市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

家事男の記

2006-06-14 | Weblog
 今朝の節子からの電話で、来週月曜には退院できると伝えてきた。手術は6日午後だから、膝関節をチタン合金製に置換して2週間だ。もう退院!!と絶句した。一週間目には歩行器で1人で歩き出したというから、退院は可能になったのだろう。いずれにしても現代医学の進歩、その実践をする外科医に感謝する。
 
 さて、朝は味噌汁、納豆、おろし大根、目玉焼き、デザートにコーヒーとトーストにした。こんなものを作るのは手間はかからないのだが、だが、だが、問題はそうではないのが、ここ10日あまりでしだいにわかってきだした。この朝食準備の時間の流れのなかに、しなければならぬ付随のワークが水道の蛇口に水のように流れこんでくることだ。チップの散歩のあとの食時、そのための食器、別の材料の取り出し、配置。チップ用飲み水の取替え。

 流しの清掃、料理材料の片付け、切りくずの処理、ごみの種分け、ポリエチレン袋の引き出し、その合い間に洗面、洗濯ものの出し方と、取り込み、布団を干す、床に落ちた孫のパンツの収納、冷蔵庫の配置具合の再点検、調理器具の片付け、この間にもチップの散歩と食品の買い物、かってきた食品の収納、またまた冷凍庫中の廃棄食品の再点検。夕べの回覧板の隣家届け、郵便受けの各種領収書や請求書のチェック、新聞や広告の収納、夕べの本や雑誌の書架への配列、一部は勤務先へ持参、食時の後のあまった料理のパックと廃棄。シャツ、パンツ、靴の選択と着替え、電話で孫と親にどこに料理があるかと指示、かれらは、今日は遅刻している。掃除は、居間のテーブルと台所のそれ、玄関の戸締り、風呂場の干し物のかたずけ、残った目玉焼きのポリエチレンパックと冷蔵庫への収納・・・・

 朝食を食べるという単純なことのまわりに、これだけの多種多用なワークが発生する。なぜなんだ!自宅の生活で、単純な行動を起こすと、浴槽に足を入れたように、多種多様な仕事がつぎからつぎへと関連し会いながら、終わることの無いような波紋となり広がりだすのである。

 これは、カフカが小説で書いたような無限刑罰機に似ている。どうしたら、この刑罰機から逃れられ、いやこのシステムを制御できるのか、にわかに興味が湧き出した。節子が帰ってきても、しばらく家事全体を任せてくれるように頼んでみよう。その制御システムを発見するのがおもしろそうである。

 何が、無限刑罰機を生み出しているのだろう!!主婦方よ教えてほしい。
コメント (2)
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