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木星衛星「エウロパ」で1000トンの酸素が毎日生成!?探査機ジュノーが観測 スペースチャンネル宇宙系YouTuber 3/7(木) 19:00

2024-03-07 19:07:06 | 日記
木星衛星「エウロパ」で1000トンの酸素が毎日生成!?探査機ジュノーが観測
スペースチャンネル宇宙系YouTuber
3/7(木) 19:00

木星衛星「エウロパ」©Wikipedia

NASAの木星探査機「ジュノー」の観測データを分析したところ、木星の衛星「エウロパ」で1日に1000トンの酸素が生成されている可能性があると判明しました。

本日は、エウロパの生命存在可能性について解説します。

デス・スターのような土星衛星「ミマス」の地下に海が存在!?

■木星と4つのガリレオ衛星

木星は地球に比べて、大きさがおよそ11倍、重さがおよそ320倍ある太陽系最大の惑星です。木星は巨大ゆえに隕石を引き寄せやすく、地球を隕石から守ってくれています。地球が生命を育むうえで非常に重要な役割を担っているんです。

そんな木星にはガリレオ衛星と呼ばれる代表的な衛星が4個あります。その中の「エウロパ」の表面は氷の地面に覆われていて、線のような地面の割れ目が見えます。木星からの潮汐力からの影響で、内部は暖かいと考えられているんですね。エウロパは地下に海水が広がっていると予想され、地球外生命体がいる可能性が高いと言われています。

■エウロパの表面で噴き出す水蒸気を観測!?

ハッブル宇宙望遠鏡©NASA / Wikipedia

元々エウロパには内部に海が広がっているんじゃないかという説がありましたが、実は最近までは仮説の域を出ていませんでした。しかし、2013年にハッブル宇宙望遠鏡の観測により、エウロパ表面から水蒸気と思われる物質が噴き出していることを確認したんです。これは非常に重要な発見で、エウロパの内部に海が広がっていることがほぼ決定的になった瞬間でした。

ハッブル宇宙望遠鏡も良くそんな水蒸気を見つけられたなと思う方もいるんじゃないでしょうか。なんとその水蒸気は高度200kmの高さに達し、エウロパの表面に降り注いでいるということです。エベレストの標高が約9kmとすると、200kmの水蒸気って一体どんな眺めなんでしょうね。

■エウロパの生命存在可能性は?

木星探査機「ジュノー」©NASA

しかし、太陽の届かないエウロパの海の中で、果たして生物は生息できるのでしょうか。生物は太陽からのエネルギーがなければ生きれないと思われがちですが、実は太陽がなくても生きていくことはできるのです。例えば、地球の海底の熱水噴出孔には地熱エネルギーがあふれていて、それを食料とするエビやカニ、チューブワームなどの生物が確認されています。

更にエウロパでは、生命にとって不可欠な炭素や塩も見つかっています。今までは隕石がエウロパに衝突することで炭素が持ち込まれたという説がありましたが、どうやらエウロパの内部に広がっている海からもたらされた可能性が高いとのことです。

そして今回、NASAの木星探査機「ジュノー」の観測データを分析したところ、木星の衛星「エウロパ」で1日に1000トンの酸素が生成されている可能性があると判明しました。地球では植物が光合成することにより酸素が生成されています。一方エウロパでは、宇宙から飛来した荷電粒子が表面の氷にぶつかることで、酸素と水素に分解されているとのことです。

しかし、今回推定された酸素の量は今までの予想を下回る量であったとのことです。ただ、この結果が必ずしもエウロパに生命が存在できないことを示す訳ではなく、今後も観測データの解析を進めていく予定です。

もしかすると、エウロパの海底にもリトルマーメイドのように色んな生き物が生息しているかもしれませんね。もし生物がいるなら、一体どんな形をしているのか、知能はあるのかなど、是非一目見てみたいですね。


【日本市況】円高加速、月内のマイナス金利解除意識-株ほぼ500円安 2024年3月7日 13:17 JST 更新日時 2024年3月7日 15:43 JSTブルームバーグ

2024-03-07 18:49:51 | 日記

【日本市況】円高加速、月内のマイナス金利解除意識-株ほぼ500円安
上野英治郎
2024年3月7日 13:17 JST
更新日時 2024年3月7日 15:43 JSTブルームバーグ

