ブラックストーンがアリナミン製薬売却検討、約3000億円-関係者
谷口崇子、Manuel Baigorri
2024年6月3日 15:31 JST 更新日時 2024年6月3日 17:31 JST
米投資会社ブラックストーン・グループが、武田薬品工業から2021年に買収した一般医薬品(大衆薬)事業を手がける「アリナミン製薬」(東京都千代田区)の売却を検討していることが3日、分かった。複数の関係者が明らかにした。
ブラックストーンはファイナンシャル・アドバイザーを起用し、アリナミン製薬の売却の検討を進めており、評価額は約3000億円となる可能性がある。アジア拠点のMBKパートナーズやスウェーデンのEQT、欧州系のCVCキャピタル・パートナーズなどのプライベートエクイティー(PE、未公開株)ファンドが関心を寄せているという。
General Images Of Pharmaceutical Companies Ahead Of Earnings
ブラックストーンがアリナミン製薬の売却検討
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
関係者の1人によると、ブラックストーンはアリナミン製薬について売却のほか、新規株式公開(IPO)することも選択肢として考えられるという。現在も検討は進められており、PEファンドが買収を断念する可能性も残っている。
ブラックストーンの広報担当者はコメントを控えた。MBKとEQT、CVCの各ファンドの広報担当者もコメントを控えた。
ブラックストーンは21年に武田薬から約2420億円で旧武田コンシューマーヘルスケア(現アリナミン製薬)を買収。同社の主力商品にはビタミン剤の「アリナミン」や風邪薬の「ベンザブロック」などがある。
アリナミン製薬はブラックストーンの傘下入り以降、22年に「茶のしずく」ブランドで石鹸やスキンケア製品を展開する悠香ホールディングスを買収したほか、24年4月には武田薬の子会社でアリナミンブランド製品の一部などの製造を受託していた日本製薬の買収を発表している。
アリナミン製薬の決算公告によると、23年3月期の売上高は639億円と買収時の2年前(533億円)に比べて20%増えた。
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