エヌビディア株に「バブル説」、運用好調のESGファンド運用者警戒
Natasha White
2024年3月7日 12:15 JSTブルームバーグ
ESGファンド、エヌビディア株エクスポージャーが昨年末に減少
エヌビディアはリテール銘柄に、「バブル予感させる」-バレット氏
半導体メーカーの米エヌビディアの株価急騰が持続不能になりかねないとの懸念が、昨年同社株に大きく賭けて市場に勝ったESG(環境・社会・企業統治)投資マネジャーの間に広がっている。
ブルームバーグのESGファンド番付でパフォーマンス首位に浮上した「スウェドバンク・ロブル・テクノロジー」で昨年、エヌビディアを最大の組み入れ銘柄にする決定を監督したクリストファー・バレット氏は「長期的には楽観的だが、バリュエーションが必ずしも魅力的でないことは認識している」とコメント。欧州連合(EU)ルールの下でESG指標を「促進」する銘柄として登録されている同ファンドは、2023年にプラス53%のリターンを記録した。
しかし、バレット氏によれば、現在はエヌビディアが自らの成功の犠牲になるかもしれないという懸念がある。
「エヌビディアはリテール銘柄になったという認識がある。それは潜在的にバブルを予感させる」とバレット氏は指摘した。
モーニングスター・ダイレクトの最新データによると、エヌビディア株を保有するESGファンドの比率は、2023年4-6月(第2四半期)時点で全体の20%だったが、12月末には15%に低下した。
モーニングスターのESG基準を満たす株式重視のオープンエンド型ファンドと上場投資信託(ETF)を対象とした同データでは、昨年末時点でこうしたファンドのエヌビディアへのエクスポージャーはおよそ176億ドル(約2兆6200億円)で、23年半ばから約10%減少した。同期間にエヌビディア株の時価総額は17%増加した。
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エヌビディアの熱狂的なファンは、人工知能(AI)開発に必要なチップ市場における同社の支配力に注目する。ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)はゲーマー向けグラフィックカードのニッチメーカーを2兆ドル規模の巨大テクノロジー企業に成長させた。同社株の急落を警戒する声はいまのところ、目を見張るような株価急騰を受けたものだ。
昨年、同社の時価総額は240%近く増加し、今年はすでに80%近く増えた。ブルームバーグの集計データによると、エヌビディアを調査するアナリスト66人のうち、顧客に売りを勧めているアナリストはいない一方、60人は投資家に買い続けるべきだと推奨している。
エヌビディアの広報担当者はコメントを控えた。
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原題:Nvidia ‘Bubble’ Talk Spreads to ESG Fund Managers Who Rode Highs(抜粋)
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