148円台前半と2月8日以来の円高-連合の賃上げ要求5.85%受け
3月はマイナス金利解除か現状維持、4月に動くのは確実-みずほ証


Japanese flag at the main entrance of The Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan, on Tuesday, Nov. 14, 2023. Japan’s economy slipped back into reverse over the summer, underscoring the fragility of the country’s recovery and backing the case for continued support from the Bank of Japan and the government. Photographer: Kosuke Okahara/Bloomberg

7日の金融・証券市場では、円相場が対ドルで1カ月ぶりの高値に上昇している。賃金統計が市場予想以上に改善して日本銀行が次回の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除する可能性が意識されている。長期金利は上昇して日本株は大幅下落に転じた。

実質賃金13カ月ぶり水準に改善、基本給堅調-日銀正常化へ追い風

今春闘の要求賃上げ率は平均5.85%、30年ぶり5%超え-連合

Bank of Japan Governor Kazuo Ueda News Conference After Rate Decision
日銀の植田総裁
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  連合が2024年春闘で参加の労働組合が要求した賃上げ率が平均5.85%だったと発表したことを受け、円相場は一時1ドル=148円台前半と2月8日以来の円高水準を付けた。18、19日の日銀決定会合で一部委員がマイナス金利政策解除が妥当と意見表明する見通しとの6日の報道に続き、毎月勤労統計で実質賃金が改善、一部政府関係者がマイナス金利解除に容認姿勢を示したことも明らかになった。いずれも日銀の政策正常化を後押しして円高、金利上昇、株安を促した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は年内いずれかの時点で利下げを開始するのが適切になる可能性が高いとしつつ、当局としてまだその用意はないことを6日明確にした。日銀のマイナス金利解除も4月の可能性もある。金融・証券市場は日米金融当局の政策変更の時期やその後の政策姿勢についての予想に左右されそうだ。

日銀の3月か4月のマイナス金利解除、一部の政府関係者が容認姿勢

  みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、3月日銀会合ではマイナス金利解除と現状維持の2パターンが想定されるとしながら、現状維持でも植田和男総裁の会見でマイナス金利解除趣旨の発言が聞かれ、日銀が4月に動くことは確実視されると指摘した。

乱高下するスワップ市場、日銀3月利上げの確率が急上昇
7日の金融・証券市場の動き

円は対ドルで一時前日比0.7%高の148円29銭と2月8日以来の水準まで上昇

長期国債先物3月物の終値は前日比19銭安の146円25銭
新発10年債利回りは1.5ベーシスポイント(bp)高い0.725%
一時0.735%と約2週間ぶり高水準
新発2年債利回りは一時0.195%と2011年4月以来の高水準

東証株価指数(TOPIX)終値は前日比12.13ポイント(0.4%)安の2718.54
日経平均株価は492円07銭(1.2%)安の3万9598円71銭
TOPIXと日経平均はともに午前に1%近く値上がりする場面があった

為替

  東京外国為替市場の円相場は一時148円台前半と1カ月ぶりの水準まで上昇した。毎月勤労統計で賃金の伸びが市場予想を上回ったことや一部政府関係者が日銀のマイナス金利解除について容認する姿勢を示したことが円を押し上げている。日銀の中川順子審議委員の発言に対する反応は限定的となっている。

  りそなホールディングス市場企画部の石田武為替ストラテジストは、すべての材料が円買いになっていると指摘。3月会合での政策修正の可能性が意識されており「2月後半くらいに円相場のボラティリティーが下がり過ぎていたし、円売りポジションも膨らみ過ぎていたので、両方で巻き戻しが入りやすく円買いになっている」と述べた。

ドル・円相場の日中推移


債券

  7日の債券相場は下落。日本銀行が18、19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除するとの観測や30年国債入札が低調な結果となったことを受けて売りが優勢だった。

新発国債利回り(午後3時時点)
先物 2年債 5年債 10年債 20年債 30年債 40年債
146円25銭 0.190% 0.380% 0.730% 1.475% 1.765% 2.005%
前日比 19銭安 +1.0bp +1.0bp +2.0bp +2.0bp +1.5bp +2.0bp

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、日銀の中川審議委員の会見内容について、「午前の講演からあまり外れていない。内田真一副総裁などとの発言と矛盾しておらず、想定内のタカ派的な内容」と述べた。30年国債入札は2週間後の会合でマイナス金利政策が解除されている可能性がある中で、金利水準が低かったことから低調な結果になったとの見方も示した。

