中ずっとそれに従って働いていたとしたら...
なんて笑い話が頭に浮かびました。


経験と勘?
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朝の順番

2019-08-10 |  その他
以前、勤めと別に仕立屋さんに勉強に行っていた頃のこと。
ある日雑談の合間にその先生から、
「昔の人は起きてから、どういう順番で服着ていたか知ってます?」
と尋ねられて、つまってしまいました。
日頃細かいことを考えていたつもりでしたが、それはまったく想定外です。
さすが理論派と言われる方だけあって、私は見たことのない手に固まった棋士のような顔をしたことでしょう。
欧米一般の話なので、現代の日本人のように朝から風呂に入って、下着を替えたりしないのはすぐ分かります。

「朝ベッドから降りますよね、すると最初に履くのが靴、それからズボン、シャツ」
「だから細いズボンというのはなかった」

なるほど、家の中で靴を履かない日本人には感覚的にわかり難い部分です。
男の靴は一般的にがっちり出来ていますし、ご自分の靴の全長を測ったことのある方なら「こんな大きい靴履いてるのか」と、実際のサイズとの差に驚かれた経験がお有りだと思いますので、それが通る太さはなかなかのものです。
ギリギリだと引っかかって、パンツ自体を破くことになりかねませんし、顔からいってケガしないとも限りません。
その話を聞いてからだいぶ経ちますが、何か分かりやすいものはないかとずっと思っていました。
朝を描いたものではありませんが、灯台下暗しで、L.フェロウズのイラストに似た状況を描いたものがありました。
下着と靴の状態から、今まさにパンツをはこうとしています。



万一、コケて怪我するような事があればステッキのお世話になるかも知れません。


この画はGeorge B. Shepherdによるものです。


人工物のように凹凸がきれいに並んだ枝を、よく見つけましたね。

さすがに今日その太さのパンツは不自然です。
アステアの映画でもパンツは各々太さが違っていて、過度に太過ぎるのは頭の中で修正しながら見ています。
Comments (2)
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