初冬のころ、小春日和が続くと草木が季節はずれの花を咲かせることがある。
これを帰り花、あるいは返り花、帰り咲、狂い咲、二度咲などという。この現象は、気温が高くなったために、花芽が急に発育して
開花するのだけど、梅、桜、梨、躑躅(つつじ)、山吹、タンポポなど、日当たりを好む草木に多い。
また、藤や木蓮など春に咲くはずの花芽が十分に発育しないで、冬の暖かさによって開くものもある。
いずれも異常現象だけど、奇なる風情を楽しむことができる。
古く「日本書紀」に履中天皇三年冬十一月の遊宴の折り、さかずきに桜の花が落ちて、天皇が「この花、非時(ときじく)にして来たれり」
といってその珍しさをすこぶる喜ばれたとある。
また、浮世草子「男色大鑑(なんしょくおおかがみ」には、”ある時、長田山の西念寺の庭に復花(かへりばな)咲きて、家中春の心に
なりて見にまかりぬ”と桜の帰り花を見に出かけ、酒宴をする場面がある。
葉の落ちた梢に一、二輪咲く花にはわびしい趣がある。
今日聴いたジャズ・・・
ENRICO PIERANUNZI / CHARLIE HADEN / PAUL MOTIAN・・・「SPECIAL ENCOUNTER」
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本作は、エンリコ・ピエラヌンツィ(ピアノ)チャーリー・ヘイデン(ベース)ポール・モティアン(ドラムス)
三人が織りなす、滋味あふれるアルバム。一枚をとうして聴くと、ドラムスの音色が聴こえるのはラストの曲だけで、殆ど、ピアノと
ベースのデュオのような趣向になっている。
どの曲もスローテンポで演奏されていて、癒しの一枚、なごみの作品として重宝している。
1・MY OLD FLAME・・・2・YOU’VE CHANGED・・・3・EARLIER SEA・・・4・NIGHTFALL・・・5・MOーTI・・・6・LOVEWARD・・・
7・WALTZ FOR RUTH・・・8・MIRADAS・・・9・HELLO MY LOVELY・・・10・WHY DID CHOOSE YOU・・11・SECRET NIGHT・・
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11曲中、エンリコ・ピエラヌンツィが書き下した5曲(3、5、6、8、11)チャーリー・ヘイデンの曲(4、7、9)
それに、スタンダード3曲で構成されている。
ヘイデンの名曲、#4、奥様に捧げて書いたという#7が、とりわけ美しく、ピエラヌツィの書いた曲々がまた心に沁みる。
ENRICO PIERANUNZI(p)
CHARLIE HADEN(b)
PAUL MOTIAN(ds except8)
2003年3月6、7、8日録音・・・
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