  岡三証券の長谷川直也債券シニアストラテジストは、実質賃金は「特別給与の伸びが大きかったことが要因とみられ、今までと大きく変わったわけではない」と指摘。「賃上げがそこそこ強く、物価が鈍化すれば、実質賃金のプラス化という見通しに沿ったものになる」との見方を示した。

  30年債入札結果によると、最低落札価格は96円30銭と市場予想(96円55銭)を下回り、大きいと不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は37銭と、前回の17銭から拡大した。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.93倍と、前回を下回った。

債券先物の日中推移


株式

  東京株式市場で日経平均株価は上昇して取引を開始したが、その後は一時572円安まで下落した。為替が円高方向に振れたことが嫌気され、自動車銘柄に売りが出て指数を押し下げた。金利上昇で割高感の生じるグロース(成長)株も安く、東京エレクトロンなど値がさの半導体関連銘柄が大きく下げた。一方、金利上昇の恩恵を受ける銀行や保険など金融株は上昇した。

  サクソ・マーケッツのマーケット・ストラテジスト、チャルー・チャナナ氏は1月の賃金データと中川日銀委員のコメントなどで「日銀がマイナス金利解除を3月か4月に行う確率が増し、半導体株のモメンタムをくじいた」と述べた。

  野村証券の小高貴久シニア・ストラテジストは、日銀委員の一部が3月のマイナス金利解除が妥当とみているなどの報道を受けて「金融環境の改善を期待した買いが金融株を中心に入っている」と語った。

日経平均株価の日中推移



関連記事:

2%物価目標実現に向け「着実に歩を進めている」-中川日銀委員
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エヌビディア株に「バブル説」、運用好調のESGファンド運用者警戒 2024年3月7日 12:15 JSTブルームバーグ

2024-03-07 18:34:33 | 日記

エヌビディア株に「バブル説」、運用好調のESGファンド運用者警戒
Natasha White
2024年3月7日 12:15 JSTブルームバーグ

ESGファンド、エヌビディア株エクスポージャーが昨年末に減少
エヌビディアはリテール銘柄に、「バブル予感させる」-バレット氏

半導体メーカーの米エヌビディアの株価急騰が持続不能になりかねないとの懸念が、昨年同社株に大きく賭けて市場に勝ったESG(環境・社会・企業統治)投資マネジャーの間に広がっている。

  ブルームバーグのESGファンド番付でパフォーマンス首位に浮上した「スウェドバンク・ロブル・テクノロジー」で昨年、エヌビディアを最大の組み入れ銘柄にする決定を監督したクリストファー・バレット氏は「長期的には楽観的だが、バリュエーションが必ずしも魅力的でないことは認識している」とコメント。欧州連合(EU)ルールの下でESG指標を「促進」する銘柄として登録されている同ファンドは、2023年にプラス53%のリターンを記録した。

  しかし、バレット氏によれば、現在はエヌビディアが自らの成功の犠牲になるかもしれないという懸念がある。

  「エヌビディアはリテール銘柄になったという認識がある。それは潜在的にバブルを予感させる」とバレット氏は指摘した。

  モーニングスター・ダイレクトの最新データによると、エヌビディア株を保有するESGファンドの比率は、2023年4-6月(第2四半期)時点で全体の20%だったが、12月末には15%に低下した。

  モーニングスターのESG基準を満たす株式重視のオープンエンド型ファンドと上場投資信託(ETF)を対象とした同データでは、昨年末時点でこうしたファンドのエヌビディアへのエクスポージャーはおよそ176億ドル(約2兆6200億円)で、23年半ばから約10%減少した。同期間にエヌビディア株の時価総額は17%増加した。

Nvidia's Stratospheric Growth | Investors wonder how long it can last



  エヌビディアの熱狂的なファンは、人工知能(AI)開発に必要なチップ市場における同社の支配力に注目する。ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)はゲーマー向けグラフィックカードのニッチメーカーを2兆ドル規模の巨大テクノロジー企業に成長させた。同社株の急落を警戒する声はいまのところ、目を見張るような株価急騰を受けたものだ。

   昨年、同社の時価総額は240%近く増加し、今年はすでに80%近く増えた。ブルームバーグの集計データによると、エヌビディアを調査するアナリスト66人のうち、顧客に売りを勧めているアナリストはいない一方、60人は投資家に買い続けるべきだと推奨している。

  エヌビディアの広報担当者はコメントを控えた。

関連記事:

AI王者のエヌビディア、S&P500入りから20年で最高値の立役者に
エヌビディア、時価総額で世界第3位に浮上-サウジアラムコを抜く

原題:Nvidia ‘Bubble’ Talk Spreads to ESG Fund Managers Who Rode Highs(抜粋)

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見事なヒスイの石仮面をマヤの王墓で発見、「闇の時代」解明の手がかりとなる嵐の神 3/7(木) 11:31配信 ナショナル ジオグラフィック日本版

2024-03-07 17:52:15 | 日記
見事なヒスイの石仮面をマヤの王墓で発見、「闇の時代」解明の手がかりとなる嵐の神
3/7(木) 11:31配信
ナショナル ジオグラフィック日本版

「きわめて珍しい」と考古学者、盗掘を免れたグアテマラのチョチキタム遺跡で発掘

翡翠(ヒスイ)のモザイクでできた小さな仮面。目と歯にはウミギクガイの殻が使われ、嵐の神を表している。紀元350年ごろにチョチキタムに埋葬された王の胸の上に置かれていた。(PHOTOGRAPH BY RUBÉN SALGADO ESCUDERO)

 チョチキタム遺跡は、中米グアテマラのヤシの木が茂る熱帯雨林の中、落ち葉と石の塊に埋もれた場所にある。これまでほとんど知られていなかったこの遺跡は、考古学的な大発見が起こるような場所にはとても見えないかもしれない。ましてや、長い間、研究者たちを悩ませてきた闇の時代の手がかりが見つかるとは、誰も考えなかったはずだ。

【関連写真】ギャラリー:見事なヒスイの石仮面をマヤの王墓で発見 写真13点

 しかし、それが現実になった。この場所で、翡翠(ヒスイ)を組み合わせて作ったミステリアスな仮面が発見されたのだ。これまで知られていなかったマヤの王のものだと考えられている。

 この発見から、1700年近く前の古典期初期のマヤ文明における篤い信仰と王位継承の実態が浮かび上がってくる。それだけでなく、この時代のマヤの王族が、マヤよりもさらに強力なメソアメリカの王朝の支配下にあった可能性があるという説の信憑性を高めそうだ。

「この点に関しては、さまざまな説があります」と話すのは、考古学者でナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)でもあるフランシスコ・エストラーダ゠ベリ 氏だ。「この仮面によって、マヤの歴史に関する古い解釈が葬り去られる日はますます近づくことでしょう」
王のピラミッドと棺の発見

 チョチキタム遺跡とその歴史は、時の経過による荒廃と深い熱帯雨林にはばまれて、長い間謎に包まれていた。遺跡があるペテン県は、グアテマラ北東部に位置する低地帯で、メキシコとベリーズに挟まれている。遺跡自体は20世紀初頭から知られていたが、マヤ文明とのつながりについては、ごく最近までわかっていなかった。

 理由のひとつは、遺跡ができた年代にある。マヤ古典期は紀元250年から900年ごろで、マヤ文明の最盛期と重なる。しかし、この時期の文献はほとんど皆無で、栄光のほとんどは盗掘によって失われてしまった。

 実際、チョチキタムも盗掘者の餌食になっていた。2021年に、レーザー光線による測距技術である「ライダー(LiDAR)」を使った調査では、遺跡の中心である王家のピラミッドと思われる建造物に、盗掘用のトンネルが掘られていたことがわかった。しかし、エストラーダ゠ベリ氏と同僚のブハニー・ジロン氏は、盗掘者たちが見逃した場所があることに気づき、発掘調査を行った。

「簡単なことではありませんでした」と、米テュレーン大学中米研究所の教授で、マヤの先古典期と古典期に詳しいエストラーダ゠ベリ氏は話す。

 ピラミッドを7メートル以上も掘り進んだところで、ジロン氏が頭蓋骨と何本かの歯、そして棺のような形の石の箱を見つけた。箱の上部は壊れていたが、エストラーダ゠ベリ氏は副葬品を見つけた。壺、巨大なカキの殻を組み合わせたもの、いくつかの骨の破片、そして、美しい翡翠が丁寧に並べられていた。


王にふさわしい翡翠の仮面

 2022年6月下旬、研究室に戻ったエストラーダ゠ベリ氏は翡翠に注目した。これは考古学者がテッセラと呼ぶもので、ほかのマヤ遺跡では、王族を埋葬する際のモザイクの仮面に使われてきた。神や先祖の象徴として、埋葬者の富や権力を表していることが多い。

 何度か翡翠のタイルを動かすと、渦巻き状の目と鋭い歯を持つ顔ができた。

 また、目ざとい同僚が、墓の主のものと思われた骨の一部に、黒曜石で刻んだと思われる細かい彫刻に気づいた。骨のうち2つは埋葬された王のものではないこともわかったが、その彫刻から、支配者である王の身元が明らかになった。なんとその彫刻に描かれていたのは、マヤの神の頭を掲げる支配者だった。それは、エストラーダ゠ベリ氏がよみがえらせた仮面の神そのものだった。

 しかし、この王や神は何者なのだろうか。エストラーダ゠ベリ氏は、米アラバマ大学の考古学者で、マヤの碑文に詳しいアレクサンドル・トコビニン氏の協力を得て、彫刻の解読にあたった。そして、謎の支配者と神の身元が明らかになった。支配者は、イツァム・コカジュ・バフラム(「太陽神/鳥/ジャガー」の意)。そして渦巻く神は、考古学者たちにヤクス・ワヤーブ・チャウクG1(「最初の魔術師 雨の神」の意)と呼ばれている存在で、マヤの嵐の神だった。

 エストラーダ゠ベリ氏は、この発見は「きわめて珍しい」と言い、まだ明らかになっていない時代や場所の貴重な情報源になるだろうと述べている。
地方と中央、それぞれの王

 墓から見つかった香や骨の放射性炭素年代測定を行ったところ、イツァム・コカジュ・バフラムは、紀元350年ごろのチョチキタムの王だったとみられることがわかった。

 埋葬の場所から、その主がエリート階級や王権を持つマヤの支配者であることは明らかだ。しかし、遺跡で見つかった工芸品や建築物から、当時の地方指導者の多くはさらに強力な王に従属していた、あるいは操られていたという説の信憑性が増している。また、この遺跡から見つかった品の中には、ほかの強力なメソアメリカ都市で見つかった品を思わせるものもある。そのひとつが、全裸のイツァム・コカジュ・バフラムの姿を描いたものだ。

「これがティカルやテオティワカンの影響下にあったマヤの王だったことは明らかです」とエストラーダ゠ベリ氏は言う。古代メソアメリカの都市テオティワカンは現在のメキシコにあり、マヤの都市ティカルは同じペテン県にある。どちらも、僻地と言えるチョチキタムよりも大きく、影響力も強かった。

「遺跡からは、隷属的な地位にあったという証拠は見つかっていません。しかし、状況から考えれば、ティカルには直接的に隷属し、テオティワカンには間接的に隷属していたと思われます」

 チョチキタムの王たちの詳細や、謎につつまれたマヤ古典期初期の強力な支配者たちとのつながりについては、まだわからないことが多い。エストラーダ゠ベリ氏のチームは、遺跡で見つかった骨の古代DNA調査や、打ち捨てられたピラミッドからさらに宝が見つかる可能性など、あらゆることを調査し尽くすつもりだ。

 それが明らかになるまでは、失われたマヤ王の翡翠の仮面を堪能することにしよう。エストラーダ゠ベリ氏によると、この仮面と彫刻が施された骨は、地道で骨の折れる考古学調査の世界ではめったに味わうことができないスリルに満ちているという。

「今、目の前にあるのは骨ですが、それを調べることで、彼がきらびやかな衣装を着て、王位の象徴である品を手にし、王権を掌握していた様子が見えてきます。これはたまらなくわくわくする瞬間で、考古学者としての特権です」と、エストラーダ゠ベリ氏は話す。「ときには、幸運に恵まれることもあるのです」

文=ERIN BLAKEMORE/訳=鈴木和博

巨大ポンプ車「大キリン」を無償提供 原発事故の危機的状況を救った中国企業 #知り続ける 3/7(木) 11:04配信 福島中央テレビ

2024-03-07 17:36:34 | 日記
巨大ポンプ車「大キリン」を無償提供 原発事故の危機的状況を救った中国企業 #知り続ける
3/7(木) 11:04配信
福島中央テレビ



あまり知られていない、あるいは忘れられてしまった重要な事実がある。約13年前に起きた福島第一原発の事故で最大の危機とされたのは水素爆発や漏れ出た放射性物質による被ばくではなく、4号機の核燃料を保管するプールだった。プールの水が干上がれば1535体の核燃料が溶けだし、膨大な量の放射性物質が人々が暮らす環境中に放出され、東日本に人が住めなくなると予測された。その危機を食い止め、暴走する原発を安定化させるに至った背景には、ある中国企業の「善意」があった。

胸に刻んで13年 #知り続ける
死と隣り合わせの現場…「何かできないか」中国出身男性の思い

2011年3月23日に上空から撮影された福島第一原発の原子炉建屋

その光景は現場で事故収束作業にあたった人たちの脳裏に今もこびりついている。2011年の3月12日と14日、15日に起きた福島第一原発の水素爆発。吹き飛ばされた無数のコンクリート片が地上に砕け落ち、大量の放射性物質が周囲に撒き散らされた。死と隣り合わせの状況下で、原子炉建屋のすぐ傍にいた作業員や自衛官たちは「まるで戦場のようだった」と語る。

「ものすごい音がして、何かが吹っ飛んできて建物のガラスとかも一気に壊れて…」。
「人の頭ほどのコンクリートが空から降ってくる、あたったら死ぬと思った」。
「(爆発は)響く音でした。そして放射能を含んだ煙が迫ってきて、被ばくしないために、みんなで一斉に車の中に逃げて…息を殺して煙が通り過ぎるのを待って…」。

汚染された無数のガレキが散乱する現場では作業員らが被ばくを覚悟で作業にあたった。1、2、3号機では核燃料が溶けるメルトダウンが起き、消防ポンプ車による懸命の冷却が行われていた。
都内の会社事務所のテレビの前で、この状況を固唾をのんで見守っていたのが、建設機械の販売会社の社長で、中国出身の龍潤生(りゅう・じゅんせい)さん。「何か自分にできることは…」と強く感じたという。

「1993年に日本に留学してから大学院修了まで、学校やアルバイト先などで多くの日本人に親切にしてもらった。『一滴の水をもらったら、できるときはバケツで返す』と親から教えてもらっていたから、日本を救いたいという気持ちだった」。



東日本壊滅の危機…「(費用は)いくらでもいいから、持ってきて」

自衛隊ヘリによる上空からの注水を決行したが…

この時、最大の危機とされたのは核燃料プールだった。1号機には392体、2号機には615体、3号機には566体、そして4号機には1535体もの核燃料が高さ50メートルある原子炉建屋の最上階のプールの中に保管されていた。特に4号機の発熱量は大きく、14日の午前4時ごろのプールの温度は84℃にまで上昇していた。プールに注水することができなければ、3月下旬には水位が下がり燃料が露出する恐れがあった。水が干上がれば膨大な量の放射性物質が環境中に放出され、東日本に人が住めないほど汚染されると予測された。
3月17日から自衛隊はヘリによる上空からの注水を決行したが、プールにピンポイントに入れることはできなかった。東京消防庁による放水でなんとか状況の悪化を食い止めていたが、効果的な一手を打てない状況だった。

「水をいれるなら私たちの専門分野だ」

龍さんは、自身が販売代理店を務める中国の建設機械企業・三一重工(SANY)が高層ビルの建設などで使用される世界一長い62メートルのアームを持つコンクリートポンプ車を製造していたことを思い出す。すぐさま、東京電力に電話すると、担当者は興奮気味に即答した。

「もう(費用は)いくらでもいいから、持ってきてください、すぐに!」
日本に「販売」しない 会長の決断

建設現場で活躍する三一重工(SANY)の巨大ポンプ車

龍さんは、この巨大ポンプ車を製造した三一重工の梁穏根会長に連絡を入れ、日本に運びたいと提案した。すると、梁会長の反応は予想を上回るものだった。

「(巨大ポンプ車を)日本に販売してはいけません。利益はいらない。寄付しましょう。こういう時はみんな助け合いです。技術的なサポートも提供しましょう」。


巨大ポンプ車の販売価格は約1億5000万円。すでにドイツの企業への販売が決まっていて、上海の港で出荷待ちの状態だった。ドイツ企業の快諾もあり、すぐに日本に向け出発した。しかし、大型機械の輸送は通常なら通関の手続きなどで数週間、場合によっては数ヶ月かかってしまう。



「1分1秒の争い」“善意”から広がった助け合いの輪

パトカーに護送される三一重工の巨大ポンプ車

刻一刻と迫る危機。龍さんは、三一重工の社員などとチームを組み。最短で巨大ポンプ車を日本へ運ぶ作戦を考えた。

「政府対政府だと時間がかかる。一番早いルートは赤十字だ」。

巨大ポンプ車を日本赤十字に渡るよう手配し、空きがあった船や港を抑え、上海港出発からわずか2日で大阪の港に届けた。

「1分1秒の争い、そんな緊迫感の中でやっていた」。

龍さんは事前に関係各所との協議を済ませ、巨大ポンプ車は日本に上陸した後、パトカーによる先導と護衛の下、運ばれた。
巨大ポンプ車は千葉県野田市に到着し、そこで2日間、三一重工の技術者が東京電力の社員に遠隔での操作方法などを教えた。ここにくるまで、龍さんをはじめ、三一重工、港や千葉県での訓練土地を確保した大阪や東京の企業など日中の様々な立場の人たちが関わっていた。国境を越えて、立ちはだかる巨大な危機を前に、手を取り合った。
「宝物」の経験…日本を救ったのは中国企業の“善意”

当時の事を思い返す龍さん

3月下旬、他社の大型コンクリートポンプ車も第一原発に続々と集結し、核燃料プールへの注水作業が開始された。龍さんらが手配した巨大ポンプ車も3月31日から注水作業に加わった。62メートルのアームが空に向かって伸ばされると、アームの先に放水口が悠々と原子炉建屋の頭上を超えていった。真上からトン単位という大量の水がピンポイントで燃料プールに注がれた。直後、東京電力から「冷却できました!ありがとう!!」と感謝の報告を受け、龍さんと仲間たちは歓声をあげて喜んだという。

「嬉しくて、全員嬉しかった。社会の役に立ったことはいまでも宝物」。

この注水作業によって危機は食い止められ、暴走する原発は安定化へ向かった。龍さんのアイディアからわずか1週間ほどの出来事だった。東日本壊滅の危機を回避できた背景には、一人の善意から広まった助け合いがあった。大活躍を果たした巨大ポンプ車はその後、「大キリン」という愛称をつけられ、今も非常時に備え、福島第一原発の構内にある。龍さんの会社は今も定期的に部品の交換やメンテナンス作業を無償で続けている。


「対話が足りない」始まる処理水の放出、深まる日中関係の溝

福島第一原発から海洋放出される「処理水」

あの日の危機からまもなく13年。今、日本と中国は大きな問題を抱えている。去年8月、日本政府と東京電力は第一原発に溜まり続けていた「処理水」の海への放出を開始した。放出される処理水は汚染水を浄化後、国の安全基準値の40分の1に海水で薄めたものだ。日本政府は安全と言うが、中国政府は処理水を「核汚染水」と表現し、猛抗議した。さらに、日本からの水産物を全面的に禁輸する措置を打ち出し、日中関係に大きな亀裂が入った。

「本来であればお互いに大切な国家のはずです」

龍さんも今の日中関係を危機的だと感じている。禁輸措置は日本で水産業などを営む人に、中国国内で日本食店を展開する人にも、大きな影響を与える。しかし、科学的に安全と説明する日本政府の姿勢には疑問も残る。

「普通なら、なぜ十数年溜めたのに今放出するのか、影響がないならなぜ今まで放出しなかったのかと思われる。政府の決定プロセスはもちろんあるが、国が違えば、関心や得られる情報量は当然変わる。日本でずっと生活しているからこそ納得できたこともある」。

その上で、龍さんは国際的に理解を深めていくためには継続的な対話が欠かせないという。まずは、その対話を始められるきっかけを見出すことが日中両政府に求められているのかもしれない。

「処理水について正しく海外に理解してもらうためには、もっと国家間の会話と説明が必要。お互いの相互理解と助け合いが大事。国と国、あるいは国民と国民の相互理解が深まっていけば、友好にもつながっていく」。

コロナ禍を経て、世界中で人と人との交流が再び始まっている。立ちはだかる国家間の壁に、「善意」の輪が再び広がることを期待したい。

※この記事は福島中央テレビとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。